中国軍;就役間もない新造駆逐艦を遠距離派遣して日本海で演習【米・中国メディア】(2022/06/16)
岸田政権は、中国等の軍事的脅威に対抗すべく、米国他との連携強化を図るばかりか、防衛費の大幅増を目論んでいる。これに対して、仮想敵とされた中国も、ロシア軍戦闘機と日本近海で共同飛行訓練を実行する等しきりに牽制してきている。そしてこの程、中国軍が昨年に就役したばかりの新造駆逐艦を遥か日本海まで派遣して軍事演習を行った。
6月16日付米
『AP通信』は、「中国軍駆逐艦、遥か日本海まで出張って軍事演習」と題して、昨年に就役したばかりの中国軍駆逐艦が、日本海まで遠距離派遣されて演習を行ったと報じた。
中国国営メディア『環球時報』(1993年創刊)によると、昨年就役した中国海軍の南昌級駆逐艦“拉薩(ラサ)”(排水量1万3千トン)が初めて、日本海まで遠距離派遣されて現地で演習を行ったという。
同船には小型駆逐艦“成都(チェンドゥ)”(2019年就役、同7,500トン)及び補給艦“東平(トンピン)”(2005年就役、同2万トン)が随行したという。...
全部読む
6月16日付米
『AP通信』は、「中国軍駆逐艦、遥か日本海まで出張って軍事演習」と題して、昨年に就役したばかりの中国軍駆逐艦が、日本海まで遠距離派遣されて演習を行ったと報じた。
中国国営メディア『環球時報』(1993年創刊)によると、昨年就役した中国海軍の南昌級駆逐艦“拉薩(ラサ)”(排水量1万3千トン)が初めて、日本海まで遠距離派遣されて現地で演習を行ったという。
同船には小型駆逐艦“成都(チェンドゥ)”(2019年就役、同7,500トン)及び補給艦“東平(トンピン)”(2005年就役、同2万トン)が随行したという。
日本の防衛省発表によると、3船は6月12日、長崎県福江島(五島列島最大の島)約200キロメートル西方で確認され、日本海に向かって東進していったとする。
同省によると、東調級情報収集艦(同6,000トン、船名不詳)も6月12日に対馬海峡を航行しているのが認められ、同じく日本海に向けて東進したという。
中国軍は近年、ものすごいペースで軍艦を製造しており、現在では米国を抜いて総艦数で世界最大規模となっている。
特に、直近で製造されている南昌級駆逐艦は新鋭化されていて、低非探知性艦船で対空ミサイルに加えて、対艦・対地巡航ミサイル、更には魚雷も装備されている。
中国軍は、同級駆逐艦を他に4隻建造しているという。
米軍は、これら新型駆逐艦は中国軍が保有する2隻に空母に随行する任務を担うとみている。
中国軍は更にもう1隻の空母を建造中とも言われる。
『環球時報』は、軍事専門家のコメントを引用して、中国軍が台湾統一のための軍事作戦に出た際、他国からの妨害を阻止するために海軍力を増強しているものと報じている。
6月15日付中国『環球時報』は、「中国海軍の大型駆逐艦“拉薩”、遥か日本海まで出張って初の訓練実施」と、新鋭大型駆逐艦が日本海において様々な能力を確認する訓練を行ったと報じた。
中国軍事専門家によると、中国海軍の2隻目となる大型駆逐艦“拉薩”が6月15日、遥か日本海まで出張って初の洋上訓練を行ったという。
魏東旭氏(ウィ・トンチュウ、40歳)が語ったもので、最近日本及び米国がしきりに台湾問題での軍事的関与を表明していることから、それらの軍事的干渉を阻止するための軍事演習だとする。
昨年3月に就役した同艦は、2022年初めから黄海での近海訓練を実施してきていたが、今回日本海まで遠洋航海しての演習を実施したことから、近々何らかの重要な作戦に関与することが予想されるという。
更に同氏は、中国海軍が大型駆逐艦“拉薩”含めた最新鋭の艦隊を整備している背景には、米国や西側諸国が中国の活動を阻害しようとしたり、日本のタカ派の先導で軍事的影響力を高めようとしていることから、これらの国が具体的に“台湾独立派”を擁護・支援しようとしてきた場合に備えるためであると解説した。
閉じる
クアッド首脳会議:23日に就任したばかりの豪首相が参加(2022/05/24)
オーストラリア労働党のアンソニー・アルバニージー党首が23日、同国の第31代首相に就任した。労働党は、環境を重視するグリーン系候補や無所属候補の支持を得て、保守党連合をやぶり、9年ぶりに政権に復帰することになった。投票の集計はまだ完了しておらず、内閣もまだ確定していないものの、アルバニージー新首相は日米豪印の4カ国の協力枠組み「クアッド」の首脳会議に参加するために来日した。
仏
『RFI』によると、アルバニージー新首相は、23日の午前に、「スピード就任」を行い、午後に日本行きの飛行機に飛び乗った。同じく23日に就任したばかりの外務大臣をはじめ、3人の側近が同行している。外務大臣には、オーストラリアの外務大臣として初めて海外(マレーシア)出身のペニー・ウォン氏が就任した。
英『ガーディアン』は、バイデン米大統領が月曜日に、台湾を中国の侵略から守るために軍事介入する用意があると示唆したことから、豪首相と外相は、難しい立場に立たされることになったと伝えている。...
