米連邦控訴裁判所判事、米マスコミとビッグテックの情報統制の危険性を警告
米連邦控訴裁判所の85歳のベテラン判事が19日、主流メディアの偏向報道に対する痛烈な反対意見を提出したことが注目を集めている。判事は、米国の現在のマスコミによる情報統制は独裁体制の第一歩であると警告している。
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『フォックス・スニュース』によると、ローレンス・シルバーマン判事は19日、名誉毀損訴訟についてコロンビア特別区巡回区連邦控訴裁判所が出した判決に対し、意見書を提出した。訴訟は、国際人権団体「グローバル・ウィットネス」が2018年に発表した報告書で、リベリアの元政府高官であるクリスティアナ・ターとランドルフ・マクレーンの2人が、石油大手のエクソンから賄賂を受け取ったと告発した内容を、元政府高官が名誉毀損で「グローバル・ウィットネス」を訴えたものである。...
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『フォックス・スニュース』によると、ローレンス・シルバーマン判事は19日、名誉毀損訴訟についてコロンビア特別区巡回区連邦控訴裁判所が出した判決に対し、意見書を提出した。訴訟は、国際人権団体「グローバル・ウィットネス」が2018年に発表した報告書で、リベリアの元政府高官であるクリスティアナ・ターとランドルフ・マクレーンの2人が、石油大手のエクソンから賄賂を受け取ったと告発した内容を、元政府高官が名誉毀損で「グローバル・ウィットネス」を訴えたものである。
原告の二人は公務員であるため、1964年に米最高裁が下した画期的な判決「ニューヨーク・タイムズVSサリバン」に基づき,名誉毀損を証明するためには、団体が原告に対して「明確な悪意」をもっていたこと、また、団体が嘘を承知で報告書を出したこと、の2点を証明しなければならない。コロンビア特別区巡回区連邦控訴裁判事は2対1で、原告は、「グローバル・ウィットネス」が明確に悪意を持っていたことを証明できなかったと判断し、訴訟を棄却した。
この判決に対しシルバーマン判事は、メディアが公務員から訴えられることを防ぐための修正第一条の広範な適用を認めたニューヨーク・タイムズ対サリバン判決を、最高裁は再検討すべきだと主張しただけでなく、現在のメディアの偏向報道を訴えたことで、米国内で注目を集めている。
シルバーマン判事は意見書で「この50年間で新たな考慮事項が生まれ、ニューヨーク・タイムズ対サリバン判決は、アメリカの民主主義に対する脅威となっており、見直すべきである。」と述べている。また、今日の「報道機関の力の増大は、一つの政党に支配されつつあるため、非常に危険な状況となっている」と指摘している。
「共和党に対する偏向報道は、今日ではかなり衝撃的であるが、これは新しいことではなく、少なくとも70年代にまで遡る。」「ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストという、最も影響力のある3紙のうちの2紙は、事実上、民主党の新聞である。また、ウォール・ストリート・ジャーナルのニュース欄も同じ方向に傾いている。この3紙の方向性は、AP通信や全米のほとんどの大新聞(ロサンゼルス・タイムズ、マイアミ・ヘラルド、ボストン・グローブなど)も追随している。ネットワークやケーブルテレビなど、ほとんどすべてのテレビが民主党の広報機関化とかしている。政府が支援する米公共ラジオ(NPR)でさえ、それに倣っている。」と指摘した。
米メディア『ポリティコ』や『ブライトバート』によると、判事は、フォックス・ニュースのような保守的な放送局の存在を認めた上で、保守メディアを封じ込めようとする取り組みが深刻であると指摘した。
判事は、シリコンバレーもまた「民主党に有利な方法でニュースをフィルタリングしている」として、ツイッターが、2020年の大統領選で、ジョー・バイデン大統領の息子であるハンター・バイデン氏が所有していたコンピュータの内容に関する疑惑を伝えたニューヨークポスト紙の記事へのリンクを禁止したことを例に挙げた。
判事は、「権威主義や独裁主義に陥る可能性のある政権が最初に取る手段は、コミュニケーション、特にニュースの配信をコントロールすることであることを心に留めておく必要がある」とした上で、「したがって、報道機関やメディアを一党がコントロールすることは、民主主義の存続に対する脅威であると結論づけるのが妥当である。それは、対抗的な過激主義を生み出す可能性さえある」と述べている。
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米下院、銃規制法案可決
米下院は、銃規制に関する2法案を可決した。銃購入の際の身元調査を拡大などが盛り込まれている。共和党とつながりの深い全米ライフル協会内の腐敗や財政難を機に、民主党による規制強化機運が高まったとされている。
3月12日付
『ロイター通信』は「米下院、民主党主導の銃規制2法案を可決」との見出しで以下のように報道している。
米下院が11日、銃規制2法案を可決した。1つの政策法案は、227対203で可決。銃の展示会や個人取引を通し、インターネットで銃器を購入する人にも身元調査を拡大するもの。共和党員8人のみが法案支持に回った。2つ目の法案は、共和党員2議員のみが支持した。銃購入の際、連邦政府による10日間の身元調査を義務付けるもの。...
