イーロン・マスクの衛星ネットサービス、ウクライナの人々の生命線に(2022/05/02)
イーロン・マスク率いるスペースX社の衛星インターネット・サービスが、ロシアのウクライナ侵攻直後からウクライナに提供された。現在では、推定1万台の送受信機が稼動して戦渦の中のウクライナ人を支えているという。
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『NBCニュース』によると、戦争で荒廃したウクライナの一部では、インターネット・サービスが提供できなくなっており、そうした地域では衛星ネット送受信機「スターリンク」を設置して人々に代理のネット接続サービスを提供している。現在では同国の多くの地域でネットにつながるための生命線になっているという。
キーウ周辺やウクライナ西部、北部を中心にサービスを提供しているインターネットプロバイダーFreenetのネットワーク運用責任者、ドミトロ・ジンチュク氏は「これは理想的なインターネットではないが、まったく接続できないとき、スターリンクは何週間も接続できないでいる人々にとってまさに救いの手だ。...
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『NBCニュース』によると、戦争で荒廃したウクライナの一部では、インターネット・サービスが提供できなくなっており、そうした地域では衛星ネット送受信機「スターリンク」を設置して人々に代理のネット接続サービスを提供している。現在では同国の多くの地域でネットにつながるための生命線になっているという。
キーウ周辺やウクライナ西部、北部を中心にサービスを提供しているインターネットプロバイダーFreenetのネットワーク運用責任者、ドミトロ・ジンチュク氏は「これは理想的なインターネットではないが、まったく接続できないとき、スターリンクは何週間も接続できないでいる人々にとってまさに救いの手だ。」と語っている。
キーウ在住のスターリンク愛好家、オレグ・クトコフ氏は電話インタビューで、ダウンロード速度が毎秒200メガビットになることがよくあると述べた。アメリカでは通常、このサービスのために月額110ドル(約1万4千円)を支払っている。
スターリンクは、地球低軌道衛星群との間で送受信される信号に依存しており、地球をはるかに高い高度で周回する衛星を持つ競合他社とは異なっている。NASAは、スターリンク衛星が増えると小惑星の監視に支障をきたす可能性があると警告しているが、一般的にはより速く、より信頼性の高いサービスを提供できる。ウクライナ政府は、学校、病院、村役場、消防署にもスターリンク送受信機を設置しているという。
米『ビジネスインサイダー』によると、3月から戦っているウクライナ兵士は、スターリンクの提供がウクライナ軍の大きな後押しになっていると述べたことが報じられている。兵士は、「イーロン・マスクのスターリンクは、ウクライナに有利なように戦争を変えた。ロシアは我々の通信をすべて爆破してきた。しかし、今はそれができない。スターリンクは、ロケット砲などの砲撃の下でも機能する。マリウポルでも機能している」と語った。
『ヤフーファイナンス』によると、イーロン・マスクは、ウクライナのイルピン市とボロディヤンカ市の2つの外来診療所への電力供給を目的として、テスラ社の蓄電装置「パワーウォール」もウクライナに提供している。ウクライナのフェドロフ副首相兼デジタル改革担当大臣は、「パワーウォールは高度の自律性を有し、供給が途絶えた際にバックアップの電力を提供してくれる。ロシアとの戦争で最も深刻な影響を受けた地域のウクライナ人を助ける革新的な機器である。」と絶賛している。
なお、宇宙に関するニュースサイト『スペースニュース』によると、日本も今年中にスターリンクのインターネット・サービスが始まる。KDDIがスペースXと業務提携を結び、全国約1200カ所に順次設置していく。日本の山間部や被災地域でも高速通信が可能になる。スターリンクは、自然災害や停電の際に地上通信回線が途絶えた場合のバックアップとしても機能するとしている。
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カナダ抗議デモ、トルドー首相が緊急事態法の発動を発表(2022/02/15)
カナダのトラック運転手が、先月末から新型コロナウイルスワクチンの義務化に抗議している。首都オタワの国会議事堂前で行われている抗議活動は、アルバータ州やオンタリオ州を含む複数の州に広がっているだけでなく、アメリカ、フランス、オーストラリアなど、他の国々にも広がっている。こうした中、トルドー首相が緊急事態法の発動を発表した。
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『ビジネスインサイダー』は、トルドー首相は、3週間ほど前から続いているトラック運転手の抗議行動に対して国家非常事態を宣言し、政府が公民権を一時的に無効にすることを許可した、と伝えている。
トルドー首相は月曜日の記者会見で、「これらの措置の範囲は、時間的、地理的に限定され、対処しようとする脅威に対して合理的に見合ったものになる」と述べ、「全国のあらゆるレベルの法執行機関を強化・支援する」ために使用されると付け加えた。...
