中国IT、日本人襲撃でヘイトスピーチ取り締まり(2024/07/02)
先週、中国江蘇省蘇州市のバス停で日本人母子が襲撃され、これを中国人女性が阻止した事件を受け、中国のネット企業は、オンライン上にみられる反日感情のような過激なナショナリズムを取り締まると発表している。
7月1日付
『ロイター通信』:「日本人襲撃事件を受け、中国ソーシャルメディア企業がヘイトスピーチ批判」:
先週1人が死亡し日本人母子が負傷した襲撃事件を受けて、中国のソーシャルメディア大手企業が日本人を標的としたネット上のヘイトスピーチを批判し、強気の対応を発表している。
このような感情や国家主義思想が問題となるのは珍しいことではないが、「ウィーチャット」や「テンセント
」、「ティックトック」を運営するバイトダンス社の姉妹サイト「ドウイン」、投稿サイト「ウェイボ」、ゲーム大手「ネットイース」が先週のヘイト投稿を批判している。...
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7月1日付
『ロイター通信』:「日本人襲撃事件を受け、中国ソーシャルメディア企業がヘイトスピーチ批判」:
先週1人が死亡し日本人母子が負傷した襲撃事件を受けて、中国のソーシャルメディア大手企業が日本人を標的としたネット上のヘイトスピーチを批判し、強気の対応を発表している。
このような感情や国家主義思想が問題となるのは珍しいことではないが、「ウィーチャット」や「テンセント
」、「ティックトック」を運営するバイトダンス社の姉妹サイト「ドウイン」、投稿サイト「ウェイボ」、ゲーム大手「ネットイース」が先週のヘイト投稿を批判している。
ドウインは30日の投稿で、「過激で間違えた発言は外国人嫌悪を助長し、プラットフォームの平和で前向きな雰囲気を阻害し、違法行為をあおり立てるもの」だと述べている。
中国における反日感情は、第二次大戦下の中国侵攻の苦い記憶を発端としており、襲撃で日本人を標的としたことを称賛するような声も一部みられる。「ドウイン」では、55歳のバス乗務員を称え追悼するコメントが多数みられ一方、過激な発言が目立ったという。
中国国営メディアもネット上のヘイトスピーチを批判している。先月28日の人民日報の社説では、「我々は個人が外国人嫌悪やヘイトスピーチをあおることも容認しない。これは主流の中国社会や中国人には受け入れられない」としている。
同日付英『Guardian』:「ナイフ襲撃事件を受け、中国IT企業がネット上のヘイトスピーチ対策」:
先週末、中国のネット二大企業「テンセント」と「ネットイース」はオンライン上の行き過ぎたナショナリズムを取り締まるべく調査を行い、ヘイトを助長するユーザーのアカウント停止するとしている。
先週、東部蘇州で周という名の無職の男が日本人学校の母子をバス停で刃物で刺し負傷させ、仲裁に入った中国人胡有平さんが死亡した。胡さんはネット上で勇敢なヒーローだと称賛され、中国日本国大使館では反旗が掲げられのだが、その一方で、過激な国家主義的反応がみられている。
対話アプリ「ウィーチャット」を運営するテンセントは、「事件が公衆の関心を集めている。ネティズンの中には日中の対立を煽ろうとする人もいる」と発表。
一月に5億8800万人のユーザーが利用している投稿サイト「ウェイボー」は事件後、「国家主義感情を刺激するような過激な発言や、集団憎悪を助長させ、中には愛国主義の名目のもとに犯罪を称賛する」ようなユーザーもいるとしている。
ショート動画アプリ「ドウイン」は、中国の日本人学校関連を含むアカウント上の過激な外国人嫌悪(ゼノフォビア)を調査するとしている。
日本への憎悪を示す「反日感情」が近年中国のネット上でみられるが、政府批判への検閲への対応には迅速な中国当局やネット企業は殆ど介入していない。差別的な日本人教員に反抗する中国人児童の動画など「日本人学校を叩く動画」が特に人気があるという。
