プーチン大統領、OPEC減産合意に参加の用意と発言(2016/10/11)
9月28日アルジェリアで開催されたOPECの臨時総会で原油の減産が合意された後、OPEC非加盟の有力産油国であるロシアの動向が注目されて来たが、10月10日ロシアのプーチン大統領はトルコのイスタンブールで開かれた世界エネルギー会議に出席し、ロシアも減産合意に参加する用意があると発言した。輸出の太宗をエネルギーに頼るロシアとしては原油価格の引き上げは望むところであり、OPECと協力する方針に出た模様である。
サウジアラビアとロシアという両巨大産油国が減産合意に向けて走り出したことで実行性が増したことになるが、両国の過去の行動からみて未だ不確定要素があると見る向きもある。
10月10日付
『ヤフーニューズ』(AFP通信引用)は、「プーチン大統領:ロシアはOPEC原油生産制限に参加の用意あり」という見出しで、プーチン大統領が月曜日OPEC非加盟のロシアが原油生産制限のカルテルに参加の用意と語り、この発言で原油価格は1年ぶりの高値を付けたと報じた。プーチン大統領は協調的生産制限が長期間の価格低迷の後、価格安定化の唯一の方策であると語った。この発言に反応して北海ブレント価格は1.53ドル上昇し2015年10月以来の高値である53.45ドルを付けた。...
全部読む
10月10日付
『ヤフーニューズ』(AFP通信引用)は、「プーチン大統領:ロシアはOPEC原油生産制限に参加の用意あり」という見出しで、プーチン大統領が月曜日OPEC非加盟のロシアが原油生産制限のカルテルに参加の用意と語り、この発言で原油価格は1年ぶりの高値を付けたと報じた。プーチン大統領は協調的生産制限が長期間の価格低迷の後、価格安定化の唯一の方策であると語った。この発言に反応して北海ブレント価格は1.53ドル上昇し2015年10月以来の高値である53.45ドルを付けた。
同大統領はロシアの方針が11月のOPEC総会で具体的な合意形成に資することとなり、市場や投資家に良い知らせとなることを望むと語った。またロシアのノバクエネルギー相はイスタンブールで水曜日に開かれるOPECの会合に参加しカルテルへ向けて緊密な連携を図る予定である。プーチン大統領は更に現状の低価格原油の時代が続けば開発資金の投入を減少させかねず、それが将来予期せぬ価格高騰をもたらす懸念があると警告を発し、このような困難な時期でもロシアは主要エネルギー大国として開発を続けることを強調した。
一方OPECの中心人物であるサウジのファリハエネルギー相は原油価格が年末までに60ドルに達することに対し手放しではないものの楽観的にみていると語った。ただ、OPEC諸国が急激な減産を行い価格が急騰することについては、市場に有害なショックを与えるべきでないと警鐘を鳴らした。また、ベネズエラのマドゥロ大統領は価格維持のための新たなメカニズムが必要であり、水曜日のOPEC会議で合意に達し産油国間の連携が生まれることを希望すると述べたと伝えている。
10月10日付
『ブルームバーグビジネス』は、「プーチン大統領、ロシアはOPECの原油供給制限努力に参加の用意」という見出しで、同大統領の発言を報じた。とは言え11月30日に開催のOPEC総会で各国の分担や非加盟国の協力について決めることは多い。ロシアは10月日量1,120万バレルというソビエト体制崩壊後の最大生産量を記録しているが、ノバクエネルギー相はロシアは減産ではなく増産凍結を望むと語っている。アナリストは「ロシアの参加は歓迎するが、未だまだ注意が必要である。過去の歴史はこれらの産油大国が合意を無視したことを示している」と語ったと伝えている。
閉じる
英ポンド、31年ぶりの安値を付ける(2016/10/05)
10月4日英ポンドは1985年以来の安値を付けた。10月2日の保守党大会でメイ首相がEU離脱通告の期限を発表して以来、首相の方針がEU離脱後単一市場へのアクセスの維持よりも移民のコントロールを優先するとの懸念が広がっているためである。一方ポンド安で輸出増の恩恵を受ける英国大企業の株価指数であるFTSE100は2015年7月以来の高値を付けている。英ポンドについては来年の3月に向けて更に切り下がるという見方と、単一市場からの離脱を織り込んで3月までを展望すると底を打ったという見方に分かれている。
10月5日付
『ヤフーニューズ』(ロイター通信引用)は、「EU離脱強硬案にポンド31年ぶりの安値、英国株は上昇」という見出しで、英国がEU単一市場から離脱する強硬案を懸念して火曜日英ポンドは過去30年以上の最安値を付けたが、ポンド安で株は上昇したと報じた。ポンドは日曜日にメイ首相が離脱通告を来年3月末までに行うと発表して以来1.7%下げていたが、火曜日には同首相は離脱交渉は平たんではなく凸凹道だと述べた。...
全部読む
10月5日付
『ヤフーニューズ』(ロイター通信引用)は、「EU離脱強硬案にポンド31年ぶりの安値、英国株は上昇」という見出しで、英国がEU単一市場から離脱する強硬案を懸念して火曜日英ポンドは過去30年以上の最安値を付けたが、ポンド安で株は上昇したと報じた。ポンドは日曜日にメイ首相が離脱通告を来年3月末までに行うと発表して以来1.7%下げていたが、火曜日には同首相は離脱交渉は平たんではなく凸凹道だと述べた。多くのエコノミストや投資家はメイ首相が単一市場よりも移民のコントロールを優先する強硬案を支持すると懸念している。強硬案では貿易を妨げるし、先進国最大の経常赤字を補てんする海外からの投資を抑えることになる。イングランド銀行は今後景気刺激のため更に金利を引き下げる可能性があり、そうなればポンドは現在の1.2735ドル/ポンドが1.20ドル/ポンドまで更に切り下がるとみるアナリストもいる。ポンド安は英国の会社の株式を割安にし海外からの買収が増える可能性もある。日本のソフトバンクのARM買収はその一例であると見るアナリストもいると報じている。
10月4日付
『ブルームバーグビジネス』は、「強硬離脱案への懸念が広がる中、ポンド安をアナリストはこう見る」という見出しで、英ポンドが1985年以来の安値を付ける中アナリストの見方を紹介している。
大和証券:強硬離脱案をとる場合、英国の非製造業サービス分野が最も大きな影響を受ける。この分野はEUとのビジネスで大きな黒字を出しており、英ポンドが切り下がった理由はここにある。離脱通告の日が近づくに従って英ポンドは更に切り下がると見込むが、1ポンド1.20ドル割れもありうる。
ウニクレディット:メイ首相の強硬離脱案は予想外であり市場は十分に織り込んでいなかった。今後数か月内にポンドはユーロに対して更に切り下がるのではないか。
バンクオブアメリカ:今後数か月は政治的不安定さが増すので、経常赤字を抱える英国の通貨にとっては試練である。
野村証券:政治的に不安定な時期が続くが、市場は強硬案を織り込んだのでこの先交渉が始まる3月まではこれ以上悪くなる要素は少ないと見る。
閉じる
その他の最新記事