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『ビジネスインサイダー』は、トルドー首相は、3週間ほど前から続いているトラック運転手の抗議行動に対して国家非常事態を宣言し、政府が公民権を一時的に無効にすることを許可した、と伝えている。
トルドー首相は月曜日の記者会見で、「これらの措置の範囲は、時間的、地理的に限定され、対処しようとする脅威に対して合理的に見合ったものになる」と述べ、「全国のあらゆるレベルの法執行機関を強化・支援する」ために使用されると付け加えた。広範囲に及ぶ緊急事態法は、カナダ政府に市民集会の禁止、旅行の制限、企業に補償付きで行動を強制する権限を与える。
この発表に対して、フリーダムコンボイの主催者は記者会見を開き、国会議事堂での抗議を継続すると宣言した。米『エポックタイムズ』によると、主催者たちは、「我々は平和的であり続けますが、義務化が取り下げられるまで国会議事堂前に居座ります。私たちは、民主的なプロセスを通して変化が起こるものだということを認識しています。我々はそのプロセスから一歩も出ていないし、出るつもりもありません。」と述べている。
主催者の一人であるタマラ・リッチ氏は、平和的なデモ参加者に対してこのような「極端な手段」が用いられていることにカナダ人は「驚くべきだ」と述べた。「参加者の中には、子供、高齢者、障害者など、真の自由民主主義が力によって応じることができない無数の弱者がいます。平和的な抗議の権利は、わが国にとって神聖なものです。その原則が放棄されれば、政府は真の専制政治であることを示し、その信用をすべて失うことになるでしょう」と語っている。
リッチ氏は、抗議行動に反対する人がいることは認識していると述べた上で、民主主義社会には「重要な意見の相違や正当な反体制者が常に存在するものです。」と指摘した。「私たちが義務化に反対する理由はたくさんあります。私たちの中には、政府から不当な扱いを受けてきた人もいますし、個人的に医療過誤を経験した先住民族のコミュニティも少なくありません。また、単に身体の自律性を求め、原則的な理由で義務化に反対している人もいます。私たちの理由や意見がどうであれ、政府が国民にどう対応するかが、国の運命を決めるのです。」と語っている。
フリーダムコンボイの報道官を務めるニューファンドランド州の元首相、ブライアン・ペックフォード氏は、これは「我々の歴史の中で非常に奇妙な瞬間」だと述べている。「緊急事態法は、政府の行き過ぎた行為です。カナダではこのようなことはしません。対話をします」と述べ、「私の理解では、トラック運転手が首都に到着して以降、連邦政府は我々との接触の試みを一度もしていません。対話を試みることすらもしないで、緊急事態法のような措置を、どうして正当化できるのでしょう。理解に苦しみます。」と述べている。
カナダの『ヤフーニュース』によると、カナダ野党保守党の暫定党首キャンディス・バーゲン氏は、同党は「デモの終結」を望んでいる一方で、トルドー首相の行動が、平和的に、「カナダ人が首相から話を聞き、耳を傾け、尊重されたと感じる」形で行われないことが懸念されていると非難した。「我々は、彼が提案していることとその根拠を見なければならず、保守党はそれを議論し、それを支持するかどうかという点で判断を下す」と述べた。一方で、彼女は、緊急事態法の発動に賛同しないことを示した州を取り上げ、トルドー首相が賛同できないカナダ人に絶えず「汚名を着せている」と指摘した。そして「首相には、自分と意見の一致しない人々と話し、耳を傾ける機会があったのに、それを拒否した。彼らの意見を受け入れられず、女性差別主義者や人種差別主義者だと罵倒することで、状況を改善することができなかった。彼は常に状況をエスカレートさせ、煽り続けた。この事態へ対応の仕方はひどいものだ。」と批判した。
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