豪州首相、7年振りに訪中【欧米メディア】(2023/10/23)
10月22日付GLOBALi「
NZ;6年振り返り咲きの保守連立政権、親中政策に転換」で報じたとおり、中道右派・保守政党のNZ国民党が直近の総選挙で大勝し、6年振りに政権返り咲きを果たすことになったが、前回政権時の政策に倣って、親欧米路線ではなく親中政策に舵を切る見込みである。そうした中、2022年に政権を奪取した豪州労働党の首相も、7年振りに中国詣でをすることになった。
10月22日付米
『AP通信』、欧米
『ロイター通信』、豪州
『Skyニュース豪州』等は、2022年に政権を奪取した豪州労働党の首相が、前保守連立政権より政策転換して中国寄りの外交を展開するとの思惑どおり、7年振りに訪中することになったと報じている。
アンソニー・アルバニージー首相(60歳、2022年就任)は10月22日、11月4~7日に中国を公式訪問し、習近平国家主席(シー・チンピン、70歳、2012年就任)及び李強首相(リー・チャン、64歳、2023年就任)と会談すると発表した。...
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10月22日付米
『AP通信』、欧米
『ロイター通信』、豪州
『Skyニュース豪州』等は、2022年に政権を奪取した豪州労働党の首相が、前保守連立政権より政策転換して中国寄りの外交を展開するとの思惑どおり、7年振りに訪中することになったと報じている。
アンソニー・アルバニージー首相(60歳、2022年就任)は10月22日、11月4~7日に中国を公式訪問し、習近平国家主席(シー・チンピン、70歳、2012年就任)及び李強首相(リー・チャン、64歳、2023年就任)と会談すると発表した。
同国首相の訪中は、前保守連立政権の首相が2016年に訪問して以来となるが、今回の同首相訪問は、主に中国向け主要輸出産品である豪州ワインへの不当関税賦課問題是正にあるとする。
同首相は、前政権が推進していた、中国対峙を念頭のインド太平洋地域における安全保障強化についてジョー・バイデン大統領(80歳、2021年就任)と協議するため、10月22日から訪米することになっている。
同首相としては、同盟関係にある米国とは、政権が替わったからと言って、AUKUS(2021年発足の豪州・米国・英国の軍事同盟)等を反故にしたりせず、連携維持・強化が必要と明確に考えているものの、米国による対中経済制裁に与することは避けたい意向とみられる。
すなわち、同首相は、中国側が10月21日、“ワイン関税に関する中国の政策を今後5ヵ月間で見直すことに合意”したことを評価し、今回の訪中に繋がったとしている。
同首相は、“豪州の主要輸出産品であるワインが、最大の市場である中国向けに復活できるとの確信が高まった”とし、“ワイン産業に10億豪州ドル(6億3,100万ドル、約947億円)以上の売り上げをもたらすことになろう”と強調している。
かかる中豪関係の改善の背景には、2022年12月のペニー・ウォン外相(54歳、2022年就任)による豪州外相としての4年振りの公式訪問、更には、今年10月初めに3年間勾留されていた中国系豪州人ジャーナリスト成蕾氏(チェン・レイ、48歳、2012~2020年に中国国営英語ニュースチャンネルCGTNキャスターだった際、中国国家転覆罪等の容疑で逮捕)の解放があったとみられる。
なお、同首相は中国首脳と会談後、上海で開催される第6回中国国際輸入博覧会(注後記)を視察する予定である。
一方、同首相は訪中後、すぐさま米国にとんぼ返りして、11月15~17日にサンフランシスコで開催される環太平洋経済連携会議(APEC、1989年設立)に出席する。
(注)中国国際輸入博覧会:中国政府が輸入拡大に向けて行われる、輸入をテーマとする展示会。会場は、上海市青浦区にある国家会展中心。2017年5月、習近平国家主席が、一帯一路国際協力サミットフォーラムにて開催を提唱したもので、第6回博覧会は11月5~10日の間に開催される。
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レゴ、使用済ペットボトルを利用したブロックを断念(2023/09/25)
世界最大の玩具メーカー「レゴ」は、数年前からリサイクル素材を使ったブロックの開発を行っててきたが、トータルでみると炭素排出量を増やすことになるためこれを断念したという。
9月25日付
『Yahooニュース』(PAメディア):「レゴ、リサイクルボトルからブロックを作るプロジェクトを中止」:
デンマークの玩具大手「レゴ」は、新たな材料を作ることが炭素排出を増やすことになるため、リサイクルしたペットボトルからブロックを作るプロジェクトを中断するという。
同社は2021年、リサイクルしても質が劣化しないとされているPETプラスチック(ポリエチレンポリエチレン・テレフタレート)をブロック製造に利用すると発表していた。...
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9月25日付
『Yahooニュース』(PAメディア):「レゴ、リサイクルボトルからブロックを作るプロジェクトを中止」:
デンマークの玩具大手「レゴ」は、新たな材料を作ることが炭素排出を増やすことになるため、リサイクルしたペットボトルからブロックを作るプロジェクトを中断するという。
同社は2021年、リサイクルしても質が劣化しないとされているPETプラスチック(ポリエチレンポリエチレン・テレフタレート)をブロック製造に利用すると発表していた。成功すれば、この素材は現在ブロックに使用されている石油由来のABS樹脂の代替材料となるはずだった。
だが、PETプラスチックの利用には新たな設備が必要となることから、製品寿命を考慮すると炭素排出量が現状より増えると判断された。代わりにABS樹脂のカーボンフットプリントの改善に努める意向だという。
サステナビリティ担当部長のティム・ブルックス氏は、「プラスチックのリサイクルにより、加工と乾燥に使われるエネルギー消費が増えることに加え、安全性と耐久性をもたせるため更に必要な材料が出てくる。バイクを鉄ではなく木から作るようなものだ」としている。
9月24日付米『フィナンシャル・タイムズロイター通信』:「レゴがサステナビリティを考慮した非石油由来ブロック開発を中止」
レゴが、炭素排出量が上がるとの理由から、注目の石油系素材利用廃止プロジェクトの中止を発表した。サステナビリティを追求する企業のジレンマが見て取れる。
世界最大の玩具メーカーは2年前、ABS樹脂ではなくリサイクルPETボトルを使ったブロック試作を行った。ABS樹脂は年間数10億ピース製造されるブロックの80%に使用されている。
当初は2030年までに、20数種の石油由来系プラスチックの全面廃止を目標とし、2018年には石油由来のポリエチレンを木材などの植物由来のプラスチックに替え始めた。
また、2025年を目処に、リサイクル不可のレジ袋の廃止も視野にしていた。
レゴのティム・ブルックスCEOは、「リサイクルポリエステル(rPET)はABS樹脂より柔らかいため現存するプラスチックの耐久性と安全性に近づけるためには更に複数の材料が必要となる。製造環境を整え、工場の全てを変更しなければならない。それにより、カーボンフットプリントが増える結果となるのは残念」だとしている。
同社は現在、ABS樹脂の構成成分に生物由来成分やリサイクル材料を取り込む取り組みを行っている。
炭素排出量としては2032年までに2019年比37%減目標とし、サスティナブルな素材のみで製造することを目標とし、2025年までにサステナビリティ関連費を現在の3倍の30億ドルに増やす予定。
また各国で子ども部屋で使われなくなったブロックの再利用やリサイクルの推進にも取り組む。再利用プログラムは米国とカナダでスタートしており、来年は欧州でも開始される予定。
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