ロシアの更なる孤立:バルト海諸国評議会を脱退(2022/05/18)
ロシアは17日、バルト海地域の協力のための国際組織であるバルト海諸国評議会を西側が事実上独占しているとし、バルト海諸国評議会を脱退すると発表した。
米
『ウォールストリート・ジャーナル』によると、ロシア外務省は脱退の理由として、「バルト海諸国評議会の状況は悪化している。NATOとEUの加盟国は、対等な対話とこのバルト海地域機構が作られた時の原則を拒否し、徐々に反ロシア政策の道具に変えている」と説明している。
デンマーク、エストニア、フィンランド、ドイツ、アイスランド、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、ポーランド、スウェーデン、および欧州委員会からなる評議会のメンバーは、モスクワのウクライナに対する「いわれのない違法な戦争」は組織の価値と原則に反するとして、3月初旬にロシアの加盟停止を採択した。...
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『ウォールストリート・ジャーナル』によると、ロシア外務省は脱退の理由として、「バルト海諸国評議会の状況は悪化している。NATOとEUの加盟国は、対等な対話とこのバルト海地域機構が作られた時の原則を拒否し、徐々に反ロシア政策の道具に変えている」と説明している。
デンマーク、エストニア、フィンランド、ドイツ、アイスランド、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、ポーランド、スウェーデン、および欧州委員会からなる評議会のメンバーは、モスクワのウクライナに対する「いわれのない違法な戦争」は組織の価値と原則に反するとして、3月初旬にロシアの加盟停止を採択した。1992年に設立されたこの組織は、社会の安全保障、持続可能性、研究・革新、人身売買対策などのテーマを扱ってきた。
パリ政治学院の政治研究センターの事務局長フローラン・パルマンティエは仏ラジオ局『RTL』の取材に対し、ロシアはどのような問題に対しても、もはやヨーロッパと協力する必要はないと考えていることを示している、と述べた。「バルト海沿岸諸国協議会からの脱退は、関係を断ち切りたいという意思を示すが、インパクトとしてはあまり大きくない。さらに、この撤退は、ロシアがウクライナで始めた戦争に続くものであり、フィンランドとスウェーデンがNATOに接近することを望んだからでもある。しかし、ロシアは、NATO加盟国に囲まれているだけで、自国の存在はもはや不可欠でも重要でもないと考えている。」
パルマンティエ氏は、「評議会は、安全保障問題、組織犯罪、経済問題、政治、原子力安全などに関する地域協力プロジェクトや作業部会に各国を参加させることを目的としていた。ロシアが脱退したことで、この評議会の重要性は下がる。残りの国はアイスランドを除いてすべて欧州連合に加盟しており、10番目のメンバーは欧州委員会だからだ。したがって、すでに協力し合っているメンバーである。」と指摘している。
また、「バルト海諸国評議会にはオブザーバー国もあり、例えばフランスは数年前により緊密に関わることを求めた。その他にも、イギリス、ウクライナ、アメリカなどがいるが、連絡を取り合う別ルートを持っている。だから、組織としての評議会は、今日、その存在意義を一部失った。」と述べている。
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ウクライナ危機、小麦が争点に(2022/02/24)
穀物と肥料において世界の主要輸出国であるロシアとウクライナの間で紛争危機が強まっていることにより、世界の穀物市場に多大な影響を及ぼす可能性が懸念されている。
仏ラジオ放送局
『RTL』は、ウクライナ危機によるエネルギー価格、特にロシアから供給されるガス価格に与える影響について懸念の声が上がっている一方で、穀物への影響についてあまり報道されていないと伝えている。しかし、ウクライナとロシアは世界有数の穀物生産国であり、特にウクライナは「ヨーロッパの穀倉地帯」とも呼ばれている。しかし、主な生産地は、プーチンが併合する可能性のある東部の土地にある。
紛争地域であるドンバス地方は、小麦やトウモロコシが育つ肥沃な平原地帯で、ウクライナの小麦の40%を生産している。...
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仏ラジオ放送局
『RTL』は、ウクライナ危機によるエネルギー価格、特にロシアから供給されるガス価格に与える影響について懸念の声が上がっている一方で、穀物への影響についてあまり報道されていないと伝えている。しかし、ウクライナとロシアは世界有数の穀物生産国であり、特にウクライナは「ヨーロッパの穀倉地帯」とも呼ばれている。しかし、主な生産地は、プーチンが併合する可能性のある東部の土地にある。
紛争地域であるドンバス地方は、小麦やトウモロコシが育つ肥沃な平原地帯で、ウクライナの小麦の40%を生産している。ウクライナは世界第4位の穀物輸出国であり、この地域に関する不確実性から世界価格はさらに上昇し、小麦1トンが270ユーロ(約3万5千円)と数週間で20%も上昇した。この緊張状態は、世界最大の小麦輸出国であるロシアに対する経済制裁でも続きそうである。東欧の干ばつやフランスの大雨による不作で価格は昨年からすでに上昇していた。幸いなことに、南米が豊作となっている。しかし、ウクライナでの紛争が食料価格に与える影響を制限するためには、フランスなど他の生産国での、穏やかな天候と豊作を頼りにしなければならない。
仏紙『ルフィガロ』によると、フランスの多数派組合である農業経営者連盟FNSEAのクリスティアン・ランベール会長は、ロシアとウクライナの紛争でヨーロッパ諸国が発表した制裁措置は、ロシアからの報復措置が懸念されるとして、フランス農業にとって「大きな懸念材料」だと述べている。「ロシアに対する金融制裁は、欧州製品、中でも最も重要な農産物に対する報復の大きなリスクを生む」という。ランベール会長は、2014年にクリミア併合を受けてEUがロシアに制裁を加えた際、「農業はプーチン大統領が最初に狙った分野だった」と説明している。ロシアの食糧禁輸は、当時、主に「牛乳、チーズなどすべての乳製品」に適用されていた。そして今に至るまで、制裁以前のロシアに対する輸出量を取り戻すことができないでいるという。ランベール会長は、「プーチンはあの時の機会を利用して食料主権を取り戻した。「プーチンは外交を駆使して農業生産資本を再建した。もちろん農業にとって、これは大きな関心事である」と述べている。
また、ランベール会長は、すでに1年間で90%も値上がりしている肥料のさらなる高騰を危惧している。「肥料を作るにはガスが必要であり、プーチンはガスの蛇口を握っている」と強調し、農業食品産業の生産価格に「紛れもない」影響を及ぼすと警告している。
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