12月17日付GLOBALi「プーチン大統領の次期大統領選;有権者の無関心と副市長職時代の元上司息女の立候補が頭痛の種(?)」の中で触れたとおり、プーチン政権が懸念するのは、大統領選への有権者の関心が高くないことで、圧倒的な支持を得られないことである。この程、プーチン氏は、政権与党・統一ロシア(2012年よりドミトリィ・メドベージェフ首相が党首)ではなく無所属で立候補するため、規定に則って500人の推薦人名簿とともに中央選挙管理委員会(CEC)に立候補を届け出た。一方、対抗馬とみられる進歩党々首のナワルニー氏は、CECより横領罪の有罪判決を受けていることを理由に立候補届けが認められなかった。これを受けて同氏は、プーチン氏が恐れる圧倒的支持率獲得妨害のため、有権者に投票ボイコットを呼び掛ける大集会を開催すると訴えた。
12月27日付米
『AP通信』:「プーチン氏、CECに推薦状とともに立候補届け」
ウラジーミル・プーチン大統領は12月27日、CECに来年3月の大統領選への立候補届けを提出した。
同氏は今回、与党・統一ロシアではなく無所属で立候補するため、国内法に則って500人以上の推薦人が必要だが、支援者の国会議員・スポーツ競技者らからの推薦状を付している。
一方、プーチン氏の対抗馬とみられる野党のアレクセイ・ナワルニー党首は、12月24日にCEC宛に立候補届けを提出したが、CECは翌日、同党首が有罪判決を受けていることを理由に立候補を認めない決定を下した。...
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12月27日付米
『AP通信』:「プーチン氏、CECに推薦状とともに立候補届け」
ウラジーミル・プーチン大統領は12月27日、CECに来年3月の大統領選への立候補届けを提出した。
同氏は今回、与党・統一ロシアではなく無所属で立候補するため、国内法に則って500人以上の推薦人が必要だが、支援者の国会議員・スポーツ競技者らからの推薦状を付している。
一方、プーチン氏の対抗馬とみられる野党のアレクセイ・ナワルニー党首は、12月24日にCEC宛に立候補届けを提出したが、CECは翌日、同党首が有罪判決を受けていることを理由に立候補を認めない決定を下した。
なお、現在のプーチン氏の支持率は依然80%を維持している。
同日付英『デイリィ・メール・オンライン』(『ロイター通信』配信):「プーチン氏が大統領選再出馬届けを提出」
プーチン大統領は、首相時代も含めて17年間もトップに君臨しているものの、現下の高支持率から、更に2024年までの6年間の再任を勝ち取る可能性が高い。
同大統領は無所属で立候補しているが、与党・統一ロシア及び中道左派の第4党・公正ロシアも同大統領支持を打ち出している。
一方、立候補届けが不承認となった野党のナワルニー党首は、不公正な選挙であることを訴えるため、投票ボイコットを呼び掛ける大集会を開催すると表明している。
(編注)2016年ロシア下院選挙の結果、統一ロシア;343議席(76.7%)、共産党;42議席(9.4%)、自由民主党;39議席(8.7%)、公正ロシア;23議席(5.1%)となっているが、ナワルニー氏率いる進歩党は議席を獲得できていない。
同日付チェコ『ラジオ・フリー・ヨーロッパ通信(米議会出資のラジオ放送・通信社)』:「ナワルニー氏、大統領選ボイコットを支持する大集会を1月28日に開催呼び掛け」
ロシア大統領選への立候補届けが不承認となったナワルニー氏は12月26日、不公正な選挙であることを訴える“有権者のストライキ”を呼び掛け、1月28日に投票ボイコットの大集会を開催すると表明した。
同氏はまた、超長期政権となるプーチン氏の新たな6年の“再任”を阻止するため、3月18日の投票日の数週間前からデモ行進等も計画しているとした。
一方、ロシア大統領府報道官は12月26日、もし投票ボイコットなどの運動が呼び掛けられることになれば、ロシア国内法に抵触するかどうか“精査”することになろうと明言した。
同日付中国『北京時報』:「ロシア政府、反対派による大統領選ボイコット呼び掛けが違法か精査すると表明」
