5月28日付米
『ロイター通信米国版』:「中国、イラン核合意の行方が揺れる中、イラン大統領支持を鮮明化」
中国外交部(省に相当)の張業遂(チャン・ハンフイ、64歳)副部長(副大臣相当)は5月28日、中ロが主導する「上海協力機構(SCO、注後記)」が6月9~10日に中国東部沿岸の青島(チンタオ)で開催されるが、それにイランのハッサン・ロウハニ大統領(69歳)を招待すると発表した。...
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5月28日付米
『ロイター通信米国版』:「中国、イラン核合意の行方が揺れる中、イラン大統領支持を鮮明化」
中国外交部(省に相当)の張業遂(チャン・ハンフイ、64歳)副部長(副大臣相当)は5月28日、中ロが主導する「上海協力機構(SCO、注後記)」が6月9~10日に中国東部沿岸の青島(チンタオ)で開催されるが、それにイランのハッサン・ロウハニ大統領(69歳)を招待すると発表した。
中国政府は、ドナルド・トランプ大統領(71歳)が離脱を表明して、危うくなりかけているイラン核合意を継続・推進していくため、イランを支援することを強力にアピールすることになる。
同副部長は、中国とイランが協調して、懸案となっているイラン核合意を支持し、かつ、両国間の相互協力・発展を前進させるためだとコメントした。
なお、イランは以前からSCOへの参加意思を表明しているが、中国はこれを支援するとも言及している。
同日付英『エキスプレス』紙:「イラン核合意:中国がイラン大統領を国際会議に招待してイラン支持を強調」
イランはSCO加盟国ではないが、中国招待によりオブザーバーとしてSCOサミットに参加することになる。
イラン最高指導者のアヤトッラー・ハメネイ師(78歳)は、米国離脱を受けて欧州関係国もイラン核合意を反故にするなら、イランは堂々と核再開発に着手すると強調している。
同師はまた、国際協定を簡単に破るような米国とは、もう一切協議しないとも付言した。
なお、エマニュエル・マクロン大統領(40歳)とウラジーミル・プーチン大統領(65歳)が先週会談し、イラン核合意を継続推進していくことで一致している。
同日付ロシア『イタル・タス通信』:「プーチン大統領、中国の青島で開催されるSCOサミットに出席」
中国外交部の張副部長は5月28日の記者会見で、プーチン大統領が、6月に中国で開催されるSCOサミットに参加するとした上で、同大統領にとって今年3月の大統領再選後初めての訪中であると発表した。
同副部長は、プーチン大統領は習近平国家主席(64歳)とともに、同サミットの共同議長として種々の問題討議を主導し、共同声明文の形で発表することになるとも付言した。
なお、同サミットには、2017年6月に正規加盟国となったインド・パキスタン(これで加盟国は8ヵ国)に加えて、オブザーバーとしてアフガニスタン・ベラルーシ・イラン・モンゴルの4ヵ国、また、対話パートナーとしてアゼルバイジャン・アルメニア・カンボジア・ネパール・トルコ・スリランカの6ヵ国代表が参加する予定である。
(注)SCO:中国・ロシア・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・ウズベキスタン・インド・パキスタンの8ヵ国による多国間協力組織、もしくは国家連合。面積と人口では世界最大の地域協力組織である。2001年6月、中国の上海にて設立されたために「上海」の名を冠するが、本部(事務局)は北京。
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中国は米国と貿易戦争を始めつつあり、ロシアは、ロシア元スパイの暗殺未遂事件を契機とした米国との外交官追放合戦を展開している。かつては犬猿の仲であった社会主義国家同士ではあるが、現在は共通の敵である米国と激しくつばぜり合いをしていることから、軍拡競争で米国と対峙すべく、中ロ双方は防衛協力を益々強化しようと企てている。中国の新任国防部長(大臣相当)が初外遊先をロシアとしたことで、その方針を際立たせようとしている。
4月3日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』(
『AP通信』配信):「中国の国防部長のロシア訪問は米国への警告を意図」
中国の新任国防部長の魏鳳和上将(ウェイ・フォンホー、63歳)は4月3日、自身のロシア訪問は中ロ間防衛強化が進捗していることを米国宛に警告する意味があるとの声明を公表した。
同部長は、今年3月の就任後初の外遊先をロシアとしたことが中ロ連携の強い意図を示すものだと強調した。...
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4月3日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』(
『AP通信』配信):「中国の国防部長のロシア訪問は米国への警告を意図」
中国の新任国防部長の魏鳳和上将(ウェイ・フォンホー、63歳)は4月3日、自身のロシア訪問は中ロ間防衛強化が進捗していることを米国宛に警告する意味があるとの声明を公表した。
同部長は、今年3月の就任後初の外遊先をロシアとしたことが中ロ連携の強い意図を示すものだと強調した。
同部長を歓待したセルゲイ・ショイグ国防相も、魏部長のロシア訪問によって、中ロ間軍事的連携が増々強まることになるとコメントした。
かつて反目し合っていた中ロ両国は、“戦略的パートナーシップ”を固めることで、米国“1強”の国際情勢を変革すべく協調していこうとしている。
具体的には、南シナ海での合同訓練や昨夏のバルト海における海上演習を実施している。特に、バルト海においては、北大西洋条約機構(NATO)との緊張が高まっていたロシアにとって、軍事力強化を果たした中国軍の初の海上演習参加を得た意義は大きい。
また、両国は昨年12月、ミサイル防衛合同演習も実施している。
同日付ロシア『イタル・タス通信』:「中国国防部長、モスクワ国際安全保障会議に出席」
中国の魏国防部長は4月3日、第7回モスクワ国際安全保障会議(MISC)出席のためモスクワ入りした。
そして同部長は、早速ショイグ国防相と会談し、中ロ両国の軍事協力を益々強化していくことで米国に対する強い警告とする意図である旨語った。
また、同部長は、習近平(シー・チンピン)国家主席の指示により、MISCに出席し、中国はロシア支援していくとの意思、そして、国際平和実現のために中ロ双方が一致協力していくことを内外に示す狙いがあるとも付言した。
なお、第7回MISCは4月4~5日に開催される。
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