米・フランス・ドイツ・中国メディア;東京オリンピック会場の行方は?(2016/10/20)
10月18日付【
風の流れ:オリンピックってなんだろう】の中で触れられているとおり、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は小池東京都知事との会談で、東京がオリンピック・パラリンピックを招聘した原点に即した形で開催するよう要請し、コスト削減に向けた協議は、東京都、IOC、大会組織委、日本政府の4者によって会議するよう提案した。そして各国メディアは、同会長が、競技会場の選択・決定については、東日本大震災被害地域での選択肢に理解を示す一方、日本メディアが報じた韓国の会場を一時使用する話についてはコメントを避けたと報じている。
10月19日付米
『ロイター通信米国版』:「バッハ氏、2020年競技会場の一部を大震災被災地とすることを提案」
「●来日中のIOCトーマス・バッハ会長は10月19日、2020年東京オリンピックの競技会場の一部を、2011年の東日本大震災で津波や原発事故の被害を受けた東北部とすることを提案。
●東京オリンピック招致委員会は当初、同競技場のほぼ80%を、選手村から8キロメーター(5マイル)以内とする提案だったが、その後の建設費等の高騰もあって、東京オリンピック主催者側は現在、一部の競技場を都内から離れた場所に移すことを検討中。...
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10月19日付米
『ロイター通信米国版』:「バッハ氏、2020年競技会場の一部を大震災被災地とすることを提案」
「●来日中のIOCトーマス・バッハ会長は10月19日、2020年東京オリンピックの競技会場の一部を、2011年の東日本大震災で津波や原発事故の被害を受けた東北部とすることを提案。
●東京オリンピック招致委員会は当初、同競技場のほぼ80%を、選手村から8キロメーター(5マイル)以内とする提案だったが、その後の建設費等の高騰もあって、東京オリンピック主催者側は現在、一部の競技場を都内から離れた場所に移すことを検討中。
●小池百合子東京都知事の検討チームは、ボート・カヌー会場として、東京から400キロメーター北の宮城県に移す案も選択肢のひとつとして提案。
●同知事と会談した際、バッハ会長からは、東京オリンピックから復活する野球などが東北部で開催されれば、大震災からの復興について、国内外に強いメッセージとなろうと提案-但し、野球が唯一の選択肢という意味ではないとも付言。」
同日付米
『USAトゥデイ』(
『AP通信』配信):「バッハ氏、東京オリンピックのコスト削減協議は、関係4者で行うことで十分と発言」
「●小池都知事と会談したバッハ会長は、当初案の4倍余りの300億ドル(約3兆1,200億円)に高騰した東京オリンピックの総コスト見直しのため、東京都、IOC、大会組織委及び日本政府の4者協議を提案し、双方合意。
●しかし同会長は10月19日、日本及び国際競技連盟まで当該協議に引き入れる案は明確に否定。
●一方同会長は、安倍晋三首相とも会談し、2011年の大震災被災地での一部競技開催について協議。」
同日付フランス
『フランス 24』オンラインニュース(
『AFP通信』配信):「IOC会長、2020年東京オリンピックの会場の一部を韓国とする案についてのコメント回避」
「●当初案より大幅に高騰したボート・カヌー競技場(東京都海の森会場)について、
『朝日新聞』が関係筋の情報として、韓国に移す案につき報道。
●しかし、バッハ会長は10月19日、この報道についてコメントすることを回避。
●なお、現在の東京オリンピックの総コストは300億ドルと、2012年ロンドンオリンピック時の3倍にも高騰。」
同日付ドイツ
『DW(ドイツ通信)』:「IOCバッハ会長、2020年東京オリンピックの会場変更に不同意」
「●当初案より競技会場を変更する場合、IOC及び同競技国際連盟の同意が必要。
●小池都知事と会談したバッハ会長は、オリンピック招致競争に勝った際の原案より大きく変更することには難色。
●ただ、総コスト見直しのため、4者協議を実施することには同意。」
同日付中国
『新浪(シナ)英字ニュース』(
『北京時報』配信):「IOCと東京都、総コスト見直しに注力」
「●バッハ会長と小池都知事が会談した際、東京オリンピックの総コスト見直しに当り、関係4者の作業部会で協議することで合意。
●同知事説明では、暴騰した総コスト見直しのため、3つの競技会場について、規模縮小か、あるいは会場の変更が必要となろうとの話。
●同会長は、関係者間でよく協議し、コスト削減の可能性を探っていくことが肝要とコメント。