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3月12日付
『ロイター通信』は「米下院、民主党主導の銃規制2法案を可決」との見出しで以下のように報道している。
米下院が11日、銃規制2法案を可決した。1つの政策法案は、227対203で可決。銃の展示会や個人取引を通し、インターネットで銃器を購入する人にも身元調査を拡大するもの。共和党員8人のみが法案支持に回った。2つ目の法案は、共和党員2議員のみが支持した。銃購入の際、連邦政府による10日間の身元調査を義務付けるもの。現状では3日間の間に政府が詳細な調査が終わらなくても銃器販売が可能となっている。
銃規制はアメリカでは憲法が定める銃の権利を巡り意見の分れる課題で、共和党は「法によって町が安全にならない、憲法のもとに保障された個人の権利を侵害するものだ」として規制に強く反対を示している。一方、民主党員は殆どが銃による事件を減らすためには新たな法律が必要だと考えている。
銃規制強化を推進してきた民主党のマイク・トンプソン議員によると、米国では銃撃事件による1日当たりの死者は30人で、銃による自殺や事故も入れると100人に上るという。更に銃購入の許可が下りない人の数は1日あたり、犯罪歴のある人で170人、 中毒者で50名となっている。
銃規制法案は何年も実現しなかったが、バイデン大統領は銃規制政策強化を支持している。共和党とつながりの深い全米ライフル協会内の騒動を機に、民主党による規制強化機運が高まった。しかし、民主党員の少ない上院で抵抗にあうとみられる。2013年には超党派による法案がコネチカット小学校銃乱射事件をきっかけに提出されたが、上院で60票差で失敗に終わっている。
同日付米国『NPR』は「身元調査などの銃規制強化法案可決」との見出しで以下のように報道している。
下院では、銃購入の際の身元調査拡大など、米国の銃規制を強化する2つの法案が可決した。民主党が両院の過半数を占める中、より多くの支持を集めることが期待されるが、上院で必要とされる60票には届かないとみられる。
民主党主導による銃規制法案の可決は、何年も失敗に終わっていた。ペロシ議長は、「この国の良識が問われる。米国の銃の危機に、我々の行動が求められている」と述べている。
一つの法案は、2015年、黒人教会で9人を射殺した白人至上主義者が購入禁止者にもかかわらず、ハンドガンを購入出来たという法の抜け穴への改革を求めるもの。法案では、身元調査期間を20日間まで延長できるようにする。2020年以前には、この法の抜け穴により、銃の入手が許されない多くの人々が銃を手にしてきた。
一方、全米ライフル協会は法案を批判し、「犯罪問題の名のもとに国民の銃の権利を制限するもの」だとしている。昨年の選挙期間でも銃規制強化を訴えてきたバイデン政権は、規制強化を進め、これを2022年の中間選挙の柱とする狙いがあるとみられる。
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