ロシア:ゲイクラブへ警察の強制捜査(2023/12/04)
ロシアメディアが報じたところによると、ロシア最高裁判所がLGBTムーブメントを違法とした翌日、モスクワ市内の複数のゲイクラブに警察の家宅捜索が入っているという。
12月3日付
『AP通信』:「ロシア最高裁がLGBTQムーブメントを過激派と認定したのを受け、治安部隊がゲイバーを強制捜査」
ロシアの治安部隊は1日、首都モスクワ市内のゲイ向けクラブやバーへ強制捜査に入った。最高裁判所が世界的なLGBTQムーブメントを「過激派組織」と認定してから48時間以内の動き。
警察は薬物取り締まりとの名目で、ナイトクラブ、男性サウナ、パーティを主催するバーなどへも捜索に入ったとロシアメディアは伝えている。...
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12月3日付
『AP通信』:「ロシア最高裁がLGBTQムーブメントを過激派と認定したのを受け、治安部隊がゲイバーを強制捜査」
ロシアの治安部隊は1日、首都モスクワ市内のゲイ向けクラブやバーへ強制捜査に入った。最高裁判所が世界的なLGBTQムーブメントを「過激派組織」と認定してから48時間以内の動き。
警察は薬物取り締まりとの名目で、ナイトクラブ、男性サウナ、パーティを主催するバーなどへも捜索に入ったとロシアメディアは伝えている。
目撃者によると、警察はクラブ会員の者類をチェックしたり写真を撮ったりしていたという。警察の襲来前に、店の責任者から顧客へは事前の警告も行われていたという。
法務省の申し立てにより、最高裁での「過激派」認定となったが、プーチン政権は24年に渡り「伝統的家族の価値観」を強調し、LGBTへの弾圧を続けてきた。
活動家は裁判は正式に存在しする運動への申し立てでもなく、不可解であることから、取り締まりは個人や団体誰でも対象となる可能性があるという。捜査対象となる店舗では、判決後、既に店を畳んだケースもある。
2013年、未成年の間での「非伝統的な家族関係」を公に認めることを禁止した「ゲイプロパガンダ禁止法」として知られるLGBTQへの規制法がはじめて適用された。
2020年、同性婚を違法とする条項を含めた、2項目を追加。2022年ウクライナ侵攻以降は、戦争を正当化するように「堕落した」西欧の影響に反発するキャンペーンを強化していった。同年、成人の「非伝統的な家族関係」を公に認めることを禁止した法案が可決した。今年は、医学的性転換、公式文書や記録のジェンダー変更を禁止する法も可決している。
最高裁の判決は、機密事項でどの範囲の活動や象徴が規制されているのか明らかではない。対象となる前に、多くの人がロシアからの出国を検討するともみられる。
同日付英『BBC』:「ロシアのLGBT:モスクワのゲイクラブを警察が強制捜査」:
テレグラム・チャンネル「Ostorozhno, Novosti」によると、1日、警察の家宅捜索があり、クラブに出入りするLGBTの人々が一時拘束されたり、パスポートの写真記録を゙取られたりしたという。
警察は薬物捜査だとしているが、市当局からのコメントは今のところないという。モスクワ中心部でのある目撃者の話では、「パーティの途中、音楽が止まった。そしてラウンジで捜査が開始された。外国人もいた」という。
別のテレグラム・チャンネル「Sota」では、市内の3つのクラブが捜査を受けたとされる。ソーシャルメディアには、警察車両や警察官が見える写真や動画が上がっているという。
近年、当局からのLGBTコミュニティへの圧力が高まりつつあった。2013年、未成年における「非伝統的な性的関係の流布」を禁止する法案が成立。昨年には、ロシア国内の全ての年齢にまで拡大された。LGBTへの言及は本、映画、公告、TV番組から削除された。
今月には、あるロシアTVチャンネルは、「ゲイプロパガンダ」法への抵触を避けるように、韓国のポップス動画の中のレインボーを白黒で放送していた。
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米・英・ロシア・中国メディア;南シナ海における米中のつばぜり合い(4)(2016/05/25)
これまで何度か報じたとおり、南シナ海における軍事拠点化を着々と進める中国に対して、米国があの手この手を用いて牽制してきた。そして、5月26~27日に開催される主要7ヵ国首脳会議(G7伊勢志摩サミット)において、日米主導によって南シナ海問題で中国が槍玉に上がることを懸念してか、中国が硬軟入り混ぜた対応をみせている。
5月24日付米
『AP通信』の報道記事「中国、米・ベトナム関係修復は評価するも、中国を標的とするのは誤りと主張」:
「・中国外交部は5月23日、米国が50年前のベトナム向け武器禁輸法を撤廃したことに関し、(共産党政権の)ベトナムが米国含めて他国と良好な関係が構築できたことを評価する旨公式表明。
・但し、5月24日付国営メディア
『チャイナ・デイリィ』の社説で、米国・ベトナム間連携は中国主権を脅かすことがあってはならないし、米国がベトナムを利用して南シナ海において中国と対峙しようとすれば、反って同海域の緊張を高めることになり絶対反対と主張。...
