フランス大統領選、従来のメディアのオンラインプラットフォーム活用が急増(2022/04/07)
4月10日に大統領選挙の投票日を迎えるフランス。仏経済紙
『レゼコー』は、従来の放送局が、Twitch、YouTube、TikTok、Instagramなど、オンラインプラットフォーム上で政治を扱う動画や番組が増殖していることから、視聴者獲得のためにこれまでにない対応に迫られていると報じている。
フランスでは、テレビの視聴者が減少している一方で、ソーシャルネットワークとオンラインプラットフォームが避けて通れない情報伝達の通路になっている。ロイター・インスティチュートによると、フランス人の主な情報源は依然としてテレビだが(2021年には68%)、ソーシャルネットワークは8年前の20%未満から38%に上昇している。
こうした中、従来のメディアも取り残されることなく、ソーシャルネットワークを活用する動きが活発化している。...
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フランスでは、テレビの視聴者が減少している一方で、ソーシャルネットワークとオンラインプラットフォームが避けて通れない情報伝達の通路になっている。ロイター・インスティチュートによると、フランス人の主な情報源は依然としてテレビだが(2021年には68%)、ソーシャルネットワークは8年前の20%未満から38%に上昇している。
こうした中、従来のメディアも取り残されることなく、ソーシャルネットワークを活用する動きが活発化している。新聞社、ラジオ局、テレビ局は、大統領候補者同様に、FacebookやInstagram、あるいはTikTokに投資しているという。オンラインプラットフォームに番組を設けたり、候補者たちのインタビュー動画などを配信したりしている。
メディアはTwitchへの政治コンテンツを増やしているものの、視聴者はまだ芽生えたばかりだという。Twitchはこれまでビデオゲームが主流だったライブビデオストリーミングプラットフォームであったこともあり、政治をフォローしているのは世界中で15万人にとどまる。これに対し、ゲームのFortniteは約8200万人のフォロワーを持っている。一方、短い動画に特化したアプリのTikTokは、視聴者が若いものの伝統的なメディアにとっては大統領選において重要な媒体となっている。Tiktokを活用したおかげで急激に認知度が上がった大統領候補者もいる。
25歳のジャーナリスト、ヒューゴ・トラベースさんは、YouTubeに大統領候補者のインタビュー動画を配信し、TikTokでは様々な候補者の1分間インタビューを掲載するなど、様々なメディアで情報を発信している。YouTubeチャンネル登録者数は58万1千人に及び、ニュースチャンネルのLCI(45万3千人)やフランスアンフォ(38万3千人)よりも多い。ただし、ウェブメディアは、テレビで放映されたニュースや番組から抜粋したものを発信していることが多く、こうした面からテレビはまだ主要な流れを作る力を維持しているとも言える。
一方、各種メディアがオンラインプラットフォームで情報発信に力を入れる中、2022年の大統領選挙は、かなり高い投票の棄権率が予想されている。仏日刊紙『ルモンド』は、選挙戦がこれほどフランス人にインパクトを与えないことも珍しいと伝えている。投票日5日前の時点で、大統領選への関心度は75%と2017年より7ポイント下がっており、関心度合いが0から10点満点中で9点あるいは10点とする人は50%にとどまった。
感心の低さにはいくつかの理由があげられるという。世論調査では、「心配」「不安」「疲れ」はそれぞれ47%、45%、40%、「希望」は28%、「自信」17%が持っていると回答した。「怒り」は17%、「拒絶」は14%が選択した。こうした結果から国民は明らかに不満を持っていることが分かる。しかし、こうした不満が人々に投票しようという意思を持つまでの動員力として働いていない。パンデミックで、国民の関心を引くような議論が行われてこなかったことが挙げられる反面、フランス人は今、コロナ後の家族との娯楽を優先したい気持ちが強いとも見られている。さらには、ロシアのウクライナ侵攻に多くのフランス人が衝撃を受け、国内選挙への関心が薄まってしまったことが挙げられる。
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フランス、2022年から野菜や果物のプラスチック包装を廃止(2021/10/11)
フランスで2022年1月1日より、多くの野菜と果物のプラスチック包装が禁止される。どの食品が1月から対象となるのか、そのリストが公開された。
仏ニュースサイト
『ル・テレグラム』によると、2022年1月1日からは、2020年に制定されたた循環経済法により、プラスチックを使った野菜や果物の包装を禁止する政令が施行される。違反した場合には、最大1万5千ユーロ(約200万円)の罰金が科せられる。なお、有機農の野菜や果物も対象となっている。
野菜でプラスチック包装が禁止されるのは、ネギ、ズッキーニ、ナス、ピーマン、キュウリ、ジャガイモ、ニンジン、トマト、タマネギ、カブ、キャベツ、カリフラワー、カボチャ、そして根菜類。...
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仏ニュースサイト
『ル・テレグラム』によると、2022年1月1日からは、2020年に制定されたた循環経済法により、プラスチックを使った野菜や果物の包装を禁止する政令が施行される。違反した場合には、最大1万5千ユーロ(約200万円)の罰金が科せられる。なお、有機農の野菜や果物も対象となっている。
野菜でプラスチック包装が禁止されるのは、ネギ、ズッキーニ、ナス、ピーマン、キュウリ、ジャガイモ、ニンジン、トマト、タマネギ、カブ、キャベツ、カリフラワー、カボチャ、そして根菜類。果物は、りんご、梨、バナナ、オレンジ、みかん、キウイ、レモン、グレープフルーツ、プルーン、メロン、パイナップル、マンゴー、パッションフルーツ、柿などである。
野菜や果物の中で、1.5kg単位で包装されているものや、バラで販売すると腐敗の恐れがあるものなどは、プラスチックフリーのパッケージが導入されるまでの期間限定の免除措置を受けられる。2023年6月30日まで免除される野菜と果物は、細長いトマト、長ネギ、カブの新種、トマトやブドウなどの小さな丸い果物、芽キャベツ、インゲン豆、桃、ネクタリン、アプリコットなどである。2024年12月31日までに免除される野菜と果物もある。サクランボ、クランベリー、ハーブ、ホウレンソウ、食用花、大豆、アスパラガス、ブロッコリー、きのこ類があげられる。
そして最後に、2026年6月30日まで免除される果物がある。ラズベリー、ストロベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、カラント、キウイ、ブラックカラント、エルダーベリー、スプラウト、熟した果物などである。
仏ニュースサイト『LCI』は、現在、青果物の37%がプラスチック包装されて販売されており、年間10~20億個の青果物がプラスチック包装されて販売されていると伝えている。フランス政府は2040年までに使い捨てプラスチックの廃止を目指しているが、フランス当局が依頼して行われたハリス・インタラクティブ社の調査によると、フランス人の91%がパッケージの削減を商品選びの基準としていることが明らかになった。
一方でフランス人の59%は、包装無しのバラ売りの食品を買うことはほとんどないと回答している。気候・レジリエンス法では、2030年までに中型及び大型スーパーでの包装なしのバラ売りを20%に上げるという目標が設定されているが、現在はまだ1~3%しか占めていない。フランス当局は11日より、循環型経済の利点をアピールする公共キャンペーンを展開していくことになっている。
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