ロシア独立系メデイアとの会見:プーチンは敗戦すれば権力が消失すると理解
2月24日付けの
『フランス国際ラジオ局(RFI)』は、ロシアの独立系メデイア、ノヴァイア・ガゼッタの編集長、キリル・マルチノフ氏との会見内容を掲載している。なお、マルチノフ編集長は、ロシア人の編集グループと共にウクライナ戦争が勃発後、バルト三国の1つ、ラトビアの首都リガに亡命した。
RFIの質問:2022年2月にはどのように事が運んだか?
キリル・マルチノフの回答:戦争開始の日々から、我々には時間がないことを知っていた。しかし、我々はウクライナを支持することが重要と考え、戦闘で起こっていることを伝えることに努めた。そのため、戦争開始後は2月25日にウクライナ語版とロシア語版の2つを出版した。
なお、我々にはロシア防衛省の‘嘘で固められた’公式発表しか情報として入らなかった。...
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RFIの質問:2022年2月にはどのように事が運んだか?
キリル・マルチノフの回答:戦争開始の日々から、我々には時間がないことを知っていた。しかし、我々はウクライナを支持することが重要と考え、戦闘で起こっていることを伝えることに努めた。そのため、戦争開始後は2月25日にウクライナ語版とロシア語版の2つを出版した。
なお、我々にはロシア防衛省の‘嘘で固められた’公式発表しか情報として入らなかった。ロシアでは開戦の2週間目から’戦争‘という言葉の使用は禁止された。その後、公式発表以外の情報を出版するものは最大10年投獄の罪が課せられるという法律が制定された。
RFIの質問:ノヴァイア・ガゼッタもロシア政府に、‘外国の回し者’とレッテルを張られたのか?
キリル・マルチノフの回答:我々は、プーチンやその支持者にとって危険だと見なされている。 すなわち、数千万人のロシア人がノヴァイア・ガゼッタを読んでいたので、ロシアの世論がウクライナとの戦争を支持しなくなるのではないかと恐れていた。直ぐに、我々ノヴァイア・ガゼッタの記者には次の3オプションがあることを悟った。活動を停止して静かにしているか、投獄されるか、亡命するかである。我々は、3番目のオプションを選んだ。
私は2022年3月初めに仲間のうちで最初にロシアを離れた。他の仲間も安全保障が確保されていないため、国外脱出を急ぐ必要があった。ラトビアが我々と家族の受け入れを快く引き受けてくれて、数十のビザを即刻発行してくれた。
RFIの質問:この戦争は終わるのか? プーチンとの和平交渉は可能か?
キリル・マルチノフの回答:プーチンが現在の戦況を充分制圧していると信じているうちは、和平交渉をプーチンに行うのは不可能である。残念なことに、和平を達成する唯一の方法は、ロシアのプーチンや軍指導者に、敗戦しか残された道がないことを示すことに尽きる。
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サハリン2:日本はロシアからのガス輸入を継続
『フランス国際ラジオ局(RFI)』は、日本政府がロシア極東の天然ガスと原油開発を行うサハリン2計画に対し、日本の2つの商社がこれまでの利権を維持できるとのロシア側の了承を歓迎したと伝えた。一方では、日本政府としてはロシアのウクライナ侵攻以来ロシアに対する制裁活動に参加してきたことに対する矛盾も指摘している。
しかし、化石燃料に乏しい日本としては自国のエネルギー保障の観点から、ロシアの天然ガスと原油を断念することはできなかったと説明している。
なお、同盟国の米国も日本がロシアのサハリン2鉱区で生産される天然ガスを諦めることができないという決定を了承しているというと伝えた。
ところで、サハリン2では年間に生産される天然ガス1000万トンの約60%が液化天然ガスとして日本に供給されてきた。...
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しかし、化石燃料に乏しい日本としては自国のエネルギー保障の観点から、ロシアの天然ガスと原油を断念することはできなかったと説明している。
なお、同盟国の米国も日本がロシアのサハリン2鉱区で生産される天然ガスを諦めることができないという決定を了承しているというと伝えた。
ところで、サハリン2では年間に生産される天然ガス1000万トンの約60%が液化天然ガスとして日本に供給されてきた。ロシア産の天然ガスは日本の天然ガス需要量の9%に相当する。
今年の6月、ロシア政府は、英国のシェルグループが撤退を表明し、27.5%の開発利権を譲ることが決定されてか以降、一方的にサハリン2の運営を直接行うと通告してきた。
その結果、ロシア政府はサハリン2計画の全体を新たに設立した新会社に運営させることとなった。新たなオペレーター会社で主要な持ち株会社は現在、エネルギー部門のロシアのエネルギー巨大企業ガスプロム社となっている。
ロシア政府は、日本の2つの商社、三菱商事と三井物産に対し、新会社への出資比率をこれまでどおり、各々10%と12.5%とすることを承認した。
日本はこの夏を何とかエアコン使用による停電を起こさずに切り抜けてきたが、これから冬を控えて暖房による電力不足が懸念されている。
なお、『RFI』は、日本の立場としてロシアの石炭や原油の輸入をこれまで削減してきたが、ガスに関しては世界的に供給先が限られているため、ロシア産天然ガスの輸入をやむなく継続することになったと解説している。
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