●なお同都知事は、7月に就任してすぐさま、3兆円(29億5千万ドル)にも膨れ上がった総コストの見直しを指示。」
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米・フランス・ロシアメディア;国連の次期事務総長選びの現況(2016/07/21)
かねて報じたとおり、国連の事務総長については、過去の密室政治(5ヵ国の常任理事国により、ただ1人の候補につき密室合意)から脱却して、透明性が確保される新しい選出方法が採用されることになっている。すなわち、候補者全員を公けにした上で、国連安全保障理事会(15ヵ国)において数度に亘る投票を通じてある程度候補者を絞り、正式に国連総会で選出される。これまで、12人の候補者が出揃っているが、男女比が半々であることや、各大陸から立候補していることから、最終的にどの国の誰が選出されるのか予断を許さない。
7月21日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』記事引用):「国連安保理、次期事務総長候補12人についての非公開投票を実施」
「●国連安保理は7月21日、次期事務総長候補12人について、同理事会15ヵ国による非公開投票を行う予定。
●今年の安保理議長国となっている日本の別所浩郎国連大使は7月20日、初めて行われる投票だが非公開扱いとコメント。
●国連憲章では、安保理推薦の候補者につき、(193ヵ国の)国連総会で選出されるとされているが、従来、安保理が合意した1人の候補者(常任理事国以外)を総会に推薦する方法が採用されており、実質、拒否権を有する5ヵ国の常任理事国の密室協議で選択されるというのが慣例。...
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7月21日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』記事引用):「国連安保理、次期事務総長候補12人についての非公開投票を実施」
「●国連安保理は7月21日、次期事務総長候補12人について、同理事会15ヵ国による非公開投票を行う予定。
●今年の安保理議長国となっている日本の別所浩郎国連大使は7月20日、初めて行われる投票だが非公開扱いとコメント。
●国連憲章では、安保理推薦の候補者につき、(193ヵ国の)国連総会で選出されるとされているが、従来、安保理が合意した1人の候補者(常任理事国以外)を総会に推薦する方法が採用されており、実質、拒否権を有する5ヵ国の常任理事国の密室協議で選択されるというのが慣例。
●今回の12人の候補(東欧8人、中南米2人、アジア太平洋2人)は男女比が半々で、56ヵ国のグループが、初の女性事務総長選出キャンペーンを展開。
●また、これまでアジア、アフリカ、中南米、欧州出身の事務総長が交代で選出されていることから、ロシアを含めた東欧諸国が、初の東欧出身の事務総長選出を強くアピール。
●安保理メンバーによる非公開投票は7月末、8月、9月と数度行われ、ある程度候補者が絞られた上で、9月末か10月の総会で選出される予定。」
7月20日付フランス
『フランス 24』(
『AFP通信』記事引用):「国連安保理、次期事務総長の投票を非公開に」
「●安保理はこれまで、5ヵ国の常任理事国が予め絞った1人の候補者に対して、“支持”、“不支持”、“棄権”の公開投票を実施していたが、今年から多くの候補者(現在12人)について非公開投票を実施。
●下馬評の有力候補は、アルゼンチンのスサーナ・マルコーラ外相(女性)、スロベニアのダニロ・トゥルク前大統領(男性)、ニュージーランドのヘレン・クラーク前首相(女性)、ポルトガルのアントニオ・グテーレス元首相(男性)。
同日付ロシア
『イタルタス通信』:「ロシアの国連大使、次期事務総長は10月に決定とコメント」
「●ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は7月20日、次期事務総長は10月に決定されようとコメント。
●同大使は、これまでと違って常任理事国であるロシアの意向が強く反映されることはなく、多くの候補者の中から、15ヵ国の安保理メンバーによる非公開投票を経て最終候補が絞られ、その上で国連総会に推薦するという手続きが採用されるため。」
現在の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、確かに、世界貧困層の比率減少に多大な貢献をしたことなどは評価されようが、その他の点、特に事務総長に求められる中立性、公平性という点では、大いに疑問の残る行動が目につく。
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