プーチン批判の著名人がまたしても不審死【米・インドメディア】(2022/12/27)
12月27日付米
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース(2006年設立)は、「プーチン批判の大物政治家がインドのホテルで不審死」と題して、滞在中のインドのホテルで、一緒に旅行していたプーチン批判の2人の政治家が立て続けに不審死を遂げていると報じた。
ウラジーミル・プーチン大統領(70歳、2000年就任)のウクライナ軍事侵攻を公然と批判していた大物政治家が12月24日、滞在中のインドのホテルで不審死を遂げた。...
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12月27日付米
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース(2006年設立)は、「プーチン批判の大物政治家がインドのホテルで不審死」と題して、滞在中のインドのホテルで、一緒に旅行していたプーチン批判の2人の政治家が立て続けに不審死を遂げていると報じた。
ウラジーミル・プーチン大統領(70歳、2000年就任)のウクライナ軍事侵攻を公然と批判していた大物政治家が12月24日、滞在中のインドのホテルで不審死を遂げた。
パベル・アントフ議員(65歳、2019年就任の国家院議員)で、ソーセージ販売会社を営む富豪政治家で、休暇で訪れていたインド東端オディシャ州ラヤガダのホテルの3階の窓から“不審な”転落をして死亡した。
英国メディア『ザ・テレグラフ』紙報道によると、同議員はホテル前庭のプール側で血を流して死んでいるのが発見されたという。
同紙は、地元メディアが警察関係者から聴いた話として、同じホテルで数日前に一緒に滞在していた同僚議員の突然死を悔やんで自殺したとの見立ては疑わしいと報じている。
12月22日に死亡したのはウラジーミル・ブダノフ議員(61歳)で、1階の自室で死んでいるのが発見されている。
死因は心臓発作とされているが、自室内には空のワイン瓶が複数本転がっていたという。
西ベンガル州コルカタ駐在のアレクセイ・イダムキン総領事が、ロシア国営メディア『タス通信』に宛てた声明によると、“アントフ議員は窓から転落したと聞いているが、原因等詳細についてオディシャ州警察の捜査報告を待っているところだ”としている。
プーチン批判で知られる同議員は今年6月、ウクライナの戦闘で犠牲になっている住民らについて触れ、“これはテロ行為以外の何物でもない”とSNSに投稿していた。
しかし、その後に猛批判を恐れたアントフ議員は当該投稿を削除し、“不幸な勘違い”であったと言及している。
この事件を受けて、SNS上では、“うかつに窓に近づくべきではない、ということがまたしてもパベル・アントフによって証明された”とツイートされている。
その上で、“似たような事案が余りに多過ぎて、今や数を正確に数えられない”と言及されている。
同日付インド『ザ・ヒンダスタン・タイムズ』紙(1924年創刊の英字紙)は、「ロシア人政治家パベル・アントフ氏、オディシャのホテルで死亡」と詳報している。
パベル・アントフ氏が、オディシャ州ラヤガダのホテルで2日前に急死したウラジーミル・
ブダノフ氏に続いて死亡しているのが発見された。
同氏は、65歳の誕生日を祝うためもあって、同ホテルに他の同行者とともに滞在していた。
捜査に当たっている地元警察のビブカナンダ・シャルマ署長は、同氏の遺体は12月25日に発見されていて、遺族の了承を得て12月26日に荼毘に付したと述べている。
ロシア『タス通信』報道によると、アントフ氏の同僚であるヤチェスラフ・カルトゥキン副議長は同氏の急死を知って、“私の同僚であり、功成り名を遂げた実業家・慈善家であるアントフ氏の死を、ロシア議会の議員らを代表して追悼したい”とSNS上に投稿したという。
また、ウラジーミル・キセリョフ議長も、“大変な逸材を失ってしまった”と投稿しているという。
シャルマ署長によると、“アントフ氏一行の4人は、同ホテルに12月21日にチェックインしているが、ブダノフ氏が心臓発作で12月22日に亡くなった”とし、“アントフ氏は同僚の死亡にショックを受けていたところ、今度は同氏が12月25日に死亡しているのが発見された”と言及した。
一方、随行していたロシア人ツーリストのガイドは、“チェックイン当日、ブダノフ氏は体調が優れなかったが、翌朝に自室で意識不明の状態で発見されたので、即刻警察を呼んだ”と証言している。
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インド;アジア1の富豪が主導する国際港建設プロジェクトに地元住民が激しい抗議行動を展開【欧米・インドメディア】(2022/11/30)
経済成長著しいインドにおいても、貧富の格差は激しく、富の85%が約10%の高所得層によって占められている。そしてこの程、アジア1の富豪が率いる多国籍企業が推進している国際港建設プロジェクトに対して、地元住民が激しい抗議行動を展開している。
11月28日付欧米
『ロイター通信』は、「インドのケーララ州の国際港建設プロジェクトに抗議する住民と警察が衝突して80人余りが負傷」と題して、世界第3位でアジア1の富豪(米経済紙
『フォーブス』2022年9月データ)が率いる多国籍企業が推進する国際港建設プロジェクトに抗議する地元住民と警察が衝突して、多くのけが人が出ていると報じている。
インド南西端のケーララ州ビジンジャムにおいて11月27日晩、インド大手企業のアダニ・グループ(AG、1988年設立)が推進する国際港建設プロジェクトに反対する地元住民と警察が衝突し、双方合わせて80人以上が負傷する事件が発生した。...
