既報どおり、習近平国家主席(シー・チンピン、68歳)が、何が何でも成功裏に終わらせようと目論んでいる北京冬季大会の開会式を迎え、西側諸国からの人権問題への非難を遠ざけようとあらゆる手段を駆使している。しかし、内実では、中国政府によるウィグル族等への締め付けが極端に厳しくなっており、この程米メディアのスクープ記事によると、かつて毛沢東国家主席(マオ・ツォートン、1893~1976年)が称賛していたウィグル族説話について、現習政権はウィグル族暴動を惹起した問題教科書と断罪し、関係したウィグル人に極刑を科していたことが判明した。
2月1日付
『AP通信』:「中国政府、ウィグル族説話教科書をかつては認可していたものの今は編集者に極刑」
中国共産党政府は近年、ウィグル族への取り締まりを強化してきているが、その一環で昨年、かつては同政府が認可していたウィグル族に関わる抵抗運動の説話を教科書に編集したウィグル人に対して、1人に死刑、他3人に終身刑を科した。
『AP通信』が、中国国営メディアのドキュメント報道を再調査し、同教科書編集に関わった人たちへのインタビューを試みた結果、1949年の中国建国を宣言した毛沢東国家主席が称賛した、1940年代のウィグル族抵抗運動を扱った2つの説話教科書について、中国共産党政府が解釈を翻し、壊滅的な結果をもたらす悪本と批評した上で、ウィグル人学生らにも同教科書を閲覧できないようにして、ウィグル族の歴史に触れる機会を奪っていたことが分かった。...
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2月1日付
『AP通信』:「中国政府、ウィグル族説話教科書をかつては認可していたものの今は編集者に極刑」
中国共産党政府は近年、ウィグル族への取り締まりを強化してきているが、その一環で昨年、かつては同政府が認可していたウィグル族に関わる抵抗運動の説話を教科書に編集したウィグル人に対して、1人に死刑、他3人に終身刑を科した。
『AP通信』が、中国国営メディアのドキュメント報道を再調査し、同教科書編集に関わった人たちへのインタビューを試みた結果、1949年の中国建国を宣言した毛沢東国家主席が称賛した、1940年代のウィグル族抵抗運動を扱った2つの説話教科書について、中国共産党政府が解釈を翻し、壊滅的な結果をもたらす悪本と批評した上で、ウィグル人学生らにも同教科書を閲覧できないようにして、ウィグル族の歴史に触れる機会を奪っていたことが分かった。
すなわち、1940年代後半に、中国共産党が国民党政権と内戦を繰り返していた際、ウィグル族が国民党政権による弾圧や差別政策に抵抗して武装蜂起していた。
そこで、1949年に国民党政権打倒を成し遂げた毛氏が、ウィグル族のリーダーであるアクメトジャン・カスィミ(1914~1949年、東トルキスタン共和国指導者)を国家諮問会議初会合に招待するとし、“カスィミ同志の何年もの抵抗運動は、中国人民による民主革命運動の一部である”と賛辞を送っていた。
ただ、カスィミは同会合に赴く途中、搭乗した飛行機の墜落事故で絶命している。
従って、当時のウィグル族の活動の歴史を綴った本は中国共産党政府も評価していた訳である。
ところが、新疆ウィグル自治区元教育部長(2000~2008年)のウィグル人政治家サッター・サウット(現在73歳)が、2009年ウィグル騒乱(注後記)を引き起こしたイスラム過激主義者らを扱った教科書を編集し、その中で憎悪、暴力、宗教的過激主義を説いていたことから、2017年に当局によって逮捕された。
そして昨年4月に現地裁判所は、サウットが同教科書を編集する分断主義グループを主導したとして、死刑判決を下した。
中国国営国際ニュースチャンネル『CGTN(1997年設立、中国中央テレビ傘下)』が昨年、10分間のドキュメント番組「新疆ウィグル自治区の隠された脅威」の中で、当該説話教科書を危険読本と言及していた。
また同番組の中で、テレビカメラの前でサウットが謀議を告白する場面が放映されていた。
サウットと一緒に画面に登場した、教育部の高官であったアリムジャン・メムティミンには終身刑が科せられた。
かつて新疆ウィグル自治区で収容所に入れられ、その後米国に逃れているミフリグル・トゥルサン氏(32歳)は、“ウィグル族の武装蜂起をかつての中国政府は称賛していたのに、現在の政府は、その歴史的説話を掲載した教科書を禁書扱いにして、関わった人たちを処罰していることに愕然としている”とコメントしている。
なお、メリーランド大(1856年設立、州立大学)の中国の二言語同時教育制度研究専門家の周明朗教授(チョウ・ミンラン)は、2009年ウィグル騒乱以降、特に中国共産党政府の新疆ウィグル自治区における中国語教育指導がより厳しくなっていると述べた。
