米軍、トランプ大統領の初アジア歴訪の露払いとして超大型原子力空母3隻を朝鮮半島に配備【英・ロシア・香港メディア】(2017/10/27)
既報どおり、ドナルド・トランプ大統領は11月3~14日の間、就任後初めてアジア5ヵ国を歴訪する。最優先課題は北朝鮮問題について関係各国と協議することであるが、狂犬と嘲る金正恩(キム・ジョンウン)委員長が何を仕出かすか予想は難しい。そこで、同大統領訪問時に米軍の力を見せ付けて、不穏な動きを牽制しようとしてか、超大型原子力空母3隻を同時に朝鮮半島海域へ配備した。
10月25日付ロシア
『RT(ロシア・トゥデイ)テレビニュース』:「米軍、トランプ大統領アジア歴訪に先駆けて更に2隻の空母を太平洋に配備」
ドナルド・トランプ大統領の初の東アジア訪問に先駆けて、更に2隻の超大型原子力空母が太平洋に配備された。
同海域には、第7艦隊所属の原子力空母“ロナルド・レーガン”打撃群が配備されているが、北朝鮮問題の緊張の高まりに備えて、新たに“セオドア・ルーズベルト”空母打撃群及び“ニミッツ”空母打撃群も加わることになったと、10月25日に発表された。...
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10月25日付ロシア
『RT(ロシア・トゥデイ)テレビニュース』:「米軍、トランプ大統領アジア歴訪に先駆けて更に2隻の空母を太平洋に配備」
ドナルド・トランプ大統領の初の東アジア訪問に先駆けて、更に2隻の超大型原子力空母が太平洋に配備された。
同海域には、第7艦隊所属の原子力空母“ロナルド・レーガン”打撃群が配備されているが、北朝鮮問題の緊張の高まりに備えて、新たに“セオドア・ルーズベルト”空母打撃群及び“ニミッツ”空母打撃群も加わることになったと、10月25日に発表された。
3つの空母打撃群部隊は、北朝鮮の弾道ミサイル防衛を主眼として、現在進められている日米韓共同の大規模海上軍事演習に臨む。
一方、中ロ両国はこれまで何度も、米韓合同軍事演習を止める代わりに、北朝鮮には核・ミサイル開発の中止を求めてきた。しかし、この提案は米軍がきっぱり断っている。
10月26日付英『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「トランプ大統領の東アジア訪問を前に、“ロナルド・レーガン”に加えて更に2隻の原子力空母を配備」
更に2隻の超大型原子力空母が朝鮮半島海域に配備されることで、北朝鮮の反発が余計に高まる恐れがある。北朝鮮はこれまで、米軍の威圧に対抗して、グアムの米軍基地を灰にすると脅している。
空母“セオドア・ルーズベルト”のカルロス・サーディエロ艦長は、ロシアメディア『RT』のインタビューに答えて、同空母打撃群は人道支援から戦闘まで、あらゆる対応の準備ができていると語った。
一方、軍事専門家が『CNN』に語ったところによれば、3つの空母打撃群の朝鮮半島海域配備は、北朝鮮のみならず同盟国の中国にとっても強烈な威嚇となろうという。
同日付香港『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』オンラインニュース:「米軍が2007年以来初めて3隻の空母を西太平洋に配備したことから、北朝鮮が太平洋上での核実験実施と警告」
米海軍第7艦隊所属の“ロナルド・レーガン”空母打撃群に加えて、“セオドア・ルーズベルト”空母打撃群が10月23日に朝鮮半島に配備された。
そして更に10月25日、中近東での活動を終えた“ニミッツ”空母打撃群が西太平洋に配備されたことが明らかになった。
かかる異彩を放つ配備によって、北朝鮮高官は『CNN』のインタビューに答えて、北朝鮮外交部長(外相に相当)から、これまでの発表のとおり、太平洋上の大気圏での核実験を実施することになるとの警告が出されたと語った。
一方、10月26日にタイを訪問しているジム・マティス国防長官は、米軍や米国の同盟国が攻撃されたら、防衛のための戦闘を行うとしながらも、誰もが平和的解決を望んでいるとも述べている。同長官は10月27日、トランプ大統領のアジア歴訪に先駆けて、韓国入りして年次防衛協議に臨む。
なお、今回の3つの空母打撃群の同時配備は、2007年8月にグアム周辺で行われた米海軍の“勇敢な楯”軍事訓練以来のことである。
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ドゥテルテ比大統領がまた舌禍-麻薬取締局が不十分なら自分が麻薬犯罪者を射殺すると発言【米・英・ロシア・フィリピンメディア】(2017/10/23)
これまで何度か触れたとおり、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、自身が最優先課題とする麻薬撲滅運動を批評する人達に対しては、同盟国である米国のバラク・オバマ大統領(当時)であろうと、貿易拡大交渉を続けている欧州連合(EU)の政治家であろうと、一国の首脳にあるまじき口汚い表現でののしっている。そして今度は、人権蹂躙と非難されたフィリピン警察(PNP)を一時的に麻薬撲滅運動からはずし、代わりに中心となるよう指示したフィリピン麻薬取締局(PDEA)から弱音の発言が出されるや否や、同大統領自身が銃を持って麻薬犯罪者らを射殺すると言い出した。本家のドナルド・トランプ大統領に負けず劣らず、“フィリピンのトランプ”の舌禍は止みそうもない。
10月22日付米
『Foxニュース』:「フィリピンのドゥテルテ大統領、自らが犯罪者を銃で撃っても良いと発言」
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は10月20日、必要に応じて自らが銃を持って麻薬犯罪者らを撃っても良いと発言した。
同大統領は10月11日、人権団体等から超法規的殺人を強く非難されたために、PNPを麻薬撲滅運動の管轄からはずす旨表明していた。しかし、代わりに取り締りに当ることを期待されたPDEAから弱気な発言が出たことから、麻薬犯も強姦犯も、大統領自身が銃を持って裁くこと厭わずと発言したもの。...
