飛行機より電車の旅の方が4倍割高、グリーピース(2023/07/20)
最新の国際環境NGO「グリーンピース」によるチケット価格の調査では、欧州での移動の場合、電車が飛行機よりも平均すると4倍高くなっているという。航空業界への税制優遇等が要因で、温暖化への悪影響となる施策だとして改善を求めている。
7月17日付米
『Yahooニュース』(PA通信):「欧州を電車で移動するのは飛行機を使うよりも4倍高くなる」
国際環境NGO「グリーンピース」の最新調査によると、欧州での電車移動は、飛行機を利用するよりも平均すると4倍高くなることが分かった。この価格差は、気候変動や労働者保護を巡る不均衡な規制によるとみられる。
グリーンピースは、欧州の主な都市を結ぶ100区間以上のチケット価格を調査。...
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7月17日付米
『Yahooニュース』(PA通信):「欧州を電車で移動するのは飛行機を使うよりも4倍高くなる」
国際環境NGO「グリーンピース」の最新調査によると、欧州での電車移動は、飛行機を利用するよりも平均すると4倍高くなることが分かった。この価格差は、気候変動や労働者保護を巡る不均衡な規制によるとみられる。
グリーンピースは、欧州の主な都市を結ぶ100区間以上のチケット価格を調査。電車のチケットの多くは、飛行機の2倍となっているという。英国でみると、12の区間全てで飛行機の方が安くなっていた。バルセロナ‐ロンドン間の電車は、飛行機の平均10倍以上の価格設定で、直前に予約した場合では、最も高い30倍の価格設定にもなっていた。
電車の利用では、飛行機に比べて5倍大気汚染が少ないのだが、調査対象の112区間中79区間で、飛行機の方が割安になっているという実態であった。
グリーンピースは、政府に電車でも行ける短距離の飛行禁止や、航空会社や空港への補助金停止、航空会社への灯油税控除の段階的縮小や、航空利用者への課税の導入等を求めている。更に、国や地域が公共交通機関での低炭素移動を勧める「気候変動チケット」の導入も求めている。
同日付英『ガーディアン』:「欧州で飛行機は電車の30倍安い」:
環境問題の解決を目指すグリーンピースは、欧州内での飛行機が安く電車が高い価格設定や、法外な税金控除制度が、より汚染度の高い交通機関の選択を促すものだと警鐘を鳴らしている。
20日発表されたグリーンピースの調査によると、電車のチケット価格は飛行機に比べ平均2倍となっており、バルセロナ‐ロンドン間では、直前予約だと最大30倍にもなっているという。
飛行機移動は人が最も環境を汚染する活動であり、最も浄化が難しいものの一つである。牛肉バーガーや自動車の運転では、代替肉や電気自動車といったよりクリーンな選択肢が存在するが、環境に影響を与えずに飛行機に乗ることは出来ない。専門家らは飛行機の排出量オフセット計画には欠陥があると批判している。
欧州では、航空会社は灯油に非課税な上、税や付加価値税の負担も殆どない。利用者は、飛行機利用で補助金を貰っているような構造となっている一方、電車を使えば、料金が高く罰せられているようなものである。
航空業界は、世界の炭素汚染の2,5%を占めるが、他にも地球温暖化に繋がるガス類を排出している。ある研究によると、2018年の世界の飛行機利用者は全人口の僅か11%で、国外渡航する人でみると、最大でも4%となっている。
主要国のエネルギー担当相が主導する「国際エネルギー機関」は、飛行機を使うのは世界の少数派だと認識し、環境への影響を考慮して、航空業界への課税や補助金削減、サスティナブル燃料の拡大を求めている。
グリーンピースは、各国政府に「国内で利用できるシンプルな気候変動チケット」の導入を要求している。2021年オーストリアは、一日あたり3ユーロで、国内全ての公共交通機関が使えるチケットの販売を開始しており、2020年ルクセンブルクは、初めて公共交通機関を無料で提供する国となった。
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世界気象機関、エルニーニョ現象が7年振りに発生し、世界中で猛暑と熱帯病の感染拡大の恐れと警告【欧米メディア】(2023/07/05)
世界気象機関(WMO、1950年設立の国連専門機関のひとつ)はこの程、エルニーニョ現象(注1後記)が7年振りに発生したと正式に発表した。そのため、世界各地で猛暑となり、また熱帯病の感染拡大の恐れがあると警告している。
7月4日付
『ロイター通信』、
『ユーロニュース』、
『ザ・ガーディアン』紙等は、WMOが正式にエルニーニョ現象の発生を確認した上で、世界中で猛暑と熱帯病の感染拡大の恐れがあると警告したと報じている。
WMOは7月4日、7年振りにエルニーニョ現象の発生が認められたと発表した。
これまで同現象が発生した際には、地域によって熱帯低気圧(サイクロン)や豪雨の発生、また深刻な干ばつに襲われている。...