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5月24日付米
『AP通信』の報道記事「中国、米・ベトナム関係修復は評価するも、中国を標的とするのは誤りと主張」:
「・中国外交部は5月23日、米国が50年前のベトナム向け武器禁輸法を撤廃したことに関し、(共産党政権の)ベトナムが米国含めて他国と良好な関係が構築できたことを評価する旨公式表明。
・但し、5月24日付国営メディア
『チャイナ・デイリィ』の社説で、米国・ベトナム間連携は中国主権を脅かすことがあってはならないし、米国がベトナムを利用して南シナ海において中国と対峙しようとすれば、反って同海域の緊張を高めることになり絶対反対と主張。」
同日付英
『メール・オンライン』(
『AFP通信』記事引用)の報道記事「中国国営メディア、米国の対ベトナム武器禁輸法撤廃の背景を非難」:
「・中国国営メディア
『グローバル・タイムズ(環球時報、人民日報英文版)』は5月24日、米国が数十年続いたベトナム向け武器禁輸法を撤廃したのは、ベトナムを利用して中国に圧力をかけようとしたものと非難。
・同紙は、オバマ大統領が中国を標的にしたものでなく、あくまでかつての敵国との関係改善だとコメントしているが、これは全くの虚偽だと酷評。」
同日付ロシア
『ロシアTV』の報道「中国は公式には評価も、米国・ベトナム武器輸出解禁
合意は“火薬箱に火花”と苛立ち」:
「・中国国営メディアの
『チャイナ・デイリィ』も
『グローバル・タイムズ』も5月24日報道で、米国の対ベトナム武器輸出解禁合意について、実態は中国に圧力をかけようと意図するもので、南シナ海の緊張を反って高めることになり、米国の欺瞞だと酷評。
・一方、中国の外交部は公式には、5月23日の記者会見に臨んだ華春瑩(ホァ・チュンイン)報道官が発言したとおり、冷戦の名残ともいうべき、米国の対ベトナム武器禁輸法が撤廃され、(共産党政権の)ベトナムが米国含めた他国と関係改善されることを評価。
・なお、南シナ海において領有権問題を抱える中国とベトナムは、1979年に中越戦争を起こし(編注;1984年にも中越国境紛争)、また、1988年には西沙(パラセル)諸島をめぐって艦船の軍事衝突発生と、これまで何度も衝突。」
同日付中国
『チャイナ・デイリィ』社説「かつての敵国同士の仲直りによって地域の緊張
を高めてはならない」:
「・かつてベトナムと米国は、40年以上も前に終結したベトナム戦争(編注;1960年12月~1975年4月)の敵国同士で、数百万人のベトナム人犠牲者、また、米兵も5万8千人が戦死。
・しかし、3人目の米大統領としてベトナムを訪問したオバマ大統領は、長い間施行されていた対ベトナム武器禁輸法を撤廃。
・同大統領は、中国を標的としたものでなく、あくまでベトナムとの関係改善の結果とコメントしているが、南シナ海で中国と領有権問題を抱えるベトナムに肩入れし、中国に対する圧力を高めようとする意思であることは歴然。
・従って中国側としては、南シナ海で悪戯に緊張を高め、中国の主権を脅かすようないかなる対応にも断固反対。
・また、米国が何と言おうとも、中国とベトナムは既に、南シナ海における領有権問題について、両国間の直接対話で解決していくことで合意済み。」
一方、同日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュースの報道記事「中国、南シナ海での
フィリピン漁船取り締りを軟化」:
「・フィリピン当局高官は5月24日、南シナ海海域で4月15日を最後にここ1ヵ月程、フィリピンの漁船が中国沿岸警備隊から水鉄砲による嫌がらせを受ける事態が発生していないとコメント。
・中国が2012年に南シナ海のスカボロー環礁をフィリピンから力で奪って以降、同海域で漁をするフィリピン漁船と中国警備隊との間でイタチゴッコが頻発。
・ただ、中国との対峙を鮮明にしていたベニグノ・アキノ大統領に代わって、少し柔軟な対応を取ると期待されるロドリゴ・ドゥテルテ新大統領が6月30日に就任することから、中国側が暫く静観しているものと推測。
・実際、ドゥテルテ氏が5月16日に趙(チョウ)駐フィリピン中国大使と面談した際、フィリピン漁民も生活のため漁が必要なので、大目に見るよう依頼。」
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