英大手スーパー、大型トラック運転手に本社役員と同等の給与を提示
英国ではブレクシットやコロナ禍に伴い、大型トラックのドライバーが「歴史的な」人手不足に陥っている。こうした中、イギリスを代表する高級スーパーマーケットのウェイトローズは、大型トラックのドライバーに上級管理職と同程度の給与を提供し始めている。
『ヤフーニュースUK』によると、高級スーパーマーケットのウェイトローズは大型トラックの運転手に対し、週45時間から48時間の勤務で平均4万5千ポンド(約680万円)の年収を提示している。この金額は、ロンドンで働いている上級役員レベルの仕事についている人と同等の給与になるという。
バークシャー州ブラックネル市で特別なシフト体制のもとで働くトラック運転手の場合は、年収5万3780ポンド(約800万円)にもなり、ウェイトローズの上級管理職、年金専門家、財務アナリストよりも高くなる。...
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『ヤフーニュースUK』によると、高級スーパーマーケットのウェイトローズは大型トラックの運転手に対し、週45時間から48時間の勤務で平均4万5千ポンド(約680万円)の年収を提示している。この金額は、ロンドンで働いている上級役員レベルの仕事についている人と同等の給与になるという。
バークシャー州ブラックネル市で特別なシフト体制のもとで働くトラック運転手の場合は、年収5万3780ポンド(約800万円)にもなり、ウェイトローズの上級管理職、年金専門家、財務アナリストよりも高くなる。
ウェイトローズは声明の中で「大型トラックのドライバーの給与見直しは、市場競争力のある金額でドライバーを継続的に採用できるようにするためのものです。」と述べている。
7月には、濃厚接触者追跡アプリからの通知を受け、数十万人の労働者が自己隔離しなければならないほどの大混乱が起こった。このような混乱の中、ドライバーが不足し、スーパーの配送に遅れが生じ、英国中の店舗で棚が空になった。さらに昨年、約3万回分の大型車運転免許の試験がコロナ規制のために行われなかったことが人手不足を悪化させている。
ウェイトローズによると、すでに雇用されている900人のドライバーは、最大5千ポンド(約76万円)の昇給の恩恵を受けるという。一方、新人ドライバーには1千ポンド(約15万円)の入社ボーナスを支給し、人材不足の解消に努める。
大型トラック運転手の年俸アップは、他のスーパーでも広がっている。英『デイリー・エコー』によると、ドイツのディスカウントストアチェーン店であるアルディは、お店の棚が空になるほどのドライバー不足が続いていることを受けて、ドライバーの給与を引き上げることを発表している。英スーパー最大手のテスコが大型トラック運転手に1千ポンド(約15万円)の入社ボーナスを提供したことに続くものだ。このボーナスは、7月14日から9月30日までに入社した新入社員に適用される。
英国小売協会(BRC)は、追跡アプリからの通知を受けて自己隔離する従業員が大量に発生したことによる人員不足が、「小売店の営業時間の維持や棚の在庫確保をますます圧迫している」と警告している。イギリス政府はその後、食品の供給を守るための緊急対策を導入し、特定の職種に就く人は濃厚接触者として特定された場合でも自己隔離する必要がなくなるように調整した。
運送会社は、ドライバーの多くがヨーロッパ諸国出身の外国人であり、コロナ禍の中でEUに戻ってしまったことに加え、大型トラック運転手が政府の技能労働者リストに含まれていないため、英国で働くための申請書類が必要とされていることが人材不足を生み出していると主張している。
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東京オリンピック、射撃の金メダリストが現役のテロ組織隊員である可能性が浮上
7月30日に行われた10メートルエアピストル競技で、イランのジャバド・フォルギ選手が金メダルを獲得した。しかし、フォルギ選手が、米国がテロ組織とみなすイラン革命防衛隊に所属しているとして、そうした人物のオリンピックへの参加そのものに対する疑問の声が上がっている。
『ヤフー・スポーツ』によると、亡命したイラン人の人権団体「ユナイテッド・フォー・ナビド」は、国際オリンピック委員会(IOC)にフォルギ選手に関する調査を要求した。同団体は、反政府デモに参加したことを理由に、2020年にイラン政権によって処刑されたイランのレスリング選手、ナビド・アフカリ氏にちなんで名づけられた。
「ユナイテッド・フォー・ナビド」は声明で、「テロ組織に所属している人物にオリンピックの金メダルを授与したことは、イランのスポーツ界だけでなく、国際社会、特にIOCの評判にとって大きな失敗であると考える。...
