米政府が狩猟動物の禁輸解除へ、トランプJr.らの狩猟好きに注目(2017/11/17)
アフリカのジンバブエやザンビアのサファリでは、象やバッファーローなどの野生動物を狩猟し、「戦利品」(剥製や毛皮に加工)として持ち帰る「トロフィーハンティング」が人気なのだという。2012年、米オバマ政権は象の減少によりこの戦利品輸入禁止をしていたが、今週トランプ政権は輸入禁止措置を解除すると発表。恩恵を受けるだろう狩猟好きのトランプの息子たちに注目が集まっているという。全米ライフル協会も当措置を歓迎している。
11月16日付米国
『NBCニュース』は「トランプ政権が狩猟された象の戦利品の輸入禁止を解除」との見出しで次の様に報道している。
木曜政府は、2014年オバマ政権でジンバブエとザンビアからの輸入が禁止された象の輸入再開を発表した。
「アメリカ魚類・野生動物サービス」は理由について、アフリカ象の狩猟と管理計画が、野生生物の存続を促進するからだと説明し、狩猟は「研究成果を高める」としているが、成果の詳細には言及していない。...
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11月16日付米国
『NBCニュース』は「トランプ政権が狩猟された象の戦利品の輸入禁止を解除」との見出しで次の様に報道している。
木曜政府は、2014年オバマ政権でジンバブエとザンビアからの輸入が禁止された象の輸入再開を発表した。
「アメリカ魚類・野生動物サービス」は理由について、アフリカ象の狩猟と管理計画が、野生生物の存続を促進するからだと説明し、狩猟は「研究成果を高める」としているが、成果の詳細には言及していない。
合法で規制の元に管理された狩猟により、種によっては、地域の種を保存し必要な収入も確保することもできる。
規制解除は、ジンバブエで今年1月末以降に狩猟された象、及びザンビアで昨年から狩猟された象に適用されるという。
アフリカブッシュゾウは、絶滅危険生物に登録されているが、例外として保存目的での動物狩猟に限り狩猟品の輸入を認めている。ジンバブエとザンビアでは、動物保護の資金目的で、外国人へ象、バッファロー、ライオンなどの動物を狩猟する許可を与える“動物許可証”を発行している。だがオバマ政権は、アフリカの象の減少したため、狩猟された象の戦利品を持ち帰るのを禁止していた。
動物保護団体はトランプ政権の動きを批判しているという。
一方、この措置で恩恵を受ける人の中にはトランプ大統領の2人の息子ドナルド・ジュニアとエリック・トランプがいる。狩猟好きで知られる彼らは2012年ジンバブエでしとめた動物と写真を撮っている。
同日付英国『ガーディアン』は「米国のアフリカ象禁輸により、トランプの息子の狩猟好きに注目が集まる」との見出しで以下のように報道している。
今回のアフリカからの象禁輸解除措置で、トランプ大統領の家族のスポーツ狩猟との関係が注目されている。
ドナルド・ジュニア、エリック・トランプは、ベテランのハンターで、昨年の大統領選挙では、2011年にサファリで狩猟した象・バッファロー・豹の死体と撮った写真が再度注目されていた。当時、息子らの、死んだ動物の横で笑った写真は、セレブなどの批判を掻き立てていた。
トランプ・ジュニアは、同年の「フォーブス」誌の取材で、「写真への批判は間違っている。象は個体数が増え過ぎ、生息地を維持するために狩猟する必要があるのだ」と主張したという。
一方、トランプ氏自身は、狩猟への関心を口にしたことはなく、「私の息子たちは狩猟が好きだ。かなりの腕前だ。私とは違い驚いているよ。」と述べている。
自然保護活動家らは、人による侵略や密輸により象は減少しており、狩猟品は動物由来製品に流れているとしている。
この措置決定を、狩猟権利団体「サファリクラブ・インターナショナル」や全米ライフル協会は歓迎している。
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トランプ氏の「口撃」で就任式ボイコット広がる(2017/01/18)
今週20日の大統領就任式を控え、ドナルド・トランプ次期大統領誕生への祝福ムードに落ち着くどころか、米国では未だにぎくしゃくした状態が続いている。先週後半、アフリカ系米国人公民権活動の中心人物であり国民から信頼の厚いジョン・ルイス下院議員がTV番組で「ロシアのハッキングの協力で当選したトランプ氏は大統領に相応しくないと思う」との趣旨の発言をし、就任式を欠席することを表明した。これに対し、トランプ氏はツイッターでルイス氏は「口先だけでなんの行動も結果もない」などと侮辱する発言をした。このタイミングが、公民権運動の指導者である、マーティン・ルーサー・キング牧師の生誕記念の時期と重なったため、2重の批判を受けており、これがきっかけもあり民主党議員26人が就任式欠席を表明しているという。もともと、アフリカ系米国人の得票は低かったトランプ氏だが、ますます一部からの反発心を煽りそうであり、就任式の行方が懸念される。
1月17日付英国
『BBC』は「トランプとルイスの対立:民主党員の就任式ボイコットが広がる」との見出しで以下のように報道している。
535人の上下院議員のうち、民主党員26人が就任式のボイコットを宣言している。
理由は市民権活動の象徴的存在で、米国人のヒーローであるジョン・ルイス下院議員へのトランプ氏の攻撃である。マーチンルーサーキング三世はトランプタワーでトランプ氏と会談した後、両氏の対立はたいしたものでないというそぶりを見せたが、妹でキングズセンターCEOのバーニーズ・キング氏はアトランタの教会で「神はトランプに勝利する」と演説したという。...
