豪州労働党新政権、米側期待に反して台湾有事の際の共同軍事作戦に慎重姿勢【米・豪州メディア】(2023/03/21)
豪州は近年、中国との対立姿勢を鮮明にしてきたが、昨年5月に9年振りに返り咲いた労働党政権は、昨年末に中豪国交樹立50周年を迎えるに当たって、外相を政府要人として4年振りに中国に派遣し、関係修復に動き出そうとしている。そうした中、保守党政権時代に成立した、中国牽制のための米・英国との3ヵ国安全保障枠組み(AUKUS、2021年9月設立)に基づき、約束通り米原子力潜水艦購入は行うものの、米側期待に反して、台湾有事の際に米側との共同軍事作戦参加には慎重な姿勢を示している。
3月20日付豪州
『news.com.au』は、「米海軍省元トップ、AUKUSの下で台湾有事の際の豪州側支援に期待」と題して、中国の影響力拡大に対抗するために組織されたAUKUSの下、豪州側が米国提供の原子力潜水艦を駆使して、台湾有事の際に米側の支援に回ることを期待していると述べたと報じている。
これに対して、同日付米国『AP通信』は、「豪州、台湾有事の際に米軍に与するかは未定」として、豪州国防トップが、AUKUSの下で米原子力潜水艦の供与を受けたからと言って、台湾有事の際に米軍が指揮する軍事作戦に参加するかどうかは約束できないと慎重な姿勢とみせたと報じている。...
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3月20日付豪州
『news.com.au』は、「米海軍省元トップ、AUKUSの下で台湾有事の際の豪州側支援に期待」と題して、中国の影響力拡大に対抗するために組織されたAUKUSの下、豪州側が米国提供の原子力潜水艦を駆使して、台湾有事の際に米側の支援に回ることを期待していると述べたと報じている。
これに対して、同日付米国『AP通信』は、「豪州、台湾有事の際に米軍に与するかは未定」として、豪州国防トップが、AUKUSの下で米原子力潜水艦の供与を受けたからと言って、台湾有事の際に米軍が指揮する軍事作戦に参加するかどうかは約束できないと慎重な姿勢とみせたと報じている。
まず、米海軍省元長官のリチャード・スペンサー氏(64歳、2017~2019年在任)が3月20日、キャンベラ(豪州首都)在のナショナルプレスクラブでの公開インタビューで、米側は、AUKUSに基づき、米製原子力潜水艦を豪州に提供する以上、万が一台湾有事となった場合には、米軍支援のために同原潜を派遣することを期待している旨述べた。
ただ、同氏は、中国が台湾に軍事侵攻した際、米軍が参戦するということを確約するものではないが、もし米軍が軍事作戦を起こすことになった場合に豪州の支援を期待するものだと付言している。
このインタビューの1週間前、アンソニー・アルバニージー首相(60歳、2022年就任)が米・英国首脳との会談に臨んで、保守党政権時代に設立されたAUKUSの下、予定どおり米製原潜を取得する旨再確認していた。
なお、元米陸軍省長官で現在は豪州国立大学(1946年設立)国際政治戦略学部トップのトーマス・ホワイト教授(79歳)も、豪州はAUKUSに参画している以上、米軍が中国軍と一線を交えることになった場合、米軍に与することを“約束”しているものと見做されると分析している。
一方、豪州のリチャード・マールズ国防相(55歳、2022年就任)は同日、豪州『ABC』の報道番組「インサイダーズ」(2001年放送開始)に出演して、米製原潜を取得することになるからと言って、台湾有事の際に米軍に与することを約束するものではないと明言した。
同相は、“台湾の将来について憶測でものを言うことは控えたい”とした上で、“AUKUSに基づき、2030年代初めに米製原潜の提供を受けることは確かであるが、それはあくまでインド太平洋地域における安定維持に貢献しようとするためのものである”と強調している。
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ウクライナ戦況悪化予測で北朝鮮も遂にロシア支援から後退?【米メディア】(2023/02/03)
11月9日付GLOBALi「