対策として、「ウェイボー」は違法なコンテンツ759個を削除、テンセントは違反のあった836投稿に対応し、両社は幾つかのアカウントを停止したという。こうした企業側の反日コンテンツ取り締まりに不満をもつ人々もいる。
中国当局は、北西部吉林省で米国人教員らが公園で刃物で襲撃された事件の2週間後に起きた今回の襲撃事件だけを特例としたものではないとしている。
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遠距離恋愛中のカップルに朗報、離れていてもスマホ経由で間接キス可能な商品開発【欧米メディア】(2023/03/25)
この程中国で、遠距離恋愛中のカップルが、離れていてもスマホ経由で間接キスが可能となる商品が開発された。
3月24日付
『ロイター通信』は、中国でこの程、遠距離恋愛中のカップルが、離れていてもスマホ経由で相手と間接キスが交わせる商品が開発されたと報じている。
「ロング・ロスト・タッチ(ずっと忘れていた感触)」と名付けられた、シリコン製のロボット唇が備えられた装置で、モーションセンサー(注後記)を利用して、本物のキスの動きや熱・圧力を再現することができる。
開発者の趙剣波氏(チャオ・チアンポー)によると、3年間続いた新型コロナウィルス(COVID-19)問題で、広範囲にわたり幾度となく都市封鎖措置が講じられた際にアイデアが閃いたという。...
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3月24日付
『ロイター通信』は、中国でこの程、遠距離恋愛中のカップルが、離れていてもスマホ経由で相手と間接キスが交わせる商品が開発されたと報じている。
「ロング・ロスト・タッチ(ずっと忘れていた感触)」と名付けられた、シリコン製のロボット唇が備えられた装置で、モーションセンサー(注後記)を利用して、本物のキスの動きや熱・圧力を再現することができる。
開発者の趙剣波氏(チャオ・チアンポー)によると、3年間続いた新型コロナウィルス(COVID-19)問題で、広範囲にわたり幾度となく都市封鎖措置が講じられた際にアイデアが閃いたという。
すなわち、当局の命令で当該措置対象となった地域では、家から一歩も出ることが許されず、“恋人と長い間会えなくなり、とても寂しい思いをしたから”、何か寂しさを補うものはないかと考えたことから生まれたという。
趙氏は当時、北京電影学院(1950年前身設立、中国で唯一、映画関係の人材を専門に養成する大学)の学生で、卒業記念の作品制作に取り掛かっていて、オンライン通話だけでは物足りなく思い、何かスキンシップができないか考えて当該商品の開発に漕ぎ着けたものである。
同氏は、思維幅射(シーウェイフシュ)という会社を立ち上げ、今年1月22日に同商品を“MUA(キス音を元に命名)”と名付けて約260人民元(38ドル、約5千円)で売り出した。
同氏によると、ゼロコロナ政策に伴う行動制限が昨年12月に大幅緩和されている中でも、発売後2週間で3千個以上が売れ、更に2万個もの注文を受けているという。
MUAは、利用者双方が保有する必要があり、各々のスマートフォンを装着した上で、アプリをインストールして使用する。
利用者双方は、スマートフォンの画面越しにキスを交わすことができ、キスの際に生じる音や温かみまでも再現できるという。
なお、中国版SNS「新浪微博(ウェイボー、2009年開始)」上には、当該商品が性的な目的で使用されかねないと危惧する声が投稿されている。
また、規制の厳しい中国当局から何らかの制限措置が講じられる恐れがあるが、趙氏は、“顧客が本商品をどう使うかは、自分たちではどうしようもない”とコメントしている。
(注)モーションセンサー:動作を感知するための装置。人の身ぶりや手ぶり、指先の動きなどを検出する機械であり、その機能を使うことで、機器を操作したり人の動きを分析することができる。
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