ロシア大統領府のドミトリィ・ペスコフ報道官は12月26日の記者会見で、反対派のナワルニー氏による大統領選ボイコットの呼び掛けについて、ロシア国内法上違法かどうか厳しく精査すると表明した。
同報道官はまた、多くの支持を得ているとするナワルニー氏が出馬しない選挙は茶番だとの非難を真っ向から否定し、同氏が立候補要件を満たさないことは明白だと付言した。
一方、欧州連合(EU)の対外行動局(EUの外交を司る機関)は12月26日、CECによるナワルニー氏の立候補届けを不受理としたことや、ロシアにおける多元性への不寛容さ及び来年の選挙の民主性について疑問なしとしないとの声明を発表している。
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OPECは9月27日、28日に臨時の会合をアルジェリアで開催し、非OPECのロシアも参加して原油増産凍結について再度話合う予定であるが、9月4日中国の杭州で開催されたG20首脳会議に出席中のロシアのプーチン大統領とサウジアラビアのサルマン副皇太子が会談し、原油市場安定化のために協力することで合意したと報じられた。増産凍結合意のためには、経済制裁前の水準に生産量を増やすまでは協力出来ないというイランをどう扱うかが焦点となっているが、イランのこのスタンスは変わっていない。ロシアのプーチン大統領はイランの態度に理解を示しており、サウジアラビアがこれを認めるかが鍵となる。
9月4日付
『ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティ』は、「ロシアとOPECは増産凍結合意すべき:プーチン大統領語る」という見出しで、プーチン大統領はロシアとOPECが増産凍結による価格安定化で合意することを望むし、イランを参加させるかどうかについては解決することを期待すると9月2日付「ブルームバーグニューズ」
のインタビューで語ったと報じた。大統領は、(イランの参加について)経済合理性の観点から妥協が必要であり、誰しも納得出来ると思う。それが世界のエネルギー市場にとり正しい結論であると信じる。また、杭州のG20でサウジのサルマン副皇太子にそのように呼びかけることもあり得る。副皇太子は信頼出来る人物であり、一旦合意すれば合意は守られる筈だと語ったと報じている。
9月4日付
『ブルームバーグビジネス』は、「ロシアとサウジアラビア、原油市場安定化への協力で合意」という見出しで、世界の二大原油生産国の首脳は具体案は示さなかったが、市場安定化のために協力することで合意したと報じた。プーチン大統領との会談後サウジのサルマン副皇太子はサウジとロシアの協力なしには原油市場の安定化は不可能と述べたが、3日前のプーチン大統領の市場安定化のためにロシアとサウジが合意することを望むと発言したことに対する副皇太子のコメントとなったと報じた。
9月4日付ロシアの
『スプートニク・インターナショナル』は、「ロシアとサウジアラビア抜きで世界原油市場安定化は不可能‐リヤド」という見出しで、杭州G20の際のプーチン大統領との会談で、サウジのサルマン副皇太子は、サウジとロシアが2大原油生産国であり、両国の参加なしに原油市場の安定政策はあり得ないと語ったと報じた。
9月4日付
『ロシア・ヘラルド』は、「イラン、OPEC会議を前にサウジアラビアに反論」という見出しで、イランの副石油相が土曜日生産能力一杯の生産を行う国があれば市場は安定しないと発言し、サウジと名指しにはしなかったが、暗にサウジを批判したと報じた。
イランの副石油相は、イランは制裁前の生産量を確保出来た後には協力する用意があると強調した。これはアルジェリアのエネルギー相がOPECの会議を前にイランのザンガネ石油相を訪問した後に発言したもの。アルジェリアのエネルギー相は、イランが増産凍結に合意するかどうかはともかくとして、会議への参加が重要であると語ったと報じている。
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