全部読む
仏
『RFI』によると、アルバニージー新首相は、23日の午前に、「スピード就任」を行い、午後に日本行きの飛行機に飛び乗った。同じく23日に就任したばかりの外務大臣をはじめ、3人の側近が同行している。外務大臣には、オーストラリアの外務大臣として初めて海外(マレーシア)出身のペニー・ウォン氏が就任した。
英『ガーディアン』は、バイデン米大統領が月曜日に、台湾を中国の侵略から守るために軍事介入する用意があると示唆したことから、豪首相と外相は、難しい立場に立たされることになったと伝えている。
わずか半年前、当時のピーター・ダットン前国防相がオーストラリア紙に「台湾で米国が行動を起こすことを選択した場合、我々が米国を支援しないことは考えられない」と語ったことに対して労働党は批判した。当時、影の外務報道官だったウォン外相は、台湾をめぐる紛争のリスクが高まっていることに同意しながらも、これを米国の戦略的曖昧さの政策とかけ離れたものだと指摘し、「我々は台湾に関する長年の超党派の立場を堅持している」と述べた。
4カ国協議に先立ち、アルバニージー首相は、中国との関係は「困難なものであり続ける」だろうが、政府は国家安全保障を政治利用することなく、オーストラリアの国益を追求すると述べた。
中国国営メディアの「環球時報」は、アルバニージー政権下のオーストラリアの対中政策が、前任者の反中国姿勢と異なるかどうかを問う論評を掲載した。「アルバニージー氏のクアッドサミットへの出席は、特に自国の経済と貿易を深く傷つけたモリソン前政権の反中戦略の影を払拭できるかどうかについて、オーストラリアの新政府の政治的知恵の最初のテストになると予想される。」と述べている。そして、「専門家は、オーストラリアの新指導者の中国政策が、米国の戦略的利益に貢献したモリソン氏の無謀な動きとどの程度異なるかについて、慎重な態度をとっている。特に南太平洋の島国では、新政権は中国に対抗するためにより多くの投資を行う可能性が高い。しかし、中国のそれらの国々との協力関係を中傷したり、中国の脅威として歪曲したりしても、中国と太平洋諸島諸国との対等で相互的な協力の方向性は変わらないだろう。」と報じた。
一方アルバニージー首相は、今回の訪日について、「米国だけでなく、日本やインドとの重要な会談は、オーストラリアに新政権が誕生し、気候変動などの問題に対する世界への対応に変化をもたらすと同時に、民主主義の尊重や友好関係、長年の同盟関係を大切にするという継続性を世界に発信する、良い意味で非常に重要なものになる」と述べた。
『オーストラリア放送協会』は、労働党が最後に政権を握った2013年以降、中国が地政学的にどのように変化したかを直接評価する最初の機会となるのが、このクアッド会議であると報じている。2013年は、習近平が国家主席になったのと同じ年である。アルバニージー首相は、ここ数週間、より権威主義的になり、より地域的な主張を強める中国について尋ねられた際、「中国は変わった」と回答している。同メディアは、アルバニージー首相は、今回の首脳会議を通して、この前評価がいかに真実であるかを思い知ることになるだろうと指摘している。
閉じる
その他の最新記事