先週、任天堂と米ゲーム開発会社「Niantic Labs」(昨年グーグルから独立)が共同開発したスマートフォン用ゲームアプリ「ポケモンGO」が、米国、オーストラリア、ニュージーランドのみで先行リリースされ、わずか数日で絶大な人気を博し話題となっている。20年間来の人気のアニメ「ポケモン」を使ったこの無料アプリは、スマートフォンの位置情報(GPS機能)を活用し、プレーヤーは実際の道路を歩きながら現実世界でポケモンを捕まえたり冒険したりできる。先行リリースの国では、アクセスが集中してサーバに障害が起きたり、個人情報の管理や不適切な場所でゲームをするなどの問題が起きている。それらへの懸念から日本を含む世界でのリリースが遅れており、リリースが待たれる国では偽アプリも登場。一方、リリースから2日間で数百万人がダウンロードしランク1位に輝き、750万ドルのアプリ内課金で任天堂の株価上昇を巻き起こした。
7月11日付米
『ウォールストリートジャーナル』は「ポケモンを探す利用者が任天堂株価押し上げる」との見出しで次のように報道している。
・日本のビデオゲームメーカーの初の携帯ゲームのヒット作で、任天堂の時価総額が数日で90億ドルアップとなった。リリースから数日でスマホアプリのダウンロード1位となったが、プライバシーと安全問題が懸念されている。月曜任天堂の株価は25%上昇、任天堂の業績回復につながると期待される。
12日付
『ロイター』は「米上院議員がポケモンGOのメーカーをデータの個人情報問題で調査」との見出しで以下の様に報道している。
・民主党ミネソタ州のアル・フランケン上院議員が火曜、大量のユーザーデータを抽出していると疑われる個人データ保護問題調査のため、任天堂「ポケモンGO」のソフトのデベロッパー「ナイアンティック」のジョンハンケCEOへ抽出した個人情報の種類、利用方法、第三者への情報提供の有無を尋ねる手紙を送った。
・同氏は同社に対し、「拡張現実空間」市場が広がる中、特に若者ユーザーの個人情報の安全性問題への取り組みを明確にする事を求めていると述べる。同社はまだ未回答。
7月12日付
『ロイター』は「ポケモンGOが米ホロコースト記念博物館で使用禁止に」との見出しで以下の様に報道している。
・米ホロコースト記念博物館は、ナチズムの犠牲者に対し「大変不適切」とし敷地内でのポケモンGOの使用を禁止を通達した。ゲーム持ち込み禁止を検討している。
・ネット上に投稿され写真では、歩きスマホで博物館の外にあるヘレナルビンスタイン講堂(ガス室から生還したユダヤ人の体験を展示)にキャラクターがいて、多くの人が衝撃を受けた。
・同館広報部によると、同博物館は訪問者の携帯電話使用を許可し、展示物を共有し知ってもらうことを推奨している。「技術は大切な学びのツールだが、この(ポケモン)ゲームは当館の教育的趣旨に反している」とする。
7月12日付仏
『フランス24』(AFP通信)は「ドイツの病院はポケモンゲーム禁止」との見出しで以下の様に報道している。
・アムステルダムの大学病院は「当院には病気のポケモンが入院しているが、ケアは万全のためお見舞いはお断りします」とツイッターで発信。
・病院内では、ゲームに夢中で、携帯片手に「立ち入り禁止区域」に立ち入ったり、滅菌処理された衣類が保管される子ども用プログラムに使用される地下に立ち入ったユーザーもいる。
・ドイツ鉄道を運営するProrailは、モンスター探しで線路に立ち入った人が数人発生した後、任天堂に対しゲームの変更を要求する通達を行った。
・ドイツの公営放送のキャスターは、個人宅の写真を携帯電話で撮られたとして警察に数件の苦情が寄せられたと述べた。被害者は最初強盗目的かと思ったという。
・ゲームのダウンロードに殺到しサーバーが落ちる等、人々の当ゲームへの不満が募っており、多くの国でゲームのリリースを遅らせようという動きもある。
12日付濠