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『ヤフー・スポーツ』によると、亡命したイラン人の人権団体「ユナイテッド・フォー・ナビド」は、国際オリンピック委員会(IOC)にフォルギ選手に関する調査を要求した。同団体は、反政府デモに参加したことを理由に、2020年にイラン政権によって処刑されたイランのレスリング選手、ナビド・アフカリ氏にちなんで名づけられた。
「ユナイテッド・フォー・ナビド」は声明で、「テロ組織に所属している人物にオリンピックの金メダルを授与したことは、イランのスポーツ界だけでなく、国際社会、特にIOCの評判にとって大きな失敗であると考える。41歳のフォルギは、長年にわたりそして現在もテロ組織の隊員である」と述べている。そして「イラン革命防衛隊は、イランの国民や反政府デモ参加者だけでなく、シリア、イラク、レバノンの罪のない人々を暴力で殺害してきた歴史を持っている。米国指定のテロ組織である。IOCが直ちに調査を行い、調査が完了するまでメダルの授与を保留することを求める」と述べている。
ワシントン・ポスト紙は1年前の記事で、イランの「最高指導者は革命防衛隊を使ってイラン国民に自分の意志を行使し、国内外からの脅威と思われるものを潰している」と伝えている。革命防衛隊は、武装組織のハマスやヒズボラと提携し、38万人以上の犠牲者を出した内戦中のシリアのアサド大統領による反政府デモ隊への攻撃を支援してきたという。
英『ガーディアン』は、2013年から2015年にかけて革命防衛隊で看護師としてシリアに従軍したと発言しているフォルギ選手は、表彰台で軍人としての敬礼を行ったと伝えている。同種目で、過去4回のオリンピック大会で金メダルを獲得してきた韓国のジン・ジョンオ選手は、「テロリストが1位を獲得するなんて。あまりに馬鹿げていて話にならない」とコメントしている。
ドバイのメディア『アルアラビヤ』によると、イランのメディアはフォルギ選手が勤務先の病院の地下で射撃の練習をしていたと報じているという。フォルギ選手は優勝後、シーア派12人のイマームの一人である「イマーム・マフディと最高指導者に私のメダルを捧げます」と語った。
米国在住のイラン人ジャーナリスト、フェレシュテ・ガジ氏はペルシャ語で「ブラボー、フォルギさん。私たちにはこのような勝利や喜びが本当に必要です。歴史を作ってくれたことを賞賛する」とツイートした。これに対し、イランを拠点とする反体制派の政治家で元政治犯のホセイン・ロナギ氏は、「シリア国民の虐殺に一役買った人物がメダルを獲得しても、それは喜びでも歴史的な出来事でもない。これはイランの恥です。ガジ氏、わたしたちは喜ぶのではなく、恥じるべきなのです」と反論している。
IOCのアダムス報道官は金メダリストがテロ組織の隊員であることの「何か証拠があるのであれば、我々に送ってほしい」と述べている。
なお、イスラエルの『エルサレムポスト』は、「国際オリンピック委員会(IOC)は、1972年のミュンヘン大会でパレスチナ人テロリストに殺害されたイスラエル人選手11名の追悼を、49年間、11大会連続で拒否してきた。」しかし今回、開会式で初めて追悼の黙とうが行われたことに対して「正しいことを選択した日本オリンピック委員会に、私たちは感謝する。」と報じている。一方で、テロ組織の現役隊員にオリンピックへの参加を許し、金メダルを授与したことで、IOCが再びオリンピックの炎を消すのに1日しかかからなかったと伝えている。
イランにとって東京大会での最初で唯一のメダルである。
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