反トランプ共和党グループによるトランプ落選運動【米メディア】(2020/11/01)
米大統領選投票日がいよいよ間近に迫った。下馬評ではジョー・バイデン民主党候補(77歳)が一歩リードしているが、ドナルド・トランプ大統領(74歳)の追い込みもすさまじい。そうした中、伝統ある共和党がトランプにのっとられ、トランプ党に成り下がったことを憂うる元共和党員が主導して、“リンカーンプロジェクト(注後記)”と題したトランプ落選運動を展開している。
11月1日付
『ヤフー・ニュース』:「リンカーンプロジェクト、“反トランプ”を掲げてレッド・ステート(共和党牙城)3州に狙いを絞って数百万ドルをかけたトランプ落選運動を展開」
米大統領選投票日が3日後に迫る中、反トランプ派は共和党牙城の3州に狙いを絞ってトランプ落選運動を展開しようとしている。
リンカーンプロジェクトと命名した運動団体は、共和党員の中のトランプ派を改心させる運動を展開しているが、10月31日、投票日間近の最終週には共和党牙城の3州に100万ドル(約1億500万円)余りを注ぎ込み、『ヤフー・ニュース』等あらゆるメディア媒体を利用してトランプ落選運動を展開すると表明した。...
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11月1日付
『ヤフー・ニュース』:「リンカーンプロジェクト、“反トランプ”を掲げてレッド・ステート(共和党牙城)3州に狙いを絞って数百万ドルをかけたトランプ落選運動を展開」
米大統領選投票日が3日後に迫る中、反トランプ派は共和党牙城の3州に狙いを絞ってトランプ落選運動を展開しようとしている。
リンカーンプロジェクトと命名した運動団体は、共和党員の中のトランプ派を改心させる運動を展開しているが、10月31日、投票日間近の最終週には共和党牙城の3州に100万ドル(約1億500万円)余りを注ぎ込み、『ヤフー・ニュース』等あらゆるメディア媒体を利用してトランプ落選運動を展開すると表明した。
同プロジェクト共同代表のロン・ステスロー氏(元共和党選挙対策委員)は、これまで共和党牙城であったジョージア、モンタナ、サウスカロライナ3州で、“現大統領が如何に米国をダメにしたか理解され始めた”として、反トランプ・キャンペーンを展開する意義を語った。
同3州はこれまで、共和党牙城であったことから、民主党の主張や運動など全く受け入れてこなかった。
具体的には、ジョージア州・モンタナ州では1992年にビル・クリントン(現76歳、1993~2001年執務の第42代大統領)を支持することになった以外、民主党候補に投票したことはなく、サウスカロライナ州では1976年以来民主党を支持したことはない。
ジョージア州の世論調査では、バイデン候補がトランプ大統領を1%弱上回っているだけで、サウスカロライナ州ではトランプが7.5%、またモンタナ州では8%もバイデンをリードしている。
また同3州は、上院議員選でもこれまで共和党の牙城となっている。
具体的には、サウスカロライナ州では、現職のリンゼイ・グラム共和党現職(65歳)がジェイム・ハリソン民主党候補(44歳)を4.5%リードしている。
過去15年以上共和党が占めているジョージア州では、ジョン・オソフ民主党候補(33歳)がデビッド・パーデュー共和党現職(70歳)をほんの僅かリードしているだけである。
また、モンタナ州では、スティーブ・デインズ共和党現職(58歳)がスティーブ・バロック民主党候補(54歳、現モンタナ州知事)を2%余りリードしている。
ステスロー氏は、“これら3州の共和党候補はトランプに乗っかっているだけ”とし、“従って、それぞれの州で的確な反トランプ・キャンペーンを展開する”と表明した。
まず、サウスカロライナ州では、“グラム上院議員はトランプのごますり屋”と書いた横断幕を軽飛行機につけて上空を周回させるとし、モンタナ州ではトランプの名は出さず、“バロック候補が最も適任”とのコマーシャルを流し、また、ジョージア州では、“トランプの感染症封じ込め失敗”をアピールする広告を出すとしている。
一方、トランプ陣営のティム・マートー報道担当は、リンカーンプロジェクトがこれら3州に大金を注ぎ込んでも“無駄遣い”に終わると一蹴している。
(注)リンカーンプロジェクト:2019年末に、元共和党員7名が中心になって組織したトランプ落選運動団体。同時に、上院選での共和党候補の落選運動も展開。今年4月、同団体は正式にバイデン民主党候補支持を決定。
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仏メディア:日本はわずか一週間で新首相が決定も、直面する課題は山積(2020/09/03)
仏メディアは、日本の安倍首相が病気による辞任を正式に発表した後、わずか1週間で新しい日本のリーダーがほぼ決定したこと、また新首相の前には課題が山積していることを報道している。
仏金融紙
『レゼコー』は、日本は、安倍首相が8月28日に辞任を表明してから1週間も経たないうちに、国民投票や議論もなしに新しい首相が選ばれたと報じている。公式には、9月17日に国会で選出される予定だが、裏では、すでに当選者が決まっているためだ。
安倍首相は2021年9月の任期満了を前に辞任することを決めたため、国会で過半数を占める党が自動的に執行部を担う新党首を選ぶことになるが、自民党執行部が体調不良である首相の交代が急務であることを指摘し、党員・党友が投票する正規の総裁選は行わず、限定的な選考方法を選択した。...
