ロシア憲法改正;異性間のみの婚姻規定より、LGBTQを推定させるとしてレインボーアイスクリームまで非難対象に【米・ロシアメディア】
7月4日に発効したロシア改正憲法は、ウラジーミル・プーチン大統領の長期続投が可能になったことが大きな話題になっている。ただこれ以外にも、国際社会から受け入れ難い条項がある。今回報道されたのは、ロシアで子供向けに販売されているレインボーアイスクリームが非難対象になっているとの話題で、それは改正憲法で、“婚姻は異性間のみ”と明記されたことから、LGBTQ(注1後記)推進を奨励していると取られると批判されたという。そこで、同大統領も早速実態調査に乗り出すと表明している。
7月7日付米
『ニューヨーク・デイリィ・ニュース』紙:「ロシアの“レインボーアイスクリーム”が同性愛を助長するとの非難の声に、プーチン大統領が実態調査を表明」
ロシアの有名な政治家がウラジーミル・プーチン大統領に対して、カラフルな色が売りで子供向けに販売されているレインボーアイスクリームが、改正憲法規定に反して、同性愛という思想を子供たちに植え付ける恐れがあると直訴した。
ロシア女性連合のエカテリーナ・ラホーバ代表で、7月3日に開催された同大統領との公開テレビ討論会で、“同アイスクリームの宣伝文句によって、子供たちがLGBTQを象徴する旗などに親しみを感じ易くさせる恐れがある”と訴えた。...
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7月7日付米
『ニューヨーク・デイリィ・ニュース』紙:「ロシアの“レインボーアイスクリーム”が同性愛を助長するとの非難の声に、プーチン大統領が実態調査を表明」
ロシアの有名な政治家がウラジーミル・プーチン大統領に対して、カラフルな色が売りで子供向けに販売されているレインボーアイスクリームが、改正憲法規定に反して、同性愛という思想を子供たちに植え付ける恐れがあると直訴した。
ロシア女性連合のエカテリーナ・ラホーバ代表で、7月3日に開催された同大統領との公開テレビ討論会で、“同アイスクリームの宣伝文句によって、子供たちがLGBTQを象徴する旗などに親しみを感じ易くさせる恐れがある”と訴えた。
同代表によれば、同アイスクリームには、“色々なカラーで彩られた自然なままのアイスクリームは、どんな天候でもあなたを元気付けるのに最適”と謳われているという。
そこで、同代表は、この度改正憲法に明記された“伝統的な慣習(異性間の婚姻)”を守るためにも、子供たちにLGBTQ思想を受け入れ易くするような商売は止めさせるべきだと主張した。
これに対して同大統領は、“ロシアの伝統に反するような動きに対して、政府側としても対応を考える必要があるかも知れない”としたが、“ただ、強硬にではなく”と付言した。
なお、ロシアでは2013年、“ゲイ・プロパガンダ法(反ゲイ法、注2後記)が制定され、LGBTQについて公に討議したり、またそれを支援するような動きが禁止されている。
7月4日付ロシア『RT(ロシア・トゥデイ)』テレビニュース:「ロシア女性連合代表、レインボーアイスクリームは子供たちに同性愛を親しみ易くさせようとする“間接的なプロパガンダ”だと非難」
在モスクワ米大使館は6月25日、星条旗と一緒に、LGBTを支持する象徴であるレインボー色の旗を掲げた。
この日は、毎年米国でLGBTの権利を擁護する記念日とされており、同大使館がそれを支持する姿勢を示したものとみられる。
このこともあって、ロシア女性連合のラホーバ代表は、レインボーアイスクリームが、ロシア伝統に反する同性愛を支持するLGBTの旗を想起させるとして、非難する声を上げたものである。
しかし、同アイスクリームの製造販売会社チスタヤ・リニアのアーメン・ベニアミノフ副社長は、同社商品はLGBT権利運動等とは全く無関係だと全面否定した。
同副社長は、“雨上がりの後に出るレインボーは、美しい自然現象であるから、同商品に使用している”とした上で、“LGBTを支持する旗とは一切関係がない”と反論している。
(注1)LGBTQ:性的少数者を表す言葉で、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー(生まれた性と異なる性で生きる人)、クエスチョニング(性自認や性的指向を定めない人)の頭文字をとっている。Qは性的少数者の総称を表す「クィア」という意味でも使われている。
(注2)反ゲイ法:2013年6月、ロシア国家院議会(下院に相当)で圧倒的多数の賛成で制定された法律。ロシアの伝統に反する同性愛等から子供たちを守るべく制定。
