米プロバスケの元スター選手の遺族、故人の事故死写真を無断で撮影・保持した違法行為に対する損害賠償請求事件で和解【欧米メディア】(2023/03/03)
米プロバスケットボール(NBA、1946年創立)の元スター選手が事故死した際、現場に駆け付けたカリフォルニア州郡保安官らが無断で遺体写真を撮影・保持するという違法行為を犯していた。そこで、遺族がプライバシー侵害・精神的苦痛を理由に損害賠償請求をしていたが、この程郡当局側が約2,900万ドル(約39億円)の慰謝料を払うことで和解が成立した。
3月1日付
『ロイター通信』は、「故コービー・ブライアント氏の遺族、無断で遺体撮影した違法行為に対して約2,900万ドルで和解」と題して、カリフォルニア州ロサンゼルス郡保安官らが、故人の遺体写真を無断で撮影・保持した違法行為について、郡当局側が遺族に多額の慰謝料を払うことで和解したと報じている。
ロサンゼルス郡庁はこの程、NBA元スター選手のコービー・ブライアント氏の妻に対して、約2,900万ドルの和解金を支払うこととなった。...
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3月1日付
『ロイター通信』は、「故コービー・ブライアント氏の遺族、無断で遺体撮影した違法行為に対して約2,900万ドルで和解」と題して、カリフォルニア州ロサンゼルス郡保安官らが、故人の遺体写真を無断で撮影・保持した違法行為について、郡当局側が遺族に多額の慰謝料を払うことで和解したと報じている。
ロサンゼルス郡庁はこの程、NBA元スター選手のコービー・ブライアント氏の妻に対して、約2,900万ドルの和解金を支払うこととなった。
2020年1月下旬、故人とその次女を乗せたヘリコプターが墜落して、搭乗者全員が死亡する事故が発生した際、現場に駆け付けたロサンゼルス郡保安官や消防士が、無断で遺体写真を撮影し、その画像を仲間内でシェアしていた。
この行為に対して、故人の妻バネッサ・ブライアント氏が、プライバシーの侵害であり、かつ精神的苦痛を受けたとして、郡当局を提訴していた。
訴訟代理人のルイーズ・リー弁護士は、“本日、卑劣な行為に対する損害賠償請求が、最高の結果で終了することになった”とし、“彼女が、亡き夫、次女、及び似たような非礼を被った全ての遺族のために戦ったことが報われた”と表明した。
同弁護士は、和解金は2,885万ドルで、そのうちの1,500万ドル(約20億円)は、昨年8月に連邦地裁の陪審員が、郡保安官や消防士らの遺体写真撮影によって、彼女のプライバシーが侵害され、精神的苦痛を受けたことを認めた際の賠償額だとしている。
一方、郡当局側代理人のミラ・ハッシュモール弁護士は『ロサンゼルス・タイムズ』紙のインタビューに答えて、和解内容は“公平かつ理に適ったものだ”とコメントした。
同弁護士は更に、“州地裁に起こされた提訴や、故人の子供による将来の提訴、また、双方の弁護士費用等一切が解決されることになる”と付言している。
同日付『AP通信』も、「故コービー・ブライアント氏遺族、無断遺体写真撮影行為に対して2,850万ドルで和解」として詳報している。
故コービー・ブライアント氏の遺族はこの程、ロサンゼルス郡保安官らが故人の遺体写真を無断で撮影していた等の非礼行為に対して提訴した損害賠償請求事件に関し、郡当局側が2,850万ドルの和解金を支払うことで終決させることに合意した。
昨年8月、連邦地裁の陪審員が、故人の妻バネッサ・ブライアント氏の提訴について、郡側が1,500万ドルの慰謝料を払うよう認定していた。
従って、今回の和解金は、上記に更に1,350万ドルが追加されたことになる。
損害賠償請求の原因となった遺体写真は、事故現場に駆け付けた郡保安官や消防士が勝手に撮影したもので、画像を保持した後、仲間内でシェアしただけでなく、自分の家族や行き付けのバー等で見せびらかせていたことが判明している。
郡側代理人弁護士は当初、遺体撮影は事故原因究明等で必要不可欠だったと主張していたが、遺族側代理人が、保安官らの興味本位の無責任な行為だとして証拠を基に詳細に陳述したことから、陪審員は遺族側主張を全面的に認めたものであった。
更に、バネッサ氏が陪審員の前で、保安官らが当該画像を保持していたことから、将来何らかの形で拡散し、自身や他の家族が目にする恐れがあるとして、理不尽な行為だとして涙ながらに糾弾したことも、遺族側の主張が認められた要因である。
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トランプ政権時代の中小企業支援融資政策の下、500万ドルもの不正融資を受けた男に4年半の懲役刑【米メディア】(2023/02/20)
トランプ政権時代、新型コロナウィルス(COVID-19)感染流行問題によって経済的な影響を受けた中小企業に対して、事業運転資金を融資する「給与保護プログラム政策(PPP、注後記)」が実施された。しかし、支援実施を急ぐあまり審査等が手緩かったためか、この程、架空の会社をいくつもでっち上げて総額500万ドル(約6億7千万円)もの不正融資を受けていた男が逮捕・起訴され、懲役4年半の有罪判決を受けている。
2月18日付
『Foxニュース』は、「PPPローンとして500万ドルも不正融資を受け、高級スポーツカーを買い漁った男に有罪判決」として、不正融資の実態を報じている。
COVID-19に伴う支援融資政策に関わり、不正な方法で融資を受けたカリフォルニア州在の男が2月17日、連邦地裁で有罪判決を受けた。
ムスタファ・クァディリ被告(42歳)で、連邦検事局によると、懲役4年半、罰金2万ドル(約268万円)、不正取得残額286万1050ドル(約3億8338万円)の返還義務が言い渡されたという。...
