米世論調査、アメリカ人の77%がインフレの影響を受けていると回答(2021/11/25)
Yahoo News/YouGovの新しい世論調査によると、アメリカ人の4人中3人以上(77%)が、インフレが個人の生活に影響を与えていると答えている。そして、半数以上(57%)がバイデン大統領の政策が原因だと回答している。
米
『ヤフーニュース』が英国の調査機関「YouGov」と共同で実施した調査で、「アメリカが直面している最も重要な問題」としてインフレを選択した人(17%)が、今も毎日平均1100人以上のアメリカ人が亡くなっている新型コロナウィルス(15%)を含む他のどの問題よりも多かった。そして、バイデンがその対策に十分に取り組んでいると答えたのは、わずか18%だった。大統領の全体的な支持率はここ数ヶ月で43%まで低下しており、不支持率が52%に上昇している。...
全部読む
米
『ヤフーニュース』が英国の調査機関「YouGov」と共同で実施した調査で、「アメリカが直面している最も重要な問題」としてインフレを選択した人(17%)が、今も毎日平均1100人以上のアメリカ人が亡くなっている新型コロナウィルス(15%)を含む他のどの問題よりも多かった。そして、バイデンがその対策に十分に取り組んでいると答えたのは、わずか18%だった。大統領の全体的な支持率はここ数ヶ月で43%まで低下しており、不支持率が52%に上昇している。また、経済に関しては、バイデンの支持率はさらに低く、40%にとどまっている。
消費者物価指数が10月に6.2%上昇し、過去30年以上で最も速いペースで上昇している中、インフレが個人の生活に影響を及ぼしているかという質問に対しては、「かなり影響している」が37%、「多少影響している」が40%と、約8割が影響を受けていると回答している。また、「商品やサービスの不足」については、「かなり影響している」が17%、「多少影響している」が44%と、あわせて61%にのぼった。また、アメリカ人の過半数(51%)が「インフレで感謝祭の休日の間、必要なものが買えなくなる」ことを心配していると答え、45%が「品不足で必要なものが手に入らなくなる」ことを心配していると答えた。
現在のインフレの原因について尋ねたところ、パンデミックが「大いにある」49%、「多少ある」は31%だった。バイデン大統領が原因だと回答した人は「大いにある」が39%、「多少ある」が18%だった。しかし、「誰が最も非難されるべきか」という質問に対しては、「パンデミック」(30%)よりも「バイデン大統領」(35%)と答えた人の方が多かった。この調査は、米国の成人1696人を対象に11月17日から19日にかけて行われた。
米『フォーチュン』誌は、こうした世論調査の結果よりも、民主党にとって気になるのは、州レベルのデータだと伝えている。モーニング・コンサル社は、10月に実施した世論調査をもとに、全米各州の登録有権者に対するバイデン大統領の支持率を算出した。その結果、バイデンは現在、32の州で不支持率が支持率を上回っていることが判明した。もともと民主党支持が強い18の州でのみ支持が不支持を上回っている。
なお、『フォーチュン』誌が2020年大統領選で激戦州だったと考えている11の州では、バイデンの支持率はことごとく不支持が上回っている。これらの州では、バイデンの職務遂行能力を肯定も否定もしない有権者は一桁台にとどまった。
こうした中、民主党は2022年に向けて、下院の過半数(221対213議席)と上院の1議席差を守らなければならない。しかし今月初め、バージニア州知事選で、2009年以来初めて共和党が勝利した。2020年にバイデンが10.1ポイントで勝利した州で、共和党候補者が+1.9ポイントで勝利した。モーニング・コンサル社によると、知事選当日、バイデンの支持率はわずか+3ポイントにとどまっていた。
ここからバイデンは立ち直れるのか。『フォーチュン』は、歴史的に見ても、大統領は就任1年目に支持率が下がった後、立ち直るのは難しいと言われていると伝えている。しかし、クリントン元大統領のように、就任1年目に支持率が下がった後、2期目を勝ち取ったという例外はあると指摘している。
閉じる
米国、労働者のストライキが全米に広がる(2021/10/20)
サプライチェーンの混乱が収まる見通しが立たない中、米国では1968年以来のストライキの波が多くの業界に広がり始めている。パンデミックで疲弊した数万人の労働者が、労働条件の改善を求めている。
米国では、全国的に広がるストライキを受けて、ストライキとオクトーバー(10月)をかけあわせた「Striketober」という呼び方が登場した。仏
『ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)』によると、穀物工場やトラクター工場、学校や病院などで、何千人もの労働者がストライキ中、またはストライキを予告している。10月14日からはトラクターメーカーのジョンディア社で1万人、10月5日からはシリアルメーカーのケロッグ社で1400人、10月1日からはバッファローの病院で2千人以上の従業員がストライキを行っている。...
