ロシア国営テレビで反戦を訴えたジャーナリスト、自宅軟禁を逃れた上で無実をアピール【欧米メディア】(2022/10/06)
今年3月中旬、ロシア国営テレビの生放送中に反戦を訴えたロシア人ジャーナリストが、虚偽情報を広めた容疑で自宅軟禁下に置かれていた。しかし、この程当局の追跡を逃れて、安全の場所から無実を訴える動画メッセージを公開している。
10月5日付
『ロイター通信』は、「自宅軟禁下にあったロシア人ジャーナリスト、無実を訴え」と題して、今年3月にロシアによるウクライナ軍事侵攻を非難するメッセージを国営テレビの生放送中に流したロシア人ジャーナリストは、当局によって自宅軟禁下に置かれていたが、この程安全な場所に逃避した上で、無実を訴える動画を公開したと報じている。
ロシア国営テレビのジャーナリストだったマリーナ・オフシャンニコワ氏(44歳)は10月5日、ロシアによるウクライナ軍事侵攻を非難したことで当局から自宅軟禁下に置かれていたが、この程安全な場所に逃れた上で、自分は無実である旨動画メッセージで訴えた。...
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10月5日付
『ロイター通信』は、「自宅軟禁下にあったロシア人ジャーナリスト、無実を訴え」と題して、今年3月にロシアによるウクライナ軍事侵攻を非難するメッセージを国営テレビの生放送中に流したロシア人ジャーナリストは、当局によって自宅軟禁下に置かれていたが、この程安全な場所に逃避した上で、無実を訴える動画を公開したと報じている。
ロシア国営テレビのジャーナリストだったマリーナ・オフシャンニコワ氏(44歳)は10月5日、ロシアによるウクライナ軍事侵攻を非難したことで当局から自宅軟禁下に置かれていたが、この程安全な場所に逃れた上で、自分は無実である旨動画メッセージで訴えた。
同氏は、“私は完全に無実であると信じる”とした上で、“ロシア当局が法に則っとり対応することを拒否している以上、私自身も当局の命令に従うつもりはなく、9月30日に自宅軟禁から逃れることとした”と強調している。
同氏は、『テレグラム』(2013年ロシア人技術者が開発したメッセージアプリ)に投稿した動画メッセージで、ロシア連邦刑執行庁(注1後記)に宛てて、ウラジーミル・プーチン大統領(今週末70歳、2000年就任)こそ戦争犯罪者だと訴えた。
同氏は、自身が嵌められていた電磁式くるぶし拘束錠をジェスチャーで示し、“プーチンにこそこれを嵌めさせるべきだ”とも言及した。
同氏の代理人ドミトリー・ザハトフ弁護士は『ロイター通信』のインタビューに答えて、当局は彼女の居場所を特定できていないとしながらも、当局はもし再度彼女を逮捕できたら即刻勾留するとしているとコメントした。
同氏が今年3月に、ロシア国営テレビの生放送中に反戦を訴える行動を取ったことで、ロシア政府は“フーリガン行為(注2後記)”だと非難した。
その上でロシア当局は、ウクライナ軍事侵攻後に新たに制定した「メディア規制法(注3後記)」に準じて、彼女に罰金刑を科した。
しかし、彼女はこれにめげず、国営テレビ局を辞した後、反戦活動家として活動を始め、7月にはクレムリン(ロシア大統領府)のモスクワ川対岸で、一人で反戦デモを行ったが当局によって逮捕され、自宅軟禁下に置かれてしまっていた。
彼女の自宅軟禁期限は10月9日であったが、国営メディア『RT(旧ロシア・トゥデイ)』の10月1日報道によると、彼女は11歳の実娘を連れて自宅を脱出し行方知れずとなっているという。
なお、彼女は裁判所から10月6日の出頭命令を受けていて、審理の結果、最長10年の禁固刑が科せられる恐れがあった。
同日付『ユーロニュース』(1993年開局のテレビ局)は、「生放送で反戦を訴えたジャーナリスト、マリーナ・オフシャンニコワ氏が自宅軟禁から脱出」として、当局の自宅軟禁下から逃れたと報じている。
マリーナ・オフシャンニコワ氏は10月5日、当局による自宅軟禁措置から実娘とともに逃れ、今後当局の審理前拘束命令に従わないと宣言した。
彼女は『フェイスブック』に投稿して、“私は全く無実だと信じているので、当局の自宅軟禁命令には従わない”と訴えた。
彼女は今年7月、クレムリン対岸で、“プーチンは人殺し、ロシア軍はファシスト(独裁者)、ウクライナ戦争で352人もの子供が犠牲”とのプラカードを持って反戦デモを行い、逮捕された上で、審理前2ヵ月間の自宅軟禁命令を受けていた。
なお、彼女が裁判で、「メディア規制法」下での“虚偽情報の流布罪”容疑が認められると、最長15年の禁固刑に処せられる恐れがある。
(注1)ロシア連邦刑執行庁:ロシア連邦司法省が所管する、ロシア連邦における刑務所・拘置所を運営する連邦執行機関で、2004年設立。
(注2)フーリガン行為:サッカーの試合会場の内外で暴力的な言動をする暴徒化した集団をフーリガンと呼び、同等の暴力行為を指す。
(注3)メディア規制法:ロシア軍の行動に関して「明らかな虚偽の情報の流布」や、公の場での「軍事行動の停止の呼びかけや、軍の名誉や信頼を傷つける活動」を禁止する法律で今年3月4日に制定。虚偽の情報を流した場合、最長で禁錮15年。また、外国や国際機関などに呼びかけた場合、最長で禁錮3年。