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米ロ首脳;共に新型コロナウィルス封じ込め失敗を責められる中、75年前の両国記念日に協調アピール【米・ロシアメディア】
75年前の4月25日、米ソ両軍はドイツのエルベ川で合流し、両国間の不戦を誓い合って、ナチスドイツ撃破に邁進した。その75周年記念日に、ドナルド・トランプ大統領とウラジーミル・プーチン大統領が、両国首脳として10年振りに共同声明を発表し、猛威を振るう新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大に当たって、両国が協調する必要性を訴えた。両首脳とも、COVID-19封じ込めに失敗していることを責められている折り、多分に“やっている”感を示すためのポーズのように見受けられる。
4月25日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』(
『ロイター通信』配信):「トランプ・プーチン両首脳、久方振りに共同声明発表」
ドナルド・トランプ大統領とウラジーミル・プーチン大統領は4月25日、第二次大戦中の75年前の今日、ナチスドイツ撃破に共同して向かうことを誓った「エルベ川の誓い」を行ったことを記念して、10年振りとなる共同声明を発表した。
当時、ベルリン南方のエルベ川で、西進してきたソ連軍と東進してきた米軍が合流して、両国間の不戦を誓い合った。...
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4月25日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』(
『ロイター通信』配信):「トランプ・プーチン両首脳、久方振りに共同声明発表」
ドナルド・トランプ大統領とウラジーミル・プーチン大統領は4月25日、第二次大戦中の75年前の今日、ナチスドイツ撃破に共同して向かうことを誓った「エルベ川の誓い」を行ったことを記念して、10年振りとなる共同声明を発表した。
当時、ベルリン南方のエルベ川で、西進してきたソ連軍と東進してきた米軍が合流して、両国間の不戦を誓い合った。
そこで今回両首脳は、COVID-19という世界的な問題に対処していくため、両国間の協調が必要だとアピールしている。
しかし、両国は目下、軍縮管理、ロシアのウクライナ・シリア介入、更には米大統領選への干渉等の問題で対立したままである。
そこで、『ウォ-ル・ストリート・ジャーナル』紙は、トランプ政権高官の何人かが、このような共同声明を出すことは、これまで米国がロシアに対して発信してきた厳しい非難メッセージを後退させてしまいかねないと反対していたと報じている。
ただ、これまでもトランプ大統領は、プーチン大統領との友好関係を強調し、かつ、2016年米大統領選への干渉はなかったとするプーチン大統領の表明を信じると繰り返してきており、同大統領の決意を覆すことはできなかった。
なお、同紙によれば、前回の両国首脳の共同声明は2010年に、当時のバラク・オバマ大統領が、ロシアとの関係改善を欲して発信している(当時は、ドミートリィ・メドベージェフ大統領)。
一方、共和党が多数派の上院情報委員会は4月21日、2016年米大統領選時に、ロシアが民主党のヒラリー・クリントン候補にサイバー攻撃を仕掛けて、トランプ候補に票が流れるように工作したとの米情報局の2017年捜査報告書に同意するとの決議を行っている。
更に、情報局高官が議会に対して、ロシアが2020年大統領選にも不当介入しようとしていると警告を発している。
同日付ロシア『RT(ロシア・トゥデイ)』テレビニュース:「米ロ協調の一例:トランプ・プーチン両首脳が“エルベ川の誓い”75周年記念日に共同声明発表」
米ロ両国は、例えば対テロ戦争やCOVID-19感染流行問題で協力し合えるかも知れないが、ここ数年の米国内の大勢は、“全ての点でロシアを糾弾”する対応を取ってきており、今回の共同声明に記されている、強調して問題に対処していく、という文言とは異なる。
例えば、COVID-19で非常な困難に陥っているニューヨークに、ロシア側支援の一環でロシア軍による医療装備品等の配送手配を行おうとしたことについても、同地において反ロシアを叫んで群衆が集まってしまうことから、ロシアの友好の印が蔑ろにされてしまっている。
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