全部読む
米国では、全国的に広がるストライキを受けて、ストライキとオクトーバー(10月)をかけあわせた「Striketober」という呼び方が登場した。仏
『ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)』によると、穀物工場やトラクター工場、学校や病院などで、何千人もの労働者がストライキ中、またはストライキを予告している。10月14日からはトラクターメーカーのジョンディア社で1万人、10月5日からはシリアルメーカーのケロッグ社で1400人、10月1日からはバッファローの病院で2千人以上の従業員がストライキを行っている。米国西部の医療グループ「カイザーパーマネント」の約3万1千人の従業員も、近々ストライキを行うと警告している。
多くの企業は、インフレ率が高い間は賃金を生活費に自動的に合わせることを取りやめ、手当などが少ない新しい種類の雇用契約を一般化することを望んでいる。これに対し、組合や労働者は、雇用主が医療危機の間に大きな利益を上げた一方で、サービスの継続性のために自分たちは一層働かなければならなかったことに憤りを感じており、さらには社会契約が変更されることに抗議するためにストライキを行っている。
従業員がストライキを躊躇しないのは、現在雇用主が採用難に直面しており、何百万人もの雇用を確保しなければならない労働力不足の市場において、従業員が強い立場にあるからだという。最近の調査では、アメリカ人は、自分の望む生活の質が得られなければ、仕事を辞めることに抵抗がなくなってきているという傾向が明らかになっている。
一方で、米『NBC』ニュースによると、多くの農家は、サプライチェーンの不足の中で質の高い農機具が手に入りにくくなっており、その品薄状態が価格を上昇させ、農家の収穫や来年の作付けシーズンに影響を与えるのではないかと心配している。こうした中、ジョンディア社の労働者1万人がストライキを行ったことで、不足が深刻化するのではないかと懸念されているという。同社は今年、記録的な利益を計上した一方で、6%以上の賃上げを拒否したため、労働組合員が14の製造工場でストライキを始めた。
仏『レクスプレス』誌によると、米政府は1千人以上の従業員を対象としたストライキのみを記録しているため、正確なストライキ運動の数を知ることは困難だという。しかし、2018年に起きたウェストバージニア州の教員運動以降、その傾向は明らかに上向きになっていると、ヴァンダービルト大学の社会学教授であるジョシュ・マレー氏は述べている。
ケロッグ社のストライキは、7月にペプシコ社の子会社であるフリトレー社のカンザス州にあるお菓子工場で行われた600人の労働者によるストライキに続くものである。従業員は、週休1日の保証や昇給などを求めて、19日間ストライキを続けた。ナビスコでもストライキが行われ、参加した約1000人の従業員は、5週間の紛争の後、9月に譲歩を勝ち取っている。
米『ヤフーニュース』によると、過去数十年間、労働者の報酬は生産性に比べて大きく遅れをとっている一方で、CEOの報酬は平均的な労働者の報酬に比べて急激に上昇している。労働運動家によると、パンデミックに伴う営業停止や、失業保険の拡大や景気刺激策などの救済プログラムにより、アメリカ人は自分の状況を把握する機会を得たという。ギャラップ社の9月の世論調査によると、労働組合への支持率は1965年以来の最高水準に達している。アメリカ人の68%が労働組合を支持すると答え、2009年の最低水準から20ポイント上昇している。
閉じる
その他の最新記事