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7月4日付
『ロイター通信』、
『ユーロニュース』、
『ザ・ガーディアン』紙等は、WMOが正式にエルニーニョ現象の発生を確認した上で、世界中で猛暑と熱帯病の感染拡大の恐れがあると警告したと報じている。
WMOは7月4日、7年振りにエルニーニョ現象の発生が認められたと発表した。
これまで同現象が発生した際には、地域によって熱帯低気圧(サイクロン)や豪雨の発生、また深刻な干ばつに襲われている。
世界の平均温度が最高となったのは2016年で、そのときもエルニーニョ現象が発生していた。
しかし、気象専門家は、気象変動の影響で更に極端な高温事態が発生する恐れがあるとコメントしている。
WMOも今年5月、今後5年間が異常気象となる可能性が高いと表明していた。
WMO気象予報部門のウィルフラン・モーフォーマ=オキア部門長は記者会見で、“厳しい気象状況となるのが今年なのか来年なのか予想するのは難しい”とした上で、“今後5年内に平均気温の最高値を更新する事態となるのは確かだと考えられる”と発言した。
WMOは6月にも、エルニーニョ現象に関連して、デング熱(注2後記)、ジカ熱(注3後記)、チクングニア熱(注4後記)のような熱帯感染症が広範囲にわたって発生する恐れがあると表明していた。
世界保健機関(WHO、1948年設立)環境・気候変動・公衆衛生担当のマリア・ニーラ理事(60歳、2005年就任)も、“今後の異常高温現象に伴って、感染症の拡大が十分考えられる”とコメントしている。
なお、WMOによれば、エルニーニョ現象は2~7年毎に発生し、9~12ヵ月にわたって続くことが多いという。
過去エルニーニョ現象が発生した際には、南米南部、米国南部、中央アジアが豪雨に襲われ、一方で豪州、インドネシア、南アジア、中米、南米北部で深刻な干ばつが発生していた。
(注1)エルニーニョ現象:中央太平洋及び東太平洋の熱帯域で発生する海面水温が上昇しては下降する振動。その結果、西太平洋に高い気圧を、東太平洋には低い気圧をもたらし、そのために発生した偏西風によって本来冷水海域の南米ペルー沖に赤道方面から暖かい海水が流れ込み、平均水温が1年余り平年より高い状態が続く現象。これまでの記録で、エルニーニョ発生時に地球上の平均気温が高くなり、一部地域に極端な少雨・干ばつ、また別の地域に豪雨をもたらす異常気象が発生している。
(注2)デング熱:デングウィルスが原因の感染症で、熱帯病の一つ。蚊の吸血活動を通じて、ウィルスが人から人へ移り、高熱に達することで知られる一過性の熱性疾患。症状には、発熱・頭痛・筋肉痛・関節痛、はしかの症状に似た特徴的な皮膚発疹を含む。
(注3)ジカ熱:ジカウィルスによって引き起こされる病気。アジア、アメリカ、アフリカ、太平洋で感染が発生。主たる症状は軽度の発熱、結膜充血、筋肉痛、関節痛、頭痛、斑点状丘疹。
(注4)チクングニア熱:ネッタイシマカやヒトスジシマカなどにより媒介されるウィルス性の伝染病。2日から長くても2週間程度の潜伏期間の後に、40℃に達する高熱と斑状丘疹があり、関節が激しく痛む。他に頭痛や結膜炎、羞明(眩しがること)などを伴うことがある。
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