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習国家主席、消息不明で失脚かとの噂が飛び交う中、10日振りに表舞台に登場【米・香港メディア】(2022/09/28)
習近平国家主席(シー・チンピン、69歳、2012年就任)は、9月中旬にウズベキスタンで開催された上海協力機構(SCO、注後記)に出席した後、暫く消息不明となっていた。来月中旬の重要な中国共産党大会を控えた時期であったため、失脚かとの根拠のない噂まで飛び出したが、この程10日ぶりに表舞台に登場している。
9月28日付米
『AP通信』は、「習国家主席、消息不明との噂が飛び交う中、漸く国営テレビに登場」と題して、習近平国家主席は、来月中旬に開催される中国共産党大会において異例の3期目の続投が決定されると予想される中、暫くの間消息不明となったことから、失脚かとの根拠のない噂まで飛び出したが、10日ぶりに表舞台に姿を現したと報じている。
習近平国家主席は9月27日、約10日振りに表舞台に登場した。...
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9月28日付米
『AP通信』は、「習国家主席、消息不明との噂が飛び交う中、漸く国営テレビに登場」と題して、習近平国家主席は、来月中旬に開催される中国共産党大会において異例の3期目の続投が決定されると予想される中、暫くの間消息不明となったことから、失脚かとの根拠のない噂まで飛び出したが、10日ぶりに表舞台に姿を現したと報じている。
習近平国家主席は9月27日、約10日振りに表舞台に登場した。
北京で開催された、「新時代への邁進」と題する展覧会を視察したもので、李克強首相(67歳、2013年就任)他幹部を従えた姿が国営テレビで報じられた。
同国家主席は9月中旬にウズベキスタンで開催されたSCOに出席した後、暫く公から姿を消していた。
現下の中国新感染症防止対策“ゼロコロナ政策”上、国家主席と言えども帰国後1週間は自主隔離が必要であるが、経過後数日経っても消息が不明であった。
中国では、政権への如何なる異議も冷酷に取り締まられているが、しばしば内紛とかクーデターとかの噂が飛び出す不可解な事態が起こっている。
今後の指導体制が決定される10月16日開催の中国共産党大会直前に、習国家主席が数日間表舞台から消えたことから、またぞろ失脚かとの根拠のない噂まで飛び交っていた。
キングス・カレッジ・ロンドン(1829年設立の国立大学)中国研究専門のケリー・ブラウン教授は、“もし中国上層部の中で習氏に対する不満が高まっているならば、何らかの兆しが見えるはずだ”とし、“何ら動きが見えない以上、(習氏失脚等)何も起こらないと思う”とコメントした。
更に、内紛とかクーデターとかの噂に対して、中国人民解放軍は習国家主席の反腐敗運動の賜物で、厳しい管理下に置かれてしまっている、とし、“仮に(失脚等の)そのような声が上がっているとすれば、中国中央ではなく、香港とかその他中央政府に厳しく取り締まられているところから上がったものとみられる”とも付言した。
同日付香港『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』紙は、「習国家主席、再び公に姿をみせる」として、暫く姿をみせていなかったものの、習国家主席が中央政府幹部を引き連れて表舞台に登場したと報じている。
習国家主席が9月27日、北京で開催されている展覧会に現われた。
国営『新華社通信』によると、同国家主席が、過去10年間で中国が成し遂げた業績を振り返る「新時代への邁進」と題する展覧会を視察したという。
また、同国家主席には、中国共産党中央政治局(党を指導し、政策を討議・決定する機関、トップ25人で編成)の幹部十数人が随行していたと報じている。
同国家主席は、9月中旬に新規感染症問題発生以来2年振りとなる外遊を行って帰国したが、10日間公に姿をみせていなかった。
同国家主席は展覧会視察の際、指導部が“政治、経済、イデオロギーや自然界がもたらした試練に耐え、歴史的業績を収めた”と強調した。
その上で、自らが掲げてきた“社会主義現代化強国”の実現目標や政治理念の“中国の特色ある社会主義”について、“新たな一章を記し、新たな勝利を奪取しなくてはならない”とも付言している。
なお、かかる報道記事から、専門家は、来月の党大会での異例の3期目続投が益々盤石となったとみられるとコメントしている。
(注)SCO:中国・ロシア・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・ウズベキスタン・インド・パキスタンの8ヵ国による多国間協力組織、もしくは国家連合。2001年設立(1996年前身の「上海ファイブ」設立)。上海で設立されたために「上海」の名を冠するが、本部(事務局)は北京。
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