トランプが初めて公の場でマスク着用(2020/07/13)
共和党が多数派の州でコロナウイルスの感染者が急増する中、これまでマスク着用に否定的だったトランプ大統領が、軍の医療施設を訪問した際、初めて公の場でマスク姿を披露した。ジェローム・アダムス公衆衛生長官もマスクをつけたままインタビューに応じる姿を見せている。米国では、経済活動、学校再開を進める中、コロナ対策の転換が見られている。
7月12日付米国
『Los Angeles Times』は「感染者が増加する中、トランプが遂にマスクを着用。現段階で効果は?」との見出しで以下のように報道している。
日曜のニューストーク番組で、ジェローム・アダムス公衆衛生長官は目しか見えない程大きな白いマスクをつけて登場。コロナ感染拡大を防ぐため、人々にマスクをつけるよう懇願した。時々マスク姿を見せてはいたものの、今回は違っていて、長い間のインタビューでも付けたままだった。...
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7月12日付米国
『Los Angeles Times』は「感染者が増加する中、トランプが遂にマスクを着用。現段階で効果は?」との見出しで以下のように報道している。
日曜のニューストーク番組で、ジェローム・アダムス公衆衛生長官は目しか見えない程大きな白いマスクをつけて登場。コロナ感染拡大を防ぐため、人々にマスクをつけるよう懇願した。時々マスク姿を見せてはいたものの、今回は違っていて、長い間のインタビューでも付けたままだった。その前日、遂に彼の上司で数ヶ月間公の場でマスクをつけるのを拒んできたトランプ氏が象徴的な譲歩をみせた。ウォータリード軍事病院を視察した大統領は集まったメディアに対し、始めてマスク姿の撮影を許可。
フロリダからオレゴンまで感染者が増加しており、トランプの遅い対応により、今後共和党議員や知事が国民へのマスク着用を訴えることになるだろう。今感染者が増加している州の殆どは、共和党知事のもとに経済活動再開が早く、州レベルでのマスク着用要請をしてこなかった州なのである。
これをきっかけに国民の空気も変わるかもしれない。学校の早期再開案など他の政策も批判対象となっている。
感染初期、ホワイトハウスは、トランプがマスクをしない事を擁護、マスク着用が社会的な責任だというメッセージを台無しにしたことを公衆衛生の専門家は嘆いていた。
ジョンホプキンス大学健康安全センター長のThomas Inglesbyは、トランプの心変わりについて「以前から政府レベルでマスク着用をアピールすべきだった。だがこの段階で、最も重要なことは、解決のため先を見据えること。大統領、副大統領、知事らが公の場で正しいこととして、マスク姿を見せることだ。」と述べている。
トランプのマスク非着用を含め、コロナ対策で政権を厳しく批判してきたNancy Pelosi下院議長は、「大統領は密集地でマスクを着用した写真を撮影することで橋を渡った。軍病院の規則に従ったことは良いことだ。感染拡大を抑える事に繋がるため、出来れば彼の態度も変わると良い。」とした。トランプの新たなスタンスにより、政府高官は、マスク推奨傾向になるかもしれないが、全国的に強制するかについては定かではない。
同日付米国『CNN』は「トランプが軍病院で負傷兵訪問時マスクを着用」との見出しで以下のように報道している。
病院訪問前トランプ大統領は記者団に対し「病院内の多くの兵、手術直後の兵などに話しかける時や、特定の場所では、私は多分マスクをするだろう。マスクをするのは非常に良いことだ。マスクに反対したことはないが、時と場所による。」と述べていた。病院内では、マスクをしたスタッフと歩く際等、マスクを着用している姿が確認されたが、マスクをしながらのコメントは無かった。パンデミック後マスコミにマスク姿を見せたのは今回が初めてだった。
以前はマスクは市民の自由を侵害するものとして、政治的火種となっていた。一方、CDCは、ソーシャルディスタンスが保てない場所でのマスクの必要性を指摘し、公の場で布のフェイスカバーを着用するよう要請していた。政府が国民へのマスク着用を推奨した後でも、トランプ大統領は、自身はマスクを使用しようとはしなかった。側近が丁寧に奨めた場合でも、マスクをしたら弱く見え、パンデミックを制御できていない印象を与えるとして反対してきた。
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ノースカロライナ州の共和党予備選挙で若手が健闘(2020/06/25)
ノースカロライナ州では11月の連邦議会選挙に向けた共和党の下院予備選挙が行われ、トランプ大統領の支持候補を破り、若手の新人が党公認候補となっている。11月に当選すれば、最年少の連邦議会議員となる。
6月24日付米国
『CNN』は「ノースカロライナ州でトランプ支持候補を破った若手新人政治家マディソン・コーソーン」との見出しで以下のように報道している。
火曜、マーク・メドウズ首席補佐官の席を埋める共和党予備選挙で、24歳の新人政治家マディソン・コーソーンが当選確実を出し政界に衝撃が走った。筋金入りの保守派でトランプを支持するコーソーンが対立候補のリンダ・ベネットを65.81%(ベネットは34.18%)で破った。...