北朝鮮;今度はウクライナ戦争派遣のロシア兵向け冬用軍服等をロシアに密輸」で報じたとおり、北朝鮮が、ロシア軍への弾薬や砲弾の供給に続いて、冬に備えてウクライナ派遣のロシア兵用軍服等をロシアに密輸している。しかし、北大西洋条約機構(NATO、1949年設立、北米2ヵ国及び欧州28ヵ国が加盟)加盟国がロケット砲から戦車・装甲車に至るまで続々とウクライナ側に提供し始め、ロシア軍にとって今後の戦況悪化が懸念される。そこで、北朝鮮も敏感に反応してか、ロシア支援をしり込みし始めているとみられる。
2月3日付
『ビジネス・インサイダー』オンラインニュース(2009年設立)は、「プーチンの最後の支援国のひとつとされる北朝鮮、戦況悪化を懸念してロシア支援をしり込み」と題して、米国・韓国メディア報道を引用して、これまでロシアを支援してきた北朝鮮までが、戦況悪化予想から支援継続をしり込みし始めたと報じている。
韓国メディア『デイリィNK』オンラインニュース報道によると、北朝鮮が、ウクライナ東部のロシア実効支配地域を支援するための北朝鮮労働者派遣時期を遅らせているという。...
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2月3日付
『ビジネス・インサイダー』オンラインニュース(2009年設立)は、「プーチンの最後の支援国のひとつとされる北朝鮮、戦況悪化を懸念してロシア支援をしり込み」と題して、米国・韓国メディア報道を引用して、これまでロシアを支援してきた北朝鮮までが、戦況悪化予想から支援継続をしり込みし始めたと報じている。
韓国メディア『デイリィNK』オンラインニュース報道によると、北朝鮮が、ウクライナ東部のロシア実効支配地域を支援するための北朝鮮労働者派遣時期を遅らせているという。
『AP通信』は昨年9月、駐ロシア北朝鮮大使が、同地域支援のために建設労働者を派遣することに関心があると表明したと報じていた。
そして『デイリィNK』によると、同計画が進展し、北朝鮮当局は800~1000人の労働者を募集し、11月初旬までに派遣する計画だったという。
しかし、北朝鮮在の情報提供者が『デイリィNK』に語ったところによると、ウクライナ戦争が12ヵ月目に突入してしまったことで、北朝鮮としては“危険地帯”へ労働者を派遣することを控えているという。
同情報筋は、“ロシアが戦争を早く終わらせ、占領地を拡大すれば労働者を派遣するつもりだったが、ロシアが思ったように計画が進んでいないと北朝鮮当局が判断している”とする。
更に同情報すふぃ協力者は、“北朝鮮であっても、現金は重要であるが、危険地帯に労働者を派遣することはできないと考えている”とも言及した。
このように、ウラジーミル・プーチン大統領(70歳、2000年就任)の側近の一部だけでなく、数少ないロシア支持国のひとつである北朝鮮からも、同大統領への支持が失われつつある。
ロシア政府高官とコミュニケーション・チャンネルを有するロシア人富豪が昨年12月、『ワシントン・ポスト』紙のインタビューに答えて、“プーチン大統領周辺の人々の不満が大きくなりつつある”とし、“同大統領は、何をすべきか明確に理解していない”とコメントしている。
一方、習近平国家主席(シー・チンピン、69歳、2012年就任)は昨年12月にプーチン大統領とオンライン会議を催した際、ロシアへの支援を再確認するとしながらも、同時に、“複雑で、かつ物議を醸す国際情勢になっている”ことは認めざるを得ないとしていた。
また、NATO連合軍元最高司令官のジェームズ・スタブリディス氏(67歳、2009~2013年在任)は今年1月、『MSNBCニュース』のインタビューに答えて、ロシア軍は約10万人の死傷者を出したと推定されており、プーチンは目下、“人員を確保しようと躍起になっている”と語った。
その上で同氏は、“それは、プーチンにとってこの戦争が如何に困難になっているかを示す兆候であるので、(終戦のため)何でも受け入れるのではないか”とも付言している。
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