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11月28日付欧米
『ロイター通信』は、「インドのケーララ州の国際港建設プロジェクトに抗議する住民と警察が衝突して80人余りが負傷」と題して、世界第3位でアジア1の富豪(米経済紙
『フォーブス』2022年9月データ)が率いる多国籍企業が推進する国際港建設プロジェクトに抗議する地元住民と警察が衝突して、多くのけが人が出ていると報じている。
インド南西端のケーララ州ビジンジャムにおいて11月27日晩、インド大手企業のアダニ・グループ(AG、1988年設立)が推進する国際港建設プロジェクトに反対する地元住民と警察が衝突し、双方合わせて80人以上が負傷する事件が発生した。
これは、230億ドル(約3兆2,200億円)に及ぶ港湾運営事業を展開するAGが進める、コンテナ船・大型クルーザー入港可能な大規模港湾建設プロジェクトで、総工費は9億ドル(約1,260億円)である。
地元住民はほとんどがキリスト教徒の漁師であるが、同港建設によって海岸の浸食が引き起こされ、漁業生活が破壊されたとして3ヵ月前から実力行使に出ていて、同建設工事が停止されていた。
AGがこれに対抗して建設工事再開を提訴し、裁判所の許可を取得したところ、建設現場入り口で地元住民が工事車両の通行を妨害した。
そこで地元警察が、抗議活動を行った数人の住民を逮捕したことから、神父らが率いる数百人のデモ隊が11月27日晩、警察署に押し入って警察車両を破壊し始め、衝突に発展した。
抗議活動のリーダーの一人であるジョセフ・ジョンソン氏によると、少なくとも46人の住民が負傷したという。
一方、地元警察のアジス・クマール巡査長は『ロイター通信』のインタビューに答えて、36人の警察官が怪我を負ったと語った。
同港はインド南西端に位置し、太平洋・インド洋を往来する国際船舶による貿易拡大に適するため、世界第3位でアジア1の富豪であるゴータム・アダニ氏(60歳)創設のAGにとって、更に業容拡大をもたらす大規模港湾建設プロジェクトである。
住民側・警察側の衝突発生に関し、警察の発表では、“抗議グループが凶器を持って警察署敷地内に殺到してきたことと、拘留中の仲間を釈放しなければ署に火をつけると脅した”とされている。
一方、司教総代理で抗議活動グループのリーダーであるユージーン・ペレイラ氏によると、警察側が我々に投石してきたとしている。
ケーララ州高裁が、何度も建設工事妨害活動停止命令を下していたものの、かかる衝突が発生したことから、裁判所は11月28日、AG側の申し立てを受理した上で、州行政府に対して、何故建設工事妨害活動が停止させられないのか12月2日までに回答するよう命令を出した。
なお、同港建設に当たって、AGが総工費の約3分の1を、残りは州及び連邦政府が負担する契約となっていて、AGは向こう40年間同港を運営する権利を有することになっている。
11月29日付インド『ヒンダスタン・タイムズ』紙(1924年創刊の英字紙)は、「ケーララ州ビジンジャム港での警察・デモ隊衝突事件に関し、関係者代表が会合を持つも膠着状態」と報じている。
ケーララ州南部ビジンジャムで警察・デモ隊の衝突事件が発生した翌日の11月28日、関係者代表が一堂に会したが、交渉は暗礁に乗り上げている。
AGの申し立てに基づき行われた州高裁における審理で、抗議活動グループを除くAG、州政府、連邦政府等全関係者は、当該暴動を非難するとともに、同港建設工事の再開を強く求めた。
州政府を代表して審理に臨んだJ.R.・アニル食糧大臣は、抗議活動グループに“厳しく対応”していくとも宣言している。
これに対して、ペレイラ司教総代理は、“(環境及び漁業生活破壊行為に反対する)当初からの抗議活動を止めることはない”とした上で、“11月27日の衝突に至った詳細調査を求める”と主張した。
なお、地元警察の発表によると、デモ隊参加者は3千人余りで、彼らの破壊行為で被った警察署や警察車両の損傷被害は1千万ルピー(約1,700万円)に及ぶとしている。
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