その上で同教授は、習国家主席が、“多様性は国家統一にとって脅威となると判断”しているため、前任者たちが促進した“多様性を許容した国家統一”という考えを捨て、漢族による国家統一を目指していると分析している。
(注)2009年ウィグル騒乱:2009年7月5日に、新疆ウィグル自治区ウルムチ市において発生した騒乱事件。同年6月に広東省で、デマを発端として玩具工場のウィグル人労働者が漢族労働者の襲撃により死亡したことについて、襲撃側の刑事処分が曖昧にされたことからウィグルでの不満が高まって大規模デモに発展したもの。死者192人、負傷者1,721人。
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欧州連合(EU)は30日、元中国共産党政権高官から性的暴行を受けたと告発した女子プロテニスの選手、彭帥(ほう・すい)さんの安否と所在について、中国側に検証可能な証拠を要求した。現在、スポーツ関係者を含む国際社会から、35歳のプロテニス選手が自由であり、脅威にさらされていないことを保証することを求める声が高まっている。
ベルギー日刊紙
『ラ・リーブル』によると、EU対外行動庁の報道官は、「最近、彭帥選手が公の場に再び現れたが、彼女の安全と自由に対する懸念が払拭されるわけではない」と指摘し、「EUは、中国政府に対し、選手の安全、健康状態、所在について検証可能な証拠を提供するよう求める。EUは、中国当局に対し、性的暴行の疑惑について、徹底した公正かつ透明性のある調査を行うよう求める」と述べた。
EUは、習近平政権が実施している強制失踪の一形態である「指定場所での居住監視」による恣意的な拘束を疑っている。...
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ベルギー日刊紙
『ラ・リーブル』によると、EU対外行動庁の報道官は、「最近、彭帥選手が公の場に再び現れたが、彼女の安全と自由に対する懸念が払拭されるわけではない」と指摘し、「EUは、中国政府に対し、選手の安全、健康状態、所在について検証可能な証拠を提供するよう求める。EUは、中国当局に対し、性的暴行の疑惑について、徹底した公正かつ透明性のある調査を行うよう求める」と述べた。
EUは、習近平政権が実施している強制失踪の一形態である「指定場所での居住監視」による恣意的な拘束を疑っている。中国に対し、国内法および国際法に基づく人権に関する義務を尊重するよう求めている。
米『エポックタイムズ』のフランス語記事によると、アムネスティ・インターナショナルは、11月18日に発表した声明の中で、「中国は、人権活動家に代わって強制した証言を発表してきた歴史がある。例えば、国営テレビは、中国の人権派弁護士である王宇と江天勇の告白を、彼らが拘留されている間に放送した。」と述べている。
カナダ野党のカナダ・中国関係担当ガーネット・ジェニュイス議員は、「私は彭帥さんの安全と健康状態を深く憂慮している。性的暴行の疑惑は、決して国家によって検閲されるべきではない。」と述べており、「勇気を持って発言したことで、中国共産党に拉致されたという事実は信じられないことだ。中国の国営メディアで彭帥さんの画像や動画が公開されているが、その信憑性は確認できない。」と指摘している。「今回の事件は、トップアスリートが中国での人権侵害と無縁ではないという事実を浮き彫りにしている」と付け加えている。
『エポックタイムズ』は、彭さんの主張は、中国における女性の権利の問題、特に中国共産党の役人たちの、愛人を持つという数十年来の慣行を浮き彫りにしたと指摘している。中国の公安部長であった周永康は、2015年6月に汚職、権力の乱用、国家機密の意図的な開示の罪で終身刑の判決を受けた。中国の国営メディアによると、周氏は少なくとも28人の長期にわたる愛人を持ち、400人近くの女性に性的暴行を加えていたという。周の愛人には、テレビのプレゼンター、映画スター、歌手、学生、政府関係者などがいた。
バスケットボール中国代表チームに所属するカナダ人コーチであるJu Bin氏は、女性テニス選手は中国共産党幹部から日常的に性的暴行の標的にされていると語っている。「中国共産党幹部は、他のどのスポーツよりもテニスを好んでいる。彼らにとっては気品のあるスポーツだからだ。いつも最高の女性テニスプレーヤーの同行を求めてくる。このとんでもない慣行を良く知っている。日常茶飯事だ。」と述べている。
北京大学の元教授で、反体制活動家として知られる亡命中の袁紅氷氏は、中国共産党幹部が3つのカテゴリーの女性に性的暴行を加えてきた歴史があると語っている。「第1のカテゴリーは、中国中央テレビ(CCTV)の女性キャスター、第2のカテゴリーは、各軍需企業の女性アーティスト、最後のカテゴリーは、ナショナルチームの女性テニスプレーヤーである。」と述べている。
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