米カリフォルニア、現実味を帯びてきた州知事に対する解職請求(2021/02/01)
米カリフォルニア州では、ギャヴィン・ニューソム民主党知事による新型コロナウイルス危機への対応を批判し、解職を求める署名運動が展開されている。1月下旬時点で、3月までに必要な150万人分の署名のうち約120万人分が集まっている。当初共和党主導で始められたこの運動は、現在、民主党支持者からの賛同も得始めている。
英オンラインメディア
『インデペンデント』 によると、ニューソム知事の解職推進派は170万ドル(約1億7794万円)以上の資金を調達できており、3月17日までに、必要とされる150万人分の署名を集める予定だという。これまで集まった120万人分の署名のうち、84%が州務長官によって有効であることが確認されている。
解職に必要な署名数が集まった場合、有権者は民主党のニューソム知事を罷免するかどうかを決定するとともに、ニューソム知事の後任を誰にするかを投票することになる。...
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『インデペンデント』 によると、ニューソム知事の解職推進派は170万ドル(約1億7794万円)以上の資金を調達できており、3月17日までに、必要とされる150万人分の署名を集める予定だという。これまで集まった120万人分の署名のうち、84%が州務長官によって有効であることが確認されている。
解職に必要な署名数が集まった場合、有権者は民主党のニューソム知事を罷免するかどうかを決定するとともに、ニューソム知事の後任を誰にするかを投票することになる。
ニューソム知事は2年間で6回目の解職請求に直面していることになるが、今回は、知事のパンデミックへの対応とその経済的影響に対する批判が高まっていることを受けたものである。知事は昨年11月、フランス料理の豪華な3つ星レストランで12人以上の誕生日会に出席した際、他の家庭と混ざってはいけないとの自身が出した発令に背いたことが発覚し、激しい反発に直面した。
米『ロサンゼルス・タイムズ』 は、「政治には公の場で党首を批判してはならない、という暗黙のルールがあるが、カリフォルニア州の民主党議員や知事の支持者の多くは、新型コロナウイルスのパンデミックから1年近くが経ち、不満が高まっているため、このルールを破ろうとしている。」と報じている。
ニューソム政権によって最近、州のワクチン優先接種から外された清掃員や警備員などの労働者の組合「SEIU United Services Workers West」の副代表であるサンドラ・ディアスは、解職請求運動に対して、「知事は私たちを死に追いやっているようなものだ」と述べ、「誰かの気分を害しようとも、状況が改善することのほうが組合として重要だ」と支持を表明している。
また、ワクチン政策や地域の外出禁止令について知事の方針が絶え間なく変化すること、学校再開の見通しがないこと、主要な決定事項についてのコミュニケーションが不十分であることなどから、これまで知事派であった人々からの不支持が増しているという。解職請求の選挙の可能性が浮上する中、知事の支持基盤の間でも不満がたまっている可能性がある。
しかし、民主党議員の中には、ローラ・フリードマンのように、知事の行動を批判することで 署名運動を後押しすることを懸念していないと述べている人もいる。フリードマン氏は、解職請求には反対であり 知事を支持しているが「私の地域社会の懸念を伝える責任もある 」と述べている。
「最終的に知事にとって最も有害なのは、人々の発言ではなく 失敗することだと思う」と語り、「解職を防ぐには 彼が成功するように助けることが一番だ」と述べている。
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カリフォルニア州、FDA承認コロナワクチンを独自審査へ(2020/10/20)
米カリフォルニア州は、米食品医薬品局(FDA)が承認したワクチンを供給前に、安全性や供給計画について、州の専門家パネルで独自に審査すると発表。大統領選の結果に関わらずに行うという。また、年内に州民に広くワクチンを提供できる可能性は低いとしている。ニューヨーク州も州独自の審査を実施する。
10月20日付
『ロイター通信』 は「カリフォルニアでコロナワクチンを独自審査へ」との見出しで以下のように報道している。
記者会見でカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、FDAが承認した新型コロナウィルスのワクチンの安全性と最初の供給計画について独自に審査するとした。11人からなる疫学、生物統計学、感染病の専門家委員会により、大統領選挙の結果如何にかかわらず審査を行うとしている。
トランプ大統領が公約している通り、政府は大統領選挙日の11月3日以前の承認をめざしワクチン承認をスピードアップしている。...
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10月20日付
『ロイター通信』 は「カリフォルニアでコロナワクチンを独自審査へ」との見出しで以下のように報道している。
記者会見でカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、FDAが承認した新型コロナウィルスのワクチンの安全性と最初の供給計画について独自に審査するとした。11人からなる疫学、生物統計学、感染病の専門家委員会により、大統領選挙の結果如何にかかわらず審査を行うとしている。
トランプ大統領が公約している通り、政府は大統領選挙日の11月3日以前の承認をめざしワクチン承認をスピードアップしている。一方、規制プロセスへの政治的影響により安全性を軽視しかねないとの懸念が広がる。FDAは承認により安全性を保障するとしている。
最も楽観的な見通しでも、ワクチンは来年まで一般市民には行きわたらない予定。ニューサム知事は、「年内にワクチンが近くの薬局でいつでも手に入るようになる訳ではない。」としている。ワクチンは医療従事者や救助隊員へ優先的に供給される予定。
先月、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事も、ニューヨークで同様の政府承認ワクチンの審査を行う意向であることを発表している。
10月19日付米国『ロサンゼルス・タイムズ』 は「カリフォルニア州でFDA承認COVID-19ワクチンを一般供給前に検証するとニューサム知事」との見出しで以下のように報道している。
カリフォルニア州は、FDAが承認したコロナワクチンを一般に供給される前に、その安全性を独自に検証するという。政府がプロセスを急ぐ懸念から、安全性を担保するため、専門家による新たな委員会を設置。
他のパンデミック対応同様、ワクチンも増々政治的影響を受けつつある。数か月間大統領はワクチン開発のスピードアップを促し、タイムラインに関し公衆衛生当局との衝突に繋がった。世論調査ではコロナワクチンへの信頼性が低下している。
9月にはニューヨークのクオモ知事が承認ワクチンを検証する専門家タスクフォース設置を発表。
数日前には、ファウチ医師がFDA承認ワクチンの安全性に「強い確信がある」と発言した後での今回の発表は、ワクチンの信頼性により不確実性を与えている。知事のワクチンへの姿勢は一貫している。
元々ワクチン全般に疑念を持つ人は、この安全性を確実にする動きにより、一層コロナワクチンの危険性に疑いを持つようになるだろう。しかし、それ以外のカリフォルニア州住民はワクチンを信用しつつも、トランプ政権に不信感を持つ。州による承認を行うことは、ワクチン接種を促す事に繋がるであろう。
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