中国、李克強首相が経済の危機的状況を報告
中国は現在、2020年初頭以来最悪の新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われており、上海など大都市での厳しい自宅待機命令と渡航制限によって感染を抑え込もうとしている。そうした厳しいゼロコロナ政策によって打撃を受けた経済を立て直すために、25日に、全国規模の緊急テレビ会議が開かれた。李克強首相は会議の中で、厳しい経済状況について報告している。
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『CNBC』によると、中国国営メディアは25日、李克強首相が緊急会議の場で、中国経済がいくつかの分野で、パンデミックに襲われた2020年よりも深刻な状態にあると述べたことを報じた。李克強首相は、中国経済の通年見通しを決定するための「重要な時期」にあると警告し、第2四半期の成長と失業率の低下のために「懸命に働く」よう関係者に呼びかけたという。
中国銀行のZong Liang主席研究員は、このような規模の会合は何年も行われておらず、一度にこれほど多くの階層の関係者が参加した会合は前例がないと述べた。...
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『CNBC』によると、中国国営メディアは25日、李克強首相が緊急会議の場で、中国経済がいくつかの分野で、パンデミックに襲われた2020年よりも深刻な状態にあると述べたことを報じた。李克強首相は、中国経済の通年見通しを決定するための「重要な時期」にあると警告し、第2四半期の成長と失業率の低下のために「懸命に働く」よう関係者に呼びかけたという。
中国銀行のZong Liang主席研究員は、このような規模の会合は何年も行われておらず、一度にこれほど多くの階層の関係者が参加した会合は前例がないと述べた。通常、中国政府の政策は政府のいくつかの層を通して伝達されるため、今回のようなあらゆる層に直接語りかけるような会議は効率が良いと指摘した。ゴールドマンサックスのアナリストたちは、このテレビ会議を「全国の省、市、県レベルの地方政府関係者」を含めた会議であったと説明している。仏『RFI』は、会議には全国から10万人が参加したと報じている。
専門家たちは、李克強首相が会議の場で、第2四半期に成長を達成するよう求めたことについて、「今年3月初めに設定した5.5%前後の成長目標が非常に厳しいということを暗に認めたのかもしれない」と述べている。『ブルームバーグ』の調査では、今年の経済成長率はわずか4.5%と予想されており、モルガン・スタンレーは3.2%まで下方修正している。香港『サウスチャイナモーニング・ポスト』は、今年に入ってからの中国経済の急激な反転は、3月下旬からの上海での強硬なロックダウンが一因となり、消費財から電気自動車まで、幅広い産業分野に打撃を与えたと伝えている。例えば、上海では4月に新車が1台も売れず、全国の新エネルギー車の販売台数は前月比で38.3%減少した。
李首相は、税収が影響を受けていること、一部の地方が中央政府に借金を要請していることも明らかにした。土地の売却は依然として地方自治体の主要な財源であるものの、ここ数カ月で不動産収入が30%近くも減少しているという。李克強は、さらなる減税と雇用支援を約束した。
なお、英『エコノミスト』は、中国では16歳から24歳の若者の都市部での失業率は昨年平均で14%強であったが、今年4月には18.2%に上昇し、2018年の調査開始以来最高水準となったと伝えている。『サウスチャイナモーニング・ポスト』も、中国の厳格なゼロ金利政策の下、ハイテクから新エネルギー自動車に至るまで、あらゆる業界で新入社員の内定取り消しが急増しており、中国の若者に就職の危機が迫っていると伝えている。
20年以上ぶりに、内定を持たない卒業生の数が、内定を持つ卒業生の数を大幅に上回る可能性があると見られている。上海のトップのロースクールである華東政法大学から流出した文書によると、5月上旬の時点で就職先が決まった卒業生は5人に1人に過ぎなかった。同校は中国の公式メディアに対し、流出したデータは実像を表していないと述べたが、それ以外の数値は明らかにしなかった。
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クアッド首脳会議:23日に就任したばかりの豪首相が参加
オーストラリア労働党のアンソニー・アルバニージー党首が23日、同国の第31代首相に就任した。労働党は、環境を重視するグリーン系候補や無所属候補の支持を得て、保守党連合をやぶり、9年ぶりに政権に復帰することになった。投票の集計はまだ完了しておらず、内閣もまだ確定していないものの、アルバニージー新首相は日米豪印の4カ国の協力枠組み「クアッド」の首脳会議に参加するために来日した。
仏
『RFI』によると、アルバニージー新首相は、23日の午前に、「スピード就任」を行い、午後に日本行きの飛行機に飛び乗った。同じく23日に就任したばかりの外務大臣をはじめ、3人の側近が同行している。外務大臣には、オーストラリアの外務大臣として初めて海外(マレーシア)出身のペニー・ウォン氏が就任した。
英『ガーディアン』は、バイデン米大統領が月曜日に、台湾を中国の侵略から守るために軍事介入する用意があると示唆したことから、豪首相と外相は、難しい立場に立たされることになったと伝えている。...
