フランス、新型コロナウイルスの影響で平均寿命が0.5年ほど減少か
フランス国立統計経済研究所(INSEE)は15日、2020年は2019年よりも5万4000人多い死亡者数を記録したと発表した。新型コロナウイルスが影響していると見られる超過死亡によって、フランス人の平均寿命も6ヵ月ほど減少している。
フランス国立人口学研究所(INED)の研究ディレクターであるローラン・トゥルモン氏は、統計結果について
『LCI』のインタビューで次のように述べている。「フランスでの明白な死亡率の上昇は、紛れもなくコロナウイルスが原因だ。INSEEによると、フランスでは前年は61万3243人だったのに対し、2020年は66万7000人が死亡した(5万3757人増)。この増加分のうち、6,000人は人口の高齢化による予測されたものである。...
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フランス国立人口学研究所(INED)の研究ディレクターであるローラン・トゥルモン氏は、統計結果について
『LCI』のインタビューで次のように述べている。「フランスでの明白な死亡率の上昇は、紛れもなくコロナウイルスが原因だ。INSEEによると、フランスでは前年は61万3243人だったのに対し、2020年は66万7000人が死亡した(5万3757人増)。この増加分のうち、6,000人は人口の高齢化による予測されたものである。平均寿命の低下の原因となる残りの4万7000人の増加は、ほとんどがコロナウイルスによるものである。」
『レゼコー』によると、フランスで確認された2020年の死亡者数は、平時に記録された過去最高の数字になるという。そして死亡者数の増加は、フランス人の寿命にも影響を与えている。男性の出生時平均寿命は79.2歳と半年分減少しており、2014年の水準に戻っている。女性は平均寿命が85.2歳と5ヵ月弱減少した。これは1960年代以降では最大の平均寿命の低下になる。特に冬のインフルエンザの流行がひどかった2015年の2倍以上の低下となっている。
フランスでは昨年3回ほど、1日の死亡者数が2000人を超えた。これは、新型コロナウイルスが最も流行した3月、4月、11月の時期にあたる。また、2020年の死亡率の上昇は、65歳以上の人々の間でのみ確認されていることも、新型コロナウイルスが死亡増の主な原因であることを示している。他の年齢層では、死亡者数の大幅な増加は見られず、25歳から49歳までの人の死亡者数は、2019年に比べて1%減少しており、25歳以下では6%まで減少している。この減少は、2回のロックダウンとテレワークの導入により外出が減り、交通事故などが減少したためだと見られている。
INSEEは、超過死亡者についてヨーロッパ全体で見てみると、2016-2019年の平均と比較して、2020年3月と4月のパンデミックの第一波における全死因による死亡者数の超過は、フランス(28%)よりもスペイン(70%)、イタリア(47%)、イギリス、ベルギー(43%)の方が高いと指摘している。
『RTL』によると、米国ではさらに数字が高くなっており、平均寿命が2~3年低下している。最も顕著な例は、スイスのティチーノ州であり、新型コロナウイルスの第一波の影響で男性の平均寿命が6年低下した。イタリアのロンバルディア地方でも同じ現象が起こった。
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フランス調査結果、孤立した暮らしをするフランス人が増加
フランス財団が4日に発表した調査結果によると、700 万人以上のフランス人が「孤立」して生活しており、社会的関係はたまにしか持てていないことが明らかになった。同財団は、若者の間でも広がりつつある「孤立」の増加を懸念している。
仏
『ルポワン』は、フランス社会に悪いものが広がりつつあると報じている。4日に発表されたフランス財団の「孤立」に関する第10回年次報告書によると、「フランスにおける孤立した人は、2010年には9%の人に当てはまったのに対し、現在では14%となっており、過去10年間で増加している」ことが判明した。
「孤立した」人とは、家族、友人、近所の人、仕事の同僚、またはコミュニティネットワークの知人などと、面と向かっての接触機会をほとんど持たず、せいぜい、年に数回という人を指す。...
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仏
『ルポワン』は、フランス社会に悪いものが広がりつつあると報じている。4日に発表されたフランス財団の「孤立」に関する第10回年次報告書によると、「フランスにおける孤立した人は、2010年には9%の人に当てはまったのに対し、現在では14%となっており、過去10年間で増加している」ことが判明した。
「孤立した」人とは、家族、友人、近所の人、仕事の同僚、またはコミュニティネットワークの知人などと、面と向かっての接触機会をほとんど持たず、せいぜい、年に数回という人を指す。なお、世帯員は考慮に入れていないため、一人暮らしでなくても孤立した人となる可能性がある。
15歳以上の3,000人を対象に行ったこの調査によると、高齢者や裕福ではない人々が最も孤立しているものの、孤立は、若い世代を含む人口の全カテゴリーに広まりつつあることが確認された。2020年、18歳から29歳の13%が孤立していると回答したのに対し、10年前はわずか2%だった。
フランス財団代表のアクセル・ダヴザック氏はラジオ局「RTL」のインタビューで、若者世代での孤立の急増は、「デジタルなつながりは他の人と面と向かって会うことと取って代わるものではない」ことを示しているとコメントしている。
ダヴザック氏はまた、農村地域の若者が住宅、雇用、移動手段を手に入れようとする際に直面する困難についても言及している。「多くの若者は、家、村、住んでいる場所を離れる手段を持ち合わせていない」状況の中、「他の人の視線がひどいため、自分のうちに閉じこもっていく」とし、「SNSがあるがゆえに、友人を持つことや関係性を持てるネットワークに属することがより重要になっている」と指摘している。
『ロシアトゥデイ』によると、全世代を通して、「不信感や疑いが広がっている」ことも明らかになった。調査対象者のうち、「一般的に他の人を信頼することは可能」だと回答した人は33%にとどまり、2012年に比べて13ポイント減少している。
最初のロックダウン以前にすでに孤立していた人たちは、人口全体よりもロックダウンの影響をあまり受けなかったことも判明した。以前から孤立していた人の24%は、ロックダウンによる社会的交流の欠如に特に影響を受けなかったと回答している。孤立していない人は9%だった。
『ウエストフランス』によると、この孤立の影響を最も受けやすい年齢層は高齢者となっており、3人に1人が孤独な状況にあるという。フランス財団は、高齢者の3分の1がご近所との関係のみを持っているが、ご近所関係は年々弱くなる傾向にあるとも指摘している。
また、高所得者の間でも、2016年から2020年の間に、孤立して暮らす人の割合が6%から11%に増加している。2020年、フランス人全体の22%が1つのネットワークだけで持続的な関係性を持っていると回答したが、ネットワークは、事故や死亡、離婚、解雇、病気などでなくなってしまう可能性もあるため、フランス人全体が壊れやすい社会的関係性の中で暮らすようになっている。
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