11月13日付
『ロイター通信』は、北米の航空会社が挙って、入出国制限を撤廃して国内外旅行が活発化しているアジア諸国向けの航空便を再開・増強しようとしていると報じた。
2024年に向けて、北米のアジア太平洋便の再開が加速しており、北米の航空会社はコストが高騰する中、利益率の高い収益源としてこの地域に賭けている。
アジア路線の再開は、長距離路線の旅行が収益に占める割合が高い航空会社にとって特に重要である。...
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11月13日付
『ロイター通信』は、北米の航空会社が挙って、入出国制限を撤廃して国内外旅行が活発化しているアジア諸国向けの航空便を再開・増強しようとしていると報じた。
2024年に向けて、北米のアジア太平洋便の再開が加速しており、北米の航空会社はコストが高騰する中、利益率の高い収益源としてこの地域に賭けている。
アジア路線の再開は、長距離路線の旅行が収益に占める割合が高い航空会社にとって特に重要である。
何人かのアナリストは、航空会社は昨年の夏、欧州行きのフライトの運賃を高騰させることで繰延需要を掘り起こしたが、キャパシティが拡大するにつれて、来年はこれらの価格の回復は実現しない可能性があると指摘する。
米業界団体の国際ビジネス・トラベル協会(ワシントンDC本拠)によれば、今年のアジア太平洋地域での旅行支出は前年比+41%増の5,670億ドル(約85兆500億円)に増えていて、更に2027年には8,000億ドル(約120兆円)まで急成長すると見込まれている。
そこで、北米の各航空会社の方針をみてみると以下のようになっている。
● エアカナダ(1937年設立、北米5位)
・2022年のアジア太平洋地域への輸送量が2019年比僅か33%だったが、2024年には2019年比80%まで回復させると表明。
・同社ネットワークプランニング担当副社長のマーク・ガラード氏(2023年就任)は記者会見で、“従来、欧州便が約80%、アジア便が約20%だったが、アジア便を5~10%増強させる意向”だと表明。
・“米国人旅行者のアジア向け、また、カナダへのアジアからの旅行者受け入れを大きく伸ばすことが期待される”とも付言。
● デルタ航空(1928年設立、北米1位)
・国内線の緩やかな成長がみられる中、アジア太平洋地域向けへ重点を移す意向で、12月期には輸送能力を+50%増強予定。
・これによって“収益の拡大”を見込む。
● ユナイテッド航空(1926年前身設立、北米3位)
・国内便を減らしてもアジア太平洋路線に投入、特にマニラ便、NZ便を拡充して“短期的に最も確実な収益”に期待。
・今10~12月期のアジア便座席数を前年同期比倍増させる意向。
・同社最高商務責任者のアンドリュー・ノセラ氏(52歳、2017年就任)は今月初めの記者会見で、“国内便は漸増しているものの、7~9%レベルでの加増は期待できず、一方、アジア便には大きく期待できる”とコメント。
● アメリカン航空(1926年設立、北米2位)
・今10~12月期のアジア便輸送量は2019年同期比減少しているが、年間ベースでは75%伸びており、2024年第一四半期(1~3月期)では前年同期比+79%増の見込み。
一方で、ウクライナ戦争の影響で、北米東海岸から香港便などがロシア上空を飛べないこと、また、最大の顧客である中国人の北米向けの旅行が期待どおり復活していない。
トラベル研究グループの『ツアリズム・エコノミクス』誌によると、2019年の中国人の米国旅行者数が280万人だったのに対して、今年は依然99万1千人と低調だという。
米投資銀行レイモンド・ジェームズ(1962年設立)アナリストのサバンティ・シス氏は、“アジア太平洋地域の海外旅行頻度は、欧州大西洋便に比べて6~12ヵ月後追いとなっている”としながらも、“中国人旅行者の今後の伸びは、ワイルドカード(ゲームを一変してしまうジョーカー等の意)たり得る”とコメントしている。
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米海兵隊(USMC、注後記)は、今週11月10日に創立248周年の記念日を迎える。ただ、これは前身の大陸海兵隊設立の記念日であり、一度解散させられて新たなUSMCが創立されたのは1798年7月11日であることから、実際は225周年となるが、今は11月10日を創立記念日として盛大に祝っている。
11月6日付
『Nexstar Media』(米最大の地方TV局所有メディア)は、USMCが今週の11月10日に創立248周年を迎えると報じている。
USMCの前身である大陸海兵隊は、米独立戦争(1775~1783年)の最中の1775年11月10日に誕生した。
ただ、宗主国の英国に倣って編成されたもので、大陸軍(北米13植民地によって編成された軍隊)の補佐部隊であったことから、サミュエル・ニコラス総司令官(1744~1790年)がペンシルベニア州の酒場「タン・タバーン」を募兵所として募集をかけるという有様であった。...
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11月6日付
『Nexstar Media』(米最大の地方TV局所有メディア)は、USMCが今週の11月10日に創立248周年を迎えると報じている。
USMCの前身である大陸海兵隊は、米独立戦争(1775~1783年)の最中の1775年11月10日に誕生した。
ただ、宗主国の英国に倣って編成されたもので、大陸軍(北米13植民地によって編成された軍隊)の補佐部隊であったことから、サミュエル・ニコラス総司令官(1744~1790年)がペンシルベニア州の酒場「タン・タバーン」を募兵所として募集をかけるという有様であった。
その後、米独立戦争終結に伴って1783年に解散させられた。
しかし、フランス革命(1789~1795年)に伴ってフランスとの緊張が高まったことから、1798年7月11日、新たにUSMCとして立ち上げられた。
爾来、USMCは世界各地で目覚ましい活躍を見せ、前身の大陸海兵隊の作戦を含めると300以上もの上陸作戦を展開してきている。
そこで、当初は7月11日を創立記念日としていたが、1921年以降、11月10日を恒久的な記念日とすることにした。
毎年当該記念日には、首都ワシントンDCで盛大な舞踏会が開かれているが、今年は11月11日の「ベテランズデイ(復員軍人の日)」に開催される。
(注)USMC:米独立戦争の最中、大陸会議(北米13植民地の自治組織)によって設立された大陸海兵隊を起源としている。米国内法に基づき、海外での武力行使を前提とし、米国の国益を維持・確保するための緊急展開部隊として行動する。また、必要に応じ水陸両用作戦(上陸戦)を始めとする軍事作戦を遂行することも目的とする。本土の防衛が任務に含まれない外征専門部隊であることから海兵隊は「殴り込み部隊」とも渾名される。約18万人の現役将兵と約3万8500人の予備役を擁する。
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