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1月17日付英国
『BBC』は「トランプとルイスの対立:民主党員の就任式ボイコットが広がる」との見出しで以下のように報道している。
535人の上下院議員のうち、民主党員26人が就任式のボイコットを宣言している。
理由は市民権活動の象徴的存在で、米国人のヒーローであるジョン・ルイス下院議員へのトランプ氏の攻撃である。マーチンルーサーキング三世はトランプタワーでトランプ氏と会談した後、両氏の対立はたいしたものでないというそぶりを見せたが、妹でキングズセンターCEOのバーニーズ・キング氏はアトランタの教会で「神はトランプに勝利する」と演説したという。
就任直前のトランプ氏のルイス氏への侮辱は、多くの民主党員の堪忍袋の緒が切れ、就任式欠席という前代未聞の結果を巻き起こした。
ルイス氏の就任式欠席は30年間の議員生活で初となる。ボイコットに賛同したニューヨーク州議員は「ルイス議員を侮辱することは、米国を侮辱することになる」といい、カリフォルニア州議員は「個人的な欠席の理由はトランプ氏を支持するか、ルイス氏を支持するかが基準」であり、ルイス氏を選ぶという。昨年12月、最初にボイコットを表明したのはイリノイ州のグティエレス議員で、「トランプ氏が演説やツイッターで女性やラテン系、イスラム系、黒人等について発言した内容を考えると、就任式に参加したら家族に正面から向き合えない。」と議会に申し出たという。
トランプ氏への批判発言後、ルイス氏の著書(伝記)はアマゾンの米国内書籍売り上げ1位となり、完売したという。
ルイス氏は昨年7月、オーランドの銃乱射事件を機に銃規制を求めるデモを議会前で行った。共和党はデモ鎮静のため議会を一時中断させTV中継を止めさせたが、ケーブルTV局「C―SPAN」が一部の民主党員の携帯電話から繋いで中継を続けたという。
トランプ政権移行チームは就任式でのアーティスト引き寄せにも苦心している。
同日付米国
『NBCニュース』は「なぜトランプ氏のジョン・ルイス氏への攻撃はとりわけ悪いタイミングで起きたのか」との見出しで以下のように報道している。
昨年の選挙で、黒人票がわずか8%だったトランプ氏だが、黒人からの支持がますます落ちそうである。 ルイス氏がNBCの番組でトランプ氏が大統領に相応しくないと発言した後、トランプ氏は、市民権活動で大きな負傷をし投獄された同氏を「口だけで、行動しない」と批判した。これらの発言で、民主共和両党員からの批判を浴びている。
多くのアフリカ系米国人にとり、マーチン・ルーサー・キング・ジュニアの祝日の週末に起きたこのトランプ氏の反応のタイミングは、大統領勲章の授章者で公民権活動の「ビッグ6」であるルイス氏への敬意が欠けていることを意味する。このトランプ氏のルイス氏への攻撃は歴史認識の無知への怒りを買い、トランプ氏が標ぼうする「米国を良い国にする」ために人生を捧げた人を侮辱するものである。
昨年選挙中、トランプ氏は繰り返し雇用を取り戻すだけでなく、人種による犯罪撲滅も誓っていたのだが、具体的政策に関しては、人種間問題を引き起こしている警察の職務質問権を拡大することのみしかあげられていなかった。以前、「黒人との関係が良かった」と自慢していた同氏だが、選挙結果では黒人票は低迷。その結果について、先月ペンシルバニアの白人が多くを占める集会では、「賢い」アフリカ系米国人が「投票に出かけなかったことに感謝する」と述べていた。皮肉なことに、ルイス氏が生涯を賭けた全米国民の市民権である。
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