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2月18日付
『Foxニュース』は、「PPPローンとして500万ドルも不正融資を受け、高級スポーツカーを買い漁った男に有罪判決」として、不正融資の実態を報じている。
COVID-19に伴う支援融資政策に関わり、不正な方法で融資を受けたカリフォルニア州在の男が2月17日、連邦地裁で有罪判決を受けた。
ムスタファ・クァディリ被告(42歳)で、連邦検事局によると、懲役4年半、罰金2万ドル(約268万円)、不正取得残額286万1050ドル(約3億8338万円)の返還義務が言い渡されたという。
同被告は、“架空の企業をでっち上げて500万ドルのPPP融資を不正に受けて、フェラーリ(イタリア)、ベントレー(英国)、ランボルギーニ(イタリア)等の高級スポーツカー(いずれも3千万円超)の購入代金に充てたり、贅沢な休暇旅行他被告個人のために流用していた”という。
また、裁判所資料によると、当局が“当該スポーツカーを没収し、また、被告の銀行口座にあった残額200万ドル(約2億6800万円)も差し押さえた”という。
同被告は2020年5月と6月に、偽名や虚偽の社会保障番号を使って、4つの架空の会社に関わるPPPローン申請を行い、計3銀行から不正融資を受けていた。
なお、今回の事件は、国家安全保障省捜査部・中小企業庁監査局・連邦捜査局(FBI)及び内国歳入庁(国税庁相当)捜査部が立ち上げた金融犯罪合同捜査本部の捜査によって摘発されたものである。
2月19日付『ロサンゼルス・タイムズ』紙は、「COVID-19に関わる支援融資を不正に受けて高級車を買い漁ったオレンジ郡の男に有罪判決」と詳報している。
カリフォルニア州南部オレンジ郡アーバイン市在住のクァディリ被告は、トランプ政権下の2020年3月に議会によって制定されて実施されたPPP支援に関し、同市南のニューボートビーチ市登録の4つの会社をでっち上げて、虚偽申告の従業員を雇用維持するためとして不正融資を受けたものである。
連邦検事局によれば、当該4社は何ら事業実態がなく、従業員数、取引銀行口座、確定申告等全て偽造して不正申請していたという。
同被告は、融資を受けるや否や、高級スポーツカーを買い漁る等、全て被告個人のために流用したとする。
同被告の何人かの友人が裁判所に提出した陳述書によると、同被告はアフガニスタン出身で、幼い頃に父と死別し、後に母親と共に米国に移住してきているが、思いやりがあり優しい人物だという。
しかし、若い頃に事業で成功したものの、その後アルコール依存症に陥り、結果として道を踏み外してしまったという。
なお、クァディリ被告の事件は、PPPローンに関わる不正融資事件の一部であり、その他多くの金融犯罪が行われていて、摘発もされている。
(注)PPP:COVID-19によって事業運営に行き詰まった中小企業(従業員500人以下)に対して、雇用維持を支援する一環で、連邦政府が運転資金を貸し付けるとした政策。融資申請対象期間は2020年1月から2021年3月。通常融資と大きく異なるのは、一定の条件を満たせば債務免除となること。割り当てられた予算は、2020・2021年併せて9530億ドル(約127兆7020億円)。但し、2022年の評価の結果、実際に従業員に補償されたのが23~34%程度に止まったことや、200~300万人の雇用を確保するのに、1人当り16万9千~25万8千ドル(約2265万~3457万円)も支出される結果となっており、失政とされている。
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