『サンデーモーニングヘラルド』は「オーストラリアのユーザーがポケモンGOにストレス」との見出しで以下の様に報道している。
・火曜午前8時頃、人気の現実空間ゲーム「ポケモンGO」にユーザーのアクセスが殺到しサーバーが停止。午後2時半までアプリを開けず、ソーシャルメディア上では多くの不満の声が寄せられた。
・豪州ユーザーは英国に原因があるという。ゲームを別のサーバーを使ってダウンロードしようとした英国市民がシステム障害を招いたと非難した。
12日付米
『CNN』は「ポケモンGOが待ち遠しく世界的リリース前に自作」との見出しで以下の様に報道している。
・ゲームのリリースが待ちきれないユーザー予備軍は、クローンアプリで我慢しようとしている。「みんな捕まえろGo!」と名付けられた偽のポケモンアプリが現在カナダのiTunesストアで無料アプリランキングで1位になっている。
・中国でも別のクローンアプリ「シティ・スピリットGO」が1位、上記のアプリが3位となっている。
・任天堂及びポケモンの本家、日本のファンは、ポケモンが生息地に帰還するのを待ちわびており、任天堂の岩田 聡元社長の命日である今月11日にリリースとの噂が流れていた。ナイアニック社アジア統括マーケティングマネージャーの須賀氏もお詫びのツイートを出したが、「日本国外で先行リリースするとはマーケティング手法に染まりすぎ」、等と却って怒りの反応を呼んだ。
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6月21日ソフトバンクはアローラ副社長が退任すると突然発表した。アローラ氏は孫社長が2年前に自分の後任含みで米グーグルから引抜き、孫社長自身が60歳になる来年8月には社長を譲ると公言していたため、発表が株主総会の前日に行われたことを含めて退任は世界を驚かせた。昨日の株主総会で孫社長の続投については、出席した株主や同社の取締役に名を連ねるカリスマ経営者仲間の柳井ファーストリテイリング社長、永守日本電産社長の支持を得たようであるが、メディアは海外も含めてクールに反応しているようだ。
6月21日付
『ニューヨークタイムズ』は、「退任後ソフトバンクは創業者の強い舵取りの下へ」という見出しで、日本のハイテク・通信複合企業のソフトバンクは就任後2年も立っていないアローラ氏が退任することにより後継者を失った。後継問題の混乱はソフトバンク及びその行動的創業者の動きをますます読み辛くしたと報じた。ソフトバンクの将来は孫社長の一手に握られていることだけは確かだと報じている。
6月22日付
『ブルームバーグビジネス』は、「アローラ氏の退任は日本株式会社の後継問題に再び焦点を当てる」という見出しで、ソフトバンクグループの後継者と目されていたアローラ氏の突然の退任は、日本の会社が抱える後継者への経営移譲という問題を浮彫にしたと報じた。大塚家具の親子喧嘩、セブン&アイホールディングスの鈴木社長の退任劇、燃費不正問題を機に最高経営責任者(CEO)の地位を譲ったスズキ、一旦社長を交代してまた復帰したファーストリテイリングの柳井社長の例を上げて、日本における後継者問題の難しさを伝えている。
6月22日付
『ウォールストリートジャーナル』は、「ソフトバンク・アローラ社長突然の退任」という見出しで退任を報じた。2年間で2億8百万ドルという世界でも最高レベルの
報酬を得ていたアローラ氏については、行った投資の成果について強い批判も受けていたと報じている。
6月22日付英国
『メールオンライン』(ロイター通信引用)は、「ソフトバンク創業者の社長継続案喝采を得る、後継者退任にはクールな反応」という見出しで、同社株主総会での株主の反応を報じた。投資した事業の先行きは不透明であり、後継者問題が振り出しに戻ったので、孫社長は同社の中長期的なビジョンを再度示す必要があるというアナリストのコメントを伝えている。
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