ロシアのスパイ、インターンとして国際刑事裁判所に潜入試みる
オランダ総合情報保安局(AIVD)は、ロシアの工作員がインターンを装って国際刑事裁判所(ICC)に潜入しようとする試みを阻止していたことを明らかにした。
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『CNN』によると、オランダ総合情報保安局(AIVD)は、ロシア軍参謀本部の情報総局GRUの工作員とみられる人物が、ブラジル出身の33歳の男性を装い、4月にブラジルからオランダに渡航し入国しようとした際、阻止されたという。男性は、国際刑事裁判所(ICC)にインターンとして働く予定であった。
AIVDによると、こうした機関員は「イリーガル」として知られ、別の国の人物に成りすまして活動するため、発見されにくいという。...
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『CNN』によると、オランダ総合情報保安局(AIVD)は、ロシア軍参謀本部の情報総局GRUの工作員とみられる人物が、ブラジル出身の33歳の男性を装い、4月にブラジルからオランダに渡航し入国しようとした際、阻止されたという。男性は、国際刑事裁判所(ICC)にインターンとして働く予定であった。
AIVDによると、こうした機関員は「イリーガル」として知られ、別の国の人物に成りすまして活動するため、発見されにくいという。そうしたロシアの工作員たちは外国人を装っていることにより、ロシア人であればアクセスできないような情報にアクセスできる。なお、ICCは現在、ウクライナにおけるロシアの戦争犯罪や、2008年のグルジアにおけるロシアによる戦争犯罪の疑惑を調査している。したがって、ICC内部への潜入は、ロシアの情報機関にとって「非常に価値ある」ものであったろう、とAIVDは述べている。
英『インデペンデント』によると、AIVD局長のエリック・アケルブーム氏は、「これはGRUの長期的かつ数年にわたる作戦であり、多くの時間、エネルギー、資金を費やしたものだ。これは、ロシアがICC内の情報に不正アクセスしようとしていることを明確に示している。我々はこれを高レベルの脅威として分類している。」と指摘した。ICC広報担当のソニア・ロブラ氏は「ICCはこれらの脅威を非常に真剣に受け止め、オランダと協力し続ける」と述べた。
英『BBC』によると、多くの国が一般人を装いスパイ活動を行っている一方で、ロシアは長い間、全く別の国籍になりすました非合法な潜入を専門としてきたという。今回の工作員の実名はセルゲイ・ウラジミロビッチ・チェルカソフであり、何年もかけて偽の身分を作り上げ、ハーグのICCでのインターンに応募した。こうしたスパイは、アメリカ人、イギリス人、カナダ人、フェレイラの場合はブラジル人のふりをして、ロシア人が疑われるような環境で活動している。「イリーガル」な諜報員が訓練を受け、偽装工作を行うには5年から10年かかると言われており、欧米の推計によれば、GRUの工作員はおそらく30人未満だとされている。
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国連報告書:世界で干ばつが長期化、2040年には子どもの4人に1人が水不足に
国連は11日、気候変動により干ばつの頻度と期間は今後も増加し続け、水不足はすでに世界中の何十億もの人々に影響を与えていると報告書で警告を発した。
『AP通信』によると、現在コートジボワールのアビジャンで国連砂漠化対処条約の締約国会議を開催している国連は、世界人口のおよそ3分の1にあたる23億人がすでに水不足に直面しており、その数は2050年までに2倍になると推定している。
報告書では、世界のどの地域も干ばつの影響を受けることになるものの、アフリカが最も大きな被害を受けている大陸であり、アメリカ大陸、インド、オーストラリアも現在および将来的に特に懸念される地域であると指摘している。...
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『AP通信』によると、現在コートジボワールのアビジャンで国連砂漠化対処条約の締約国会議を開催している国連は、世界人口のおよそ3分の1にあたる23億人がすでに水不足に直面しており、その数は2050年までに2倍になると推定している。
報告書では、世界のどの地域も干ばつの影響を受けることになるものの、アフリカが最も大きな被害を受けている大陸であり、アメリカ大陸、インド、オーストラリアも現在および将来的に特に懸念される地域であると指摘している。
アフリカ大陸では過去100年間に134回の干ばつが記録されており、その半分以上が東アフリカで発生している。英『インデペンデント』は、ケニア、エチオピア、ソマリアでは現在、壊滅的な干ばつに直面しており、数百万頭の家畜が死亡し、数百万人の生計が危機にさらされていると伝えている。1年以上雨が降っていないケニアのある農家は、「以前は8カ月間食べられるだけのトマトを作ることができた。マンゴーやパパイヤの木もあった」。しかし現在は、食料源は信じられないほど不足し、飲料水の供給にも大きな打撃を受けていると語っている。
インドでは1998年から2017年の間に干ばつによる国内総生産が5%縮小し、オーストラリアでは2002年から2010年の間に干ばつにより農業生産性が18%低迷した。また、同国では、降雨不足が拍車をかけた2019年末から2020年初頭にかけてのような山火事が増えると予想されると、報告書は警告している。世界的に見ると、過去20年間で干ばつリスクは29%増加しており、2050年までに、何億人もの人々が新しい住処を探さざるを得なくなる可能性があるという。
国連によると、アマゾンも同様で、今世紀に入ってから干ばつが3回発生し、森林火災を誘発した。同機関は、現在のペースで森林伐採が進めば、2050年までにこの地域に残る森林の16%が焼失すると推定している。
仏『レゼコー』によると、報告書は、この惨劇に対処しなければ、その被害は飛躍的に拡大することになると伝えている。2030年には、干ばつによって7億人が避難する可能性がある。2040年には、子どもの4人に1人が、利用可能な水資源が極端に低い地域に住むと予想されている。2050年には最悪の事態が訪れ、人類の4分の3が干ばつに見舞われる可能性があるとしている。「48億から57億の人々が1年のうち少なくとも1ヶ月は水不足の地域で暮らすことになる」と推測されている。
しかし、適切な適応策を講じれば、地球上の水不足は抑えることができる、とも報告書は述べている。より多くの食料を生産しながらより少ない水ですむより優れた農業技術、干ばつ対策計画、土壌の健全性への投資拡大、新技術、早期警告システムなどが、食料と水不足の抑制に役立つとしている。
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