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6月24日付米国
『CNN』は「ノースカロライナ州でトランプ支持候補を破った若手新人政治家マディソン・コーソーン」との見出しで以下のように報道している。
火曜、マーク・メドウズ首席補佐官の席を埋める共和党予備選挙で、24歳の新人政治家マディソン・コーソーンが当選確実を出し政界に衝撃が走った。筋金入りの保守派でトランプを支持するコーソーンが対立候補のリンダ・ベネットを65.81%(ベネットは34.18%)で破った。ベネットがトランプやメドウズ他テッド・クルーズ上院議員(テキサス州)やジム・ジョーダン(オハイオ州)からも盤石な支持を得ていることを考慮すると、コーソーンの勝利は予想外の展開であった。
コーソーンは2014年の自動車事故により半身不随となり、投資会社を経営、演説を得意とし、ダイナミックで、若い有権者への訴求力があるという。
11月に当選すれば、ニューヨーク州の民主党オカシオ・コルテス下院議員の持つ29歳の記録をやぶり、25歳で史上最年少の国会議員となるだろう。
下院選挙11区での勝利は、トランプを支持し同調している点から、トランプへの否定ではない。イデオロギー的には、ベネット候補に瓜二つとの評価がある。コーソーンは、水曜、トランプが大統領専用機から祝福の電話が来たと述べた。財政的に慎重派で、中絶反対、銃擁護者、移民へは強硬派である。議員定年制に賛成の立場を取っている。
自身のウェブサイトでは、自らを「憲法上は保守的であり、米国を偉大な国にしてきた信仰、家族、自由の価値観を擁護している」としている。議会選挙出馬の理由を、「海岸地区のエリート、ナンシー・ペロシ(下院議長)やコルテス議員などの左派 による信仰、自由、価値感への危機感から」としている。また、民主党の「社会主義化した医療」政策に反対し、「ヘルスケア制度における選択的医療と競争」を支持。メドウズ氏は対立候補を支持したが、2014年にはカーソーンを海軍士官学校に推薦していた。
Catawba College の政治学教授Michael Bitzerは、コーソーンは「世代的ダイナミクスの点で共和党の欠点を理解している。共和党の次世代が存在感を現わしている。事故で車いす生活を余儀なくされたことで、現代の環境におけるヘルスケアの必要性を良く理解している」としている。
同日付米国『CBS』は「ノースカロライナ州共和党下院予備選でマディソン・コーソーンがトランプの擁立候補を破る」との見出しで以下のように報道している。
24歳の不動産投資会社CEO,やる気を起こさせる演説家がマディソン・コーソーンが、ノースカロライナ州共和党予備選を制した。(AP通信の当選確実)対抗馬はリンダ・ベネットはトランプ大統領(今月彼女の功績を賞賛するツイッター投稿をしていた。)からの支持があるのにもかかわらず敗北。トランプ支持候補を下したのだが、コーソーンの選挙結果は大統領批判によるものとは違っていた。勝利宣言では、「ここを明確にしておきたい。私は大統領を支持している。この選挙は大統領への国民投票ではない。州西部の有権者は聡明で分別ある人々だ。両候補を観察し、最高と思う方に投票してくれたのだ。」と述べた。
2014年の交通事故で半身不随となった逆境が彼を高位職に導いた。同氏はこの人生を変える出来事により、信仰と辛抱強さが高まったと述べている。今年1月の出馬表明では、強みは自身の年齢で、明日のリーダーである米国の新興世代の代表だと述べていた。
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