バイデン政権は先月末、新型コロナウィルス(COVID-19)後の経済対策として、インフラ投資計画を中核とした2兆3千億ドル(約253兆円)の「米雇用計画」政策を発表した。ただ、この対象に入っていないクルーズ船産業は、未だにCOVID-19問題下の運航停止措置が解かれていないこともあって苦境に陥っている。
4月10日付
『ヤフーニュース』:「ブティジェッジ運輸長官、クルーズ船運航再開は真夏になってからと発言」
米クルーズ船は、COVID-19蔓延の影響もあって、1年以上も係留されたままとなっている。
そうした中、ピート・ブティジェッジ運輸長官(39歳)が4月10日、ホワイトハウスでの記者会見で、COVID-19感染防止安全基準を満たせば“真夏ごろには運航再開”が認められようと発言した。...
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4月10日付
『ヤフーニュース』:「ブティジェッジ運輸長官、クルーズ船運航再開は真夏になってからと発言」
米クルーズ船は、COVID-19蔓延の影響もあって、1年以上も係留されたままとなっている。
そうした中、ピート・ブティジェッジ運輸長官(39歳)が4月10日、ホワイトハウスでの記者会見で、COVID-19感染防止安全基準を満たせば“真夏ごろには運航再開”が認められようと発言した。
しかし、555億ドル(約6兆1,050億円)規模のクルーズ船産業にとって、新型ウィルス禍で悪者に扱われていると感じていることもあって、これではとても遅すぎると不満を抱いている。
何故なら、クルーズ船事業が主要産業となっているフロリダ州がこの程、クルーズ船運航の即時再開を求めて連邦政府を提訴したからである。
これは、学校再開を求める声と同様、バイデン政権に対する挑戦である。
ただ、直近でバイデン政権が明らかにした2兆3千億ドルに上る中期経済対策に関し、その中核となるインフラ投資計画を主導する立場にある同長官としては、直近で電気系統の不具合が判明したボーイング737 Maxジェット機の件と同様、クルーズ船の運航再開問題について依然問題視している。
同長官は、“クルーズ船産業が苦境に陥っていることは理解している”としながらも、連邦政府としては“クルーズ船運航再開のための水門があり、そこを通り抜けられる体制整備が求められる”とコメントした。
これに対して、クルーズ船産業は、当該水門はとてつもなく重く、また、開けるのにあまりにも時間がかかり過ぎる、と政府側の過剰な条件付けに反駁している。
多くの米国人は、COVID-19感染問題の深刻さについて、昨年1月に横浜港に停泊していたクルーズ船“ダイアモンド・プリンセス号”と、2月にカリフォルニア州沖に留まっていた“グランド・プリンセス号”を通じて感じ取っていた。
何故なら、クルーズ船乗客内のクラスター発生で、米疾病予防管理センター(CDC、1946年設立)が昨年3月14日、全てのクルーズ船運航を禁止していて、当時のドナルド・トランプ政権もこの禁止措置の延長を決定し、漸く昨年10月に前提条件を付けて運航再開を承認するとしているからである。
ただ、その前提条件は厳しく、COVID-19感染防止基準を満たす体制整備を施し、実際にこの条件で模擬運航を行って、当該基準通り運航ができることを証明して初めて、乗客を乗せて運航することが可能となるとされている。
クルーズ船産業にとって、夏季は書き入れ時であるが、かかる段階を踏んでの運航再開ではとても今夏に間に合わないと不満の声を上げている。
しかし、同長官は、クルーズ船に対してかかる厳しい条件を付けているのに、何故航空便運行には付けられていないのかとの指摘に対して、“航空便運行の安全基準と、クルーズ船運航の条件とは別の話である(安全基準が異なる)”とコメントしており、条件緩和というクルーズ船産業の嘆願を受け入れる意向はないとみられる。
一方、後刻行われたジェン・サキ大統領報道官(42歳)の記者会見では、アラスカ州の記者から、いつクルーズ船運航が再開されるのかと質問されたのに対して、時期は明らかにできないとコメントしている。
すなわち、同報道官は、“アラスカ州にとって、クルーズ船受け入れは主要な事業収入となることを理解しているものの、ひとつ複雑な事情があって、米国側が運航再開を決めて、例えばシアトル港をクルーズ船が出航できても、アラスカ州に向かう前にカナダに一旦寄港しなければならないというルールがあるが、目下カナダ側がクルーズ船の受け入れを認めていないため、結果、アラスカ州に行くことはできない”と言及している。
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米自動車大手のフォードは米IT大手のグーグルと提携して、アンドロイドソフトウェアを全車種に導入しようとしている。グーグルは様々な形でフォードを支援することになるが、2023年からはフォードや同社の高級ブランド「リンカーン」の車に、グーグルのアプリやナビゲーションシステムが搭載されることになる。
『ヤフーファイナンス』によると、フォードとグーグルは1日、フォードの変革を加速させ、「コネクテッドカー」体験を再発明するための戦略的パートナーシップを組むことを発表した。フォードはまた、データ、人工知能(AI)、機械学習(ML)におけるグーグルの世界クラスの専門知識を活用するために、グーグル・クラウドを優先的に利用することを決定した。この新たなパートナーシップの一環として、2023年からは、フォードとリンカーンの全車種に、グーグルのアプリやサービスを内蔵したアンドロイドを搭載する。
両社の人材と資産を活用することでパーソナライズ化した消費者体験やデータ駆動型のサービスを開発していく予定だという。これには、今までになかった自動車購入時のサービスや、データに基づいた新しい所有形態の提案など、さまざまな取り組みが考えられている。
オンラインメディア『Cnet』は、自動車メーカーがIT大手と組む動きが業界で拡がっていると報じているボルボやそのパフォーマンスブランド「ポールスター」なども、アンドロイドを搭載していく方向にある。
フォードでは、例えば、カーナビ機能は地図アプリ「グーグルマップ」によって提供され、音声アシスタント機能「グーグルアシスタント」も車内で利用できるになる。そして、アプリ配信ストア「グーグルプレイ」を通じて音楽やポッドキャストを楽しむことができるようになる。
フォードとグーグルは、アンドロイドソフトウェアは自動車専用アプリを開発したい他社を歓迎しているとも述べている。フォードとしては、将来的にますますカスタマイズ化やパーソナライズ化が望まれるようになると考えているためだ。
また、今回の提携に合わせて、新組織「Team Upshift」が設立される。新組織は、グーグルのクラウド人工知能と機械学習技術の助けを借りて、自動車メーカーの業務の合理化をサポートしていくという。さらに、データを活用して、自動車販売店を運営する方法を変える可能性も計画している。これにはオンライン購入も含まれており、新型コロナウイルスの大流行によりオンラインショッピングがトレンドになっていることに対応する構えだ。
今回の提携によって、フォード側は「製品開発、製造、サプライチェーン管理の加速化 」が容易になることが期待している。例えば車のメンテナンスが必要になった場合に、所有者がリアルタイムで通知を受け取れるようなシステムを構築することも考えられているという。
戦略的パートナーシップは6年間続くことになる。
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