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仏
『RFI』によると、アルバニージー新首相は、23日の午前に、「スピード就任」を行い、午後に日本行きの飛行機に飛び乗った。同じく23日に就任したばかりの外務大臣をはじめ、3人の側近が同行している。外務大臣には、オーストラリアの外務大臣として初めて海外(マレーシア)出身のペニー・ウォン氏が就任した。
英『ガーディアン』は、バイデン米大統領が月曜日に、台湾を中国の侵略から守るために軍事介入する用意があると示唆したことから、豪首相と外相は、難しい立場に立たされることになったと伝えている。
わずか半年前、当時のピーター・ダットン前国防相がオーストラリア紙に「台湾で米国が行動を起こすことを選択した場合、我々が米国を支援しないことは考えられない」と語ったことに対して労働党は批判した。当時、影の外務報道官だったウォン外相は、台湾をめぐる紛争のリスクが高まっていることに同意しながらも、これを米国の戦略的曖昧さの政策とかけ離れたものだと指摘し、「我々は台湾に関する長年の超党派の立場を堅持している」と述べた。
4カ国協議に先立ち、アルバニージー首相は、中国との関係は「困難なものであり続ける」だろうが、政府は国家安全保障を政治利用することなく、オーストラリアの国益を追求すると述べた。
中国国営メディアの「環球時報」は、アルバニージー政権下のオーストラリアの対中政策が、前任者の反中国姿勢と異なるかどうかを問う論評を掲載した。「アルバニージー氏のクアッドサミットへの出席は、特に自国の経済と貿易を深く傷つけたモリソン前政権の反中戦略の影を払拭できるかどうかについて、オーストラリアの新政府の政治的知恵の最初のテストになると予想される。」と述べている。そして、「専門家は、オーストラリアの新指導者の中国政策が、米国の戦略的利益に貢献したモリソン氏の無謀な動きとどの程度異なるかについて、慎重な態度をとっている。特に南太平洋の島国では、新政権は中国に対抗するためにより多くの投資を行う可能性が高い。しかし、中国のそれらの国々との協力関係を中傷したり、中国の脅威として歪曲したりしても、中国と太平洋諸島諸国との対等で相互的な協力の方向性は変わらないだろう。」と報じた。
一方アルバニージー首相は、今回の訪日について、「米国だけでなく、日本やインドとの重要な会談は、オーストラリアに新政権が誕生し、気候変動などの問題に対する世界への対応に変化をもたらすと同時に、民主主義の尊重や友好関係、長年の同盟関係を大切にするという継続性を世界に発信する、良い意味で非常に重要なものになる」と述べた。
『オーストラリア放送協会』は、労働党が最後に政権を握った2013年以降、中国が地政学的にどのように変化したかを直接評価する最初の機会となるのが、このクアッド会議であると報じている。2013年は、習近平が国家主席になったのと同じ年である。アルバニージー首相は、ここ数週間、より権威主義的になり、より地域的な主張を強める中国について尋ねられた際、「中国は変わった」と回答している。同メディアは、アルバニージー首相は、今回の首脳会議を通して、この前評価がいかに真実であるかを思い知ることになるだろうと指摘している。
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