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仏金融紙
『レゼコー』は、日本は、安倍首相が8月28日に辞任を表明してから1週間も経たないうちに、国民投票や議論もなしに新しい首相が選ばれたと報じている。公式には、9月17日に国会で選出される予定だが、裏では、すでに当選者が決まっているためだ。
安倍首相は2021年9月の任期満了を前に辞任することを決めたため、国会で過半数を占める党が自動的に執行部を担う新党首を選ぶことになるが、自民党執行部が体調不良である首相の交代が急務であることを指摘し、党員・党友が投票する正規の総裁選は行わず、限定的な選考方法を選択した。
したがって、次の党首を選ぶのは、国会議員394人と、47都道府県から各3人ずつの自民党代表者(合計141人)だけとなる。当選するためには、この535人の有権者の中から過半数の票を獲得しなければならない。
しかし、現政権のナンバー2である菅官房長官は、2日の夜に立候補を宣言する前から、日本の右派を構成するほとんどの「派閥」の支持を得ており、すでに250票以上の票を確保している。
『レゼコー』は、安倍内閣で要職に就いており、思想的な立場が非常に似ている各派閥のリーダーたちは、自分たちの影響力を失わないように、ほぼ全員が、安倍路線を継承してくれる菅官房長官を支持することを選択していると指摘。また、党員投票または、国民投票が行われたとすれば、菅氏ではなく石破氏が当選していたと全ての世論調査が示していると報じている。
『ヤフー フランス』や『ウエスト・フランス』は、新首相が直面する課題について報じている。
まずは新型肺炎対策。日本での流行規模は欧米諸国に比べて小さいものの、安倍政権の対応は、緩慢でまとまりがないという厳しい批判にさらされている。また新型肺炎の世界的流行により、景気後退が一段と強まり、オリンピックは2021年まで延期された。専門家らは、世界一の高齢化社会である日本が、医療制度の崩壊を防ぐためには対策を講じる必要があると警告している。
衰退する経済も課題となっている。日本の脆弱な経済は新型肺炎の影響を受け、4月から6月にかけて前年同期比7.8%減、前年同期比27.8%減と戦後最悪の落ち込みを記録した。専門家らは、長期的には、日本は貧弱な生産性を向上させるために主要な構造改革を実施する必要がある、という見方で一致している。
また、2020年東京オリンピックの延期の問題も引き継ぐことになる。集団感染の防止方法から、急増する費用を誰が払うのかという問題まで、多くの困難が伴う。さらに、日本の国境は依然として外国人観光客にはほぼ閉鎖されており、国内のスポーツイベントでも観客数は限定されているため、オリンピックの実現可能性について疑問視されている。
外交問題も非常に厳しいかじ取りが待っている。中国の主張が強まり、韓国との関係が悪化し、北朝鮮が予測不能な状態が続く中で、米国との同盟関係はますます重要になっていると見られている。しかし日本は、主要な貿易相手国である米国と中国との間の緊張関係にも巻き込まれてしまっている。
そして最後に少子高齢化が急速に進んでいる人口問題を引き継ぐことになる。
労働力不足は経済を阻害し続けており、移民規制を緩和してより多くの女性を労働市場に投入しようとする努力も成功には至らなかった。安倍首相が「女性が輝く」社会をつくると公約していたにもかかわらず、財界や政治の上層部は頑なに男性社会のままとなっている。世界経済フォーラムの最新の男女平等ランキングでは、日本は153位中121位にとどまっている。
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