フランス、夏休みの3密対策にキャンピングカーの購入が急増
新型肺炎が世界で猛威を振るい、人の移動が自粛や渡航制限で激減した。その影響で、フランスの観光産業も打撃を受けているが、キャンピングカー業界だけは、逆に前例のない売り上げの成長を経験している。販売だけでなく、レンタルも爆発的な売り上げの伸びを見せており、今年の夏は「安全」を売りにしている休暇に人気が集中している。
仏
『RTL』は、キャンピングカーはこの夏の真のスターだと報じている。販売とレンタルが大幅に増加しており、夏の間中、フランスの道路でこのキャンピングカーを見かけることになるだろうと予測している。
外出制限が解除された5月11日以降、新しいキャンピングカーが3,500台販売された。新車の場合、平均価格は45,000ユーロ(約540万円)とけっして安くはない。そのため、レンタルも人気を集めており、レンタル会社では予約が50%増となっているという。...
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『RTL』は、キャンピングカーはこの夏の真のスターだと報じている。販売とレンタルが大幅に増加しており、夏の間中、フランスの道路でこのキャンピングカーを見かけることになるだろうと予測している。
外出制限が解除された5月11日以降、新しいキャンピングカーが3,500台販売された。新車の場合、平均価格は45,000ユーロ(約540万円)とけっして安くはない。そのため、レンタルも人気を集めており、レンタル会社では予約が50%増となっているという。
これまでキャンピングカーでのバカンスを考えたことのなかった若い家族層が、この業界に目を向け始めたと見られており、キャンピングカーならではの、3密を避けた安全な環境での宿泊や食事や移動ができることが魅力となっている。
仏『フランス3』によると、キャンピングカー業界は2ヵ月間のロックダウン時に経験した業績不振を取り戻す勢いで、今売り上げが伸びているという。
こうした売り上げの伸びに対し、通常は売上高の40%を占める春の見本市や展示会での販売が、その時期に外出が出来なかった顧客たちが購入していることで埋め合わせになっているという見方がある。
しかし、業界関係者の中では、これはただの時期のずれではないという印象も強い。キャンピングカーでの休暇は、接触相手が家族に限定され、感染リスクを避けて過ごすことが出来るという魅力があり、今年購入を決断した顧客が多くいるという。
『フランス アンフォ』によると、あるキャンピングカーの販売店では、売り上げが前年の4倍に達しており、より若い世代の家族による購入が増えているという。シャワーやミニキッチンなど、設備の充実しているキャンピングカーは、従来フランス人にとって年配層の休暇の楽しみ方、というイメージがあったが、コロナ禍でそのイメージが変化したという。
キャンピングカーのメーカーも注文が殺到しており、キャンピングカー業界は、観光産業の不振とは無縁となっている。
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スウェーデン、新型コロナウイルスの集団免疫戦略で死者4000人超える
新型コロナウイルスの感染防止のために独自のソフト対策をとってきたスウェーデン。25日、累計して4,000人以上が死亡し、そのうちの90%が70歳以上であると発表された。
『ヨーロッパ1』によると、人口1,030万人のスウェーデンでは、感染者は33,843人、死亡した人は4,029人にのぼる。
ヨーロッパ諸国の厳格な外出制限とは対照的に、スウェーデン政府は国民に対し外出制限を設けず、保育園、小学校と中学校は授業を継続させた。また、カフェ、バー、 レストランや企業には、社会的距離の推奨事項を順守し、国民一人一人に「責任を取る」よう求めた。
同国の公衆衛生局は、他の国で取られた厳格な措置は、社会全体への影響を考慮すると効果が低すぎると考え、長期的にはより妥当だと思われる独自のソフト対策を選択した。...
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『ヨーロッパ1』によると、人口1,030万人のスウェーデンでは、感染者は33,843人、死亡した人は4,029人にのぼる。
ヨーロッパ諸国の厳格な外出制限とは対照的に、スウェーデン政府は国民に対し外出制限を設けず、保育園、小学校と中学校は授業を継続させた。また、カフェ、バー、 レストランや企業には、社会的距離の推奨事項を順守し、国民一人一人に「責任を取る」よう求めた。
同国の公衆衛生局は、他の国で取られた厳格な措置は、社会全体への影響を考慮すると効果が低すぎると考え、長期的にはより妥当だと思われる独自のソフト対策を選択した。
その結果、スウェーデンの新型コロナウイルスによる死亡率は100万人あたり399人となった。スペインの615人、イギリスの542人、フランスの435人に比べると低いものの、ロックダウン(都市封鎖)措置をとった隣国ノルウェーの43人、デンマーク97人、フィンランドの56人と比べるとはるかに高い。
ただし、スウェーデン公衆衛生局の感染症専門家のアンダース・テグネル氏は、数値の比較は慎重に行う必要があると強調している。スウェーデンは、他国と異なり、新型コロナウイルスと診断された後30日以内に死亡した人は、実際の死因に関係なく、新型コロナウイルスによる死亡としてカウントされているためだ。
『RTL』によると、ステファン・ロベ-ン首相は12日、老人ホームの状況が適切に管理されていなかったことを認めた。モンテーニュ研究所のアリス・ボードリー氏は、スウェーデンは「高齢者の外出制限の勧めや、老人ホームへの訪問禁止の措置が非常に遅れた」と述べている。国内でのウイルス蔓延の原因として「貧困地域と高齢者への対応の遅れ」があげられると主張している。
国内の報道でも同様のことが指摘されているという。一人住まいが一般的で、既に在宅勤務が一般化しているストックホルムとは逆に、首都から遠く離れた貧困地域では、移民が多く、新型コロナウイルス感染者は、こうした高密度の住宅と経済的不安定な家庭が集まる貧困地域の住民が大きな比率を占めているという。
5月12日から19日にかけて、人口比の死者数がヨーロッパの中で最も高い国となったスウェーデン。ヨーロッパ諸国が経済活動の再開に向けて制限解除に踏み出していく中、政府は、国が孤立してしまうことを懸念し始めているという。
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