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10月22日付米
『Foxニュース』:「フィリピンのドゥテルテ大統領、自らが犯罪者を銃で撃っても良いと発言」
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は10月20日、必要に応じて自らが銃を持って麻薬犯罪者らを撃っても良いと発言した。
同大統領は10月11日、人権団体等から超法規的殺人を強く非難されたために、PNPを麻薬撲滅運動の管轄からはずす旨表明していた。しかし、代わりに取り締りに当ることを期待されたPDEAから弱気な発言が出たことから、麻薬犯も強姦犯も、大統領自身が銃を持って裁くこと厭わずと発言したもの。
10月21日付英『スカイ・ニュース』:「フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領自身が銃を持って犯罪者らを罰しても良いと申し出」
ドゥテルテ大統領は2016年6月に就任して以降、同大統領自身が、3百万人にも上る麻薬常習者を“根絶やしにすることは喜び”と発言していたこともあって、麻薬犯罪撲滅運動のための乱暴な取り締りによる犠牲者が7千人以上にもなっている。
人権監視団体やアムネスティ・インターナショナルは、PNPからの正当防衛による犯罪者殺害のみだとの主張に対して、超法規的殺人がまかり通っていると非難した。
なお、ドゥテルテ大統領は10月20日、一時的にPNPを同取り締りからはずす決定をしているが、犯罪者取り締りのためには自らが銃を持って罰していくと言い出した。更に、今後6ヵ月ほど様子をみるが、もし犯罪撲滅が停滞するようなら、再びPNPに取り締まらせるとも発言している。
同日付ロシア『RT(ロシア・トゥデイ)テレビニュース』:「フィリピン大統領、“誰もやらないなら自分が引金を引く”と犯罪者に警告」
ドゥテルテ大統領は、フィリピンにとって深刻な問題となっていた麻薬犯罪撲滅のため、厳重な取り締りの上で犯罪者10万人をマニラ湾の魚の餌にしてやると豪語して、国民から強い支持を得た。
実際に、当該取り締りの結果、4千人近い麻薬犯罪者が殺害されている。しかし、超法規的殺人を非難されたことから、一時的にPNPを麻薬取り締りからはずした。ただ、代わりに同取り締りの中心に据えたPDEAが頼りにならないとみるや、自らが銃を取って犯罪者らを罰していくと言い出している。
10月22日付フィリピン『マニラ・ニュース』:「フィリピン大統領、自らが銃で犯罪者を撃つと警告」
ドゥテルテ大統領就任以降、PNPによって処罰された麻薬犯罪者は3,900人以上に上るとPNPは発表している。更に、政府発表では、“麻薬絡み”の未解決事件で2,290人が死んでいるとしている。
この超法規的殺人に対して、国連はもとよりローマ教皇フランシスコまでも同大統領を非難したが、フィリピン国民は同大統領を引き続き支持している。
しかし、国際社会からの非難の声が高まったため、ドゥテルテ大統領は10月11日、一旦PNPを麻薬犯罪取り締りから外すこととし、代わりにPDEAに当らせると発表した。
ただ、PNPが16万5,000人の警察官を擁しているのに対して、PDEAの麻薬取締官は僅か2,000人であるため、麻薬犯罪取り締りがうまく運ぶか疑問なしとしない。そこで同大統領は10月21日、自らが銃を持って麻薬犯罪者らを罰しても良いし、また、暫く様子を見て、場合によって再度PNPに同取り締まらせるとも表明した。
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