フランス、マスクの生産海外依存から脱却も国内生産のものは不人気?
新型コロナウイルスの感染が拡大した昨年3月、フランスは深刻なマスク不足に陥った。フランス政府はすぐにマスクの脱海外依存を目指し国内生産に力を入れた。現在では国内産のもので在庫も十分に補充されている。しかし、仏公共放送局
『フランス・アンフォ』が調べたところ、多くの地方自治体では今でも海外生産のマスクが購入されていることが判明した。
金融紙
『レゼコー』によると、フランスで新型コロナウイルスの爆発的感染が始まった昨年3月、マスクの戦略的ストックは最低水準にあり、べラン保健相は当時、マスク在庫は成人用で1億1700万枚、医療用マスクffp2はゼロであるということを認めていた。しかし現在、1月22日時点で、フランス公衆衛生局は「4億600万枚のffp2マスク」を保持し、在庫目標2億枚の203%を達成している。
さらに、マスクの生産能力も「週に1億枚の衛生マスク(FFP2と外科用)を生産できる」ようになっている。...
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『レゼコー』によると、フランスで新型コロナウイルスの爆発的感染が始まった昨年3月、マスクの戦略的ストックは最低水準にあり、べラン保健相は当時、マスク在庫は成人用で1億1700万枚、医療用マスクffp2はゼロであるということを認めていた。しかし現在、1月22日時点で、フランス公衆衛生局は「4億600万枚のffp2マスク」を保持し、在庫目標2億枚の203%を達成している。
さらに、マスクの生産能力も「週に1億枚の衛生マスク(FFP2と外科用)を生産できる」ようになっている。財務省の試算によると、フランスでは昨年1年間の間にマスク生産能力が30倍上がり、今月1月からサージカルマスクが2億9600万枚、医療用FFP2マスクが1億1500万枚生産される見通しだと言う。昨年初めは4つの工場で生産されていたが、現在は約20の工場で生産されている。
しかし、公共放送局『フランス・アンフォ』の調査によると、自治体によっては依然としてマスクを海外から購入していることが判明した。9月1日から12月31日までに35件の入札募集が行われ、64社が落札した。その中には、いくつかの外国企業が含まれている。例えば、メトロポール・ニース・コート・ダジュールは、ポーランドの会社にサージカルマスクを注文し、イブリーヌ県では洗えるマスクをポルトガルの会社に発注している。さらに、フランスの企業に発注した場合でも、その3分の1は、実際には海外からマスクを調達していることが判明した。
なぜ自治体は国内産を購入しないのか。 メトロポール・ニース・コート・ダジュールは、価格だけでなく、ろ過の質、快適さ、見た目、洗浄回数などの仕様一覧をもとに判断したと回答している。 さらに「法律は、この種の購入に対して国または地方の優先順位を設けることを禁じている」という。フランス国立地方行政センターは「欧州の公共調達規制は、製品の地理的起源に関連する基準を禁止している」と主張している。
しかし、公法の准教授であり、「公共サービス調達協会」の会長でもあるジャン・マルク・ペリカル氏は、特定の基準を含めれば国内産を優先して購入することは可能であると考えている。「CO2排出量の項目を入れることで、遠いところで生産する企業ほど、この項目の評価が下がることになる」と説明している。一方で、国内産を推進しようとしている国の政治的意図と現場の間では、実践することが難しいギャップが存在すると指摘している。
オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域の繊維企業連合代表であるピエリック・シャルバン氏は、「地方自治体や公共サービスには模範的な行動が期待されており、果たすべき役割があるはずだ」と述べている。
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カルロス・ゴーン、ルノーの会社資産を私的流用した疑惑が浮上
仏各メディアは7日、仏自動車大手ルノーが、前会長のカルロス・ゴーン被告が2016年秋にフランスのベルサイユ宮殿で結婚披露宴を開いた際、同社資産を流用した疑いがあるとして、司法当局への通報を決めたと報じた。
同日付の仏紙
『フィガロ』によると、ルノーはベルサイユ宮殿と修復支援のために行う企業メセナ(文化支援)契約を締結し、その見返りとして、宮殿使用の特典などを獲得していた。ベルサイユ宮殿内の大トリアノン宮殿を借りるには通常5万ユーロ(約625万円)ほどかかるが、2年前のゴーン被告の披露宴という「個人的な利益」に当てられたと見られている。
『ル・モンド』によると、ベルサイユ宮殿は、ルノー側から、2016年10月8日の夕食会開催のため、大トリアノンの予約の依頼を受け、メセナ契約の見返り特典として貸し出ししたことを公表した。...
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同日付の仏紙
『フィガロ』によると、ルノーはベルサイユ宮殿と修復支援のために行う企業メセナ(文化支援)契約を締結し、その見返りとして、宮殿使用の特典などを獲得していた。ベルサイユ宮殿内の大トリアノン宮殿を借りるには通常5万ユーロ(約625万円)ほどかかるが、2年前のゴーン被告の披露宴という「個人的な利益」に当てられたと見られている。
『ル・モンド』によると、ベルサイユ宮殿は、ルノー側から、2016年10月8日の夕食会開催のため、大トリアノンの予約の依頼を受け、メセナ契約の見返り特典として貸し出ししたことを公表した。
一方『フランス・アンフォ』のインタビューに答えたゴーン被告の仏弁護士は、単純な会計上の誤りだと回答した。同弁護士は「ゴーン氏がこの部屋を予約した際、ベルサイユ宮殿はルノーからの依頼だと考え、会社からの予約として処理された」と説明し、「これは誤解から生じたことであり、私にとっては刑事犯罪のようには見えません。」と述べた。
今回の疑惑はルノーの社内調査で発覚したもので、ルノーが、ゴーン被告による社内の不正疑惑を発表するのは初めてとなる。司法調査を開始するかどうか、フランス検察当局の判断となる。
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