ローマ法王、贈られたランボルギーニを競売に(2017/11/16)
ローマ法王フランシスコは15日、イタリアの高級車メーカー、ランボルギーニ社から贈呈されたスポーツカー「ウラカン」の特別仕様車を競売に出した。売り上げは慈善事業に寄付するという。
法王はぴかぴかの真っ白い車のボンネットにマジックでサインをした。車は法王が肩にかけるストールを模した金色のストライプを入れた特別仕様の「ウラカン(Hurakan)」で、法王の白い法衣のように輝きを放っていた。
法王庁はこれをサザビーズのオークションにかけたが、標準装備で20万ドル(約2,260万円)のウラカンの通常価格を大きく上回る値が付くのは確実と報じられている。
オークションの売り上げは、事前事業に寄付される。...
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法王はぴかぴかの真っ白い車のボンネットにマジックでサインをした。車は法王が肩にかけるストールを模した金色のストライプを入れた特別仕様の「ウラカン(Hurakan)」で、法王の白い法衣のように輝きを放っていた。
法王庁はこれをサザビーズのオークションにかけたが、標準装備で20万ドル(約2,260万円)のウラカンの通常価格を大きく上回る値が付くのは確実と報じられている。
オークションの売り上げは、事前事業に寄付される。その内の1つはイラク北部のニネベ平原に戻ってきたキリスト教徒のために、町の家々や教会を再建するものだ。ニネベ平原は2014年8月にIS(イスラム国)に席巻され、そこに住んでいたキリスト教徒は改修か納税、退去、あるいは死かの選択を迫られ、約12万人が脱出した。他の事業は、人身売買の犠牲者やアフリカの医療サービス提供、開発プロジェクト等への支援である。
法王庁がオークションを利用するのは、これが初めてではない。2014年に法王はハーレー・ダビッドソンのオートバイとジャケットを贈られ、それらをオークションにかけて慈善事業への寄付に充てている。ハーレーは、通常価格の10倍以上となる28万4,000ドルで売れた。また、法王がサインしたハーレーのジャケットには、約6万8,000ドルの値が付いた。かつて法王が所有していたiPadは3万500ドルで売却された。
ランボルギーニ・ウラカンは2014年3月のジュネーブ・モーターショーで正式に発表されたスーパーカーである。V型10気筒エンジンを備え、始動してから僅か2.5秒で時速60マイル(約96キロ)に達する加速性能を持ち、最高時速は200マイル(約320キロ)という高性能スポーツカーだ。ランボルギーニは現在、フォルクスワーゲン・グループに属している。
フランシスコ法王は、法王用のリムジンに乗ることは好まず、以前はフィアット500によく乗っていたが、最近バチカンを行き来する際には、主に青のフォード・フォーカスを愛用しているという。
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台湾、独立志向の総統・首相誕生で、中台関係は冷戦突入?【米・英・台湾メディア】(2017/10/11)
10月10日は台湾の国慶日(双十節、1911年に清朝からの独立をもたらした辛亥革命の記念日)である。その祭日を祝う演説で、蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は、中国の圧力に屈せず台湾の自由と民主主義を守っていくと強調した。同総統は9月初め、独立志向の急先鋒である賴清德氏(ライ・チンテ、前台南市長)を首相に任命している。1週間後に中国共産党第十九次全国代表大会(十九大)開催を控える中国は、目下のところ静観しているが、習近平(シー・チンピン)主席の2期目が確定するや否や、益々強硬な対台湾政策を打ち出してくることは必至とみられる。
10月10日付米
『ロイター通信米国版』:「台湾総統、中国の圧力に屈せず台湾の自由を守り抜くと宣言」
台湾の蔡英文総統は10月10日の国慶日の祝日に、大国中国の増大する圧力に屈せず、台湾の自由と民主主義を守り抜くと演説した。
中国はかねてから、一つの中国原則を貫いてきていることから、昨年5月に台湾独立を標榜する民主進歩党の蔡党首が総統に就任以来、中台関係は冷え込み、定期的対話等一切行われていない。...
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10月10日付米
『ロイター通信米国版』:「台湾総統、中国の圧力に屈せず台湾の自由を守り抜くと宣言」
台湾の蔡英文総統は10月10日の国慶日の祝日に、大国中国の増大する圧力に屈せず、台湾の自由と民主主義を守り抜くと演説した。
中国はかねてから、一つの中国原則を貫いてきていることから、昨年5月に台湾独立を標榜する民主進歩党の蔡党首が総統に就任以来、中台関係は冷え込み、定期的対話等一切行われていない。
蔡総統は演説で、一つの中国原則を否定するような言及はせず、ただ、関係改善のための中台対話を呼び掛けた。
しかし、『新華社通信』は、中国国務院台湾事務弁公室が声明で、台湾と本土(中国)が一つの中国に属するという核心的な認識が必要であり、これがなくば、対話などは無意味だと一蹴したと報じた。
なお、中国は10月18日から十九大を開催し、習主席の2期目の指導体制を固める予定であるが、同主席はこれまで、東・南シナ海での領有権争いには一歩も譲歩しないと強調しており、台湾問題も同様頑なな対応を継続するとみられる。
同日付英『デイリィ・メール・オンライン』(『AFP通信』配信):「台湾総統:国防増強を打ち出すものの交戦は望まずと表明」
蔡総統は演説で、自前の戦闘機・潜水艦等の建造を進めて国防の増強を図っていくとしながらも、自ら戦いを仕掛けることはないと言及した。
更に同総統は、中台それぞれの違いはあるものの、引き続き台湾海峡及び周辺地域の平和と安定を維持すべく努めていくとも述べた。
中国はこれまで、蔡総統に一つの中国原則を確認するよう求めているが、同総統はこれを拒んでいる。そこで中国は、台湾海峡に中国国産空母を配備して軍事演習を実施したり、主たる国際会議への台湾の参加を妨害する行為に出ている。
一方、同日付台湾『フォーカス台湾』(台湾国営中央通信社のウェブサイトニュース):「蔡総統の協議呼び掛けに野党党首らは異なる反応」
蔡総統は10月10日の演説で、台湾の憲法改正やその他構造改革を前進させるため、各党に協議を呼び掛けた。
民主進歩党の党首でもある蔡総統は直近で、選挙権の18歳への引き下げ、人権条項の追加、更には、立法院(国会に相当、定数113)の定数変更に関し、憲法の改正を検討したいと表明していた。
しかし、野党党首はそれぞれ異なる対応に出ている。すなわち、
・中国国民党の呉敦義(ウー・トンイー)党首:議題や協議の体裁が妥当なら、協議を拒むことはない。
・同党の李明賢(リー・ミンシェン)文化・通信委員会委員長:蔡総統の誠実さには懐疑的。
・親民党:国内問題の前に、まず外交政策について協議することが先決。
・時代力量の徐永明(シュー・ユンミン)党首:憲法改正のためには各政党の合意が不可欠であるが、まず党首間で協議することは賛同。
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