フランス、新型コロナウイルス第5波が収束中でも再感染が増加(2022/02/21)
新型コロナウイルスの第5波が2021年11月上旬に始まったフランスは、2022年1月中旬にピークを迎え、現在は新規感染者数が急激に減少している。一方で、デルタ株に比べてオミクロン株で再感染する人が増えていることが明らかになった。
仏公共放送局
『フランス・アンフォ』によると、フランスではこの1週間で新規感染者数が42%減少した。その一方で、再感染者数が増加しているという。
フランス公衆衛生局の最新データによると、過去1年間に41万7千件ほどの再感染を記録した。再感染とは、2ヶ月以上の間隔をあけて2回陽性となった場合のことで、12月に入ってから、再感染がフランスにおける新型コロナウイルス感染者の3.6%を占め、12月以前よりも4倍に増えた。...
全部読む
仏公共放送局
『フランス・アンフォ』によると、フランスではこの1週間で新規感染者数が42%減少した。その一方で、再感染者数が増加しているという。
フランス公衆衛生局の最新データによると、過去1年間に41万7千件ほどの再感染を記録した。再感染とは、2ヶ月以上の間隔をあけて2回陽性となった場合のことで、12月に入ってから、再感染がフランスにおける新型コロナウイルス感染者の3.6%を占め、12月以前よりも4倍に増えた。
再感染者の半数以上である52%は18-40歳の年齢層で発生しており、この年齢層に集中している原因としては、活動的で感染対策に甘くなりがちな傾向や、ワクチン接種率が低い点などが挙げられている。また、成人人口の平均と比較して、医療従事者の再感染が多く、これはウイルスにさらされる機会が多いためだと推測されている。これらの再感染は平均して8ヶ月の間隔で発生している。42%の症例では、再感染は無症状であり、検査した際に偶然発見された。なお、再感染者の8割がオミクロン株によるものだという。
再感染が増加傾向にあるものの、仏メディア『BFTMV』によると、フランス統計局が18日に「2022年1月末以降、ワクチン接種者と未接種者の両方で新規感染者数が減少している」と発表した。「2月に入ってから、コロナによる入院は、ワクチン未接種者とブースター接種を受けた人、ともに増加しておらず、むしろ減少している」と報告した。ただし、「同等の人口規模であれば、ワクチンを接種していない人の入院者数は、ブースター接種まで終わった人よりもはるかに多い」と指摘している。
オミクロン株に対しては、デルタ株の時よりもワクチンの効果は劣るものの、特にブースター投与により、「感染後の従来の入院や重症化に対して」、「20歳以上では70%以上のワクチン効果がある」とその有効性を維持しているという。さらに、40歳以上の人の死亡に対するワクチンの有効性は90%残っていると報告している。ただし、症状の発生を防ぐ効果はデルタ株の時に比べてはるかに低いという。
なお、統計局はコロナが原因で入院する確率は、「すべての年齢層でオミクロンの方がデルタより有意に低い」と報告しており、この見解は、パリ公立病院連合(APHP)も1月に「デルタ型に感染した患者の重症化による入院は、オミクロン株に感染した患者の3倍高い」と発表していた。
閉じる
一日のコロナ新規感染者が10万人を超える英国、欠勤の急増で経済停滞(2021/12/27)
連日新規感染者数が10万人を超えている英国。ロンドンでは大勢の市民がウイルスを保持しており、英国内の感染拡大の勢いが止まらない。こうした中、企業や店舗などがまたもや人手不足に陥っている。
米
『CNBC』によると、ロンドン市民の12月16日時点で約20人に1人がコロナに感染していた可能性があり、これが19日には10人に1人に急増した可能性があることを示唆されている。そのため、多くの産業や交通網が、病人の自己隔離による人手不足に悩まされ、英国の病院では患者の安全性に影響を及ぼす危険性があると警戒されている。
仏ラジオ局『フランス・アンフォ』は、オミクロン株が英国経済に影響を与えていると報じている。...
全部読む
米
『CNBC』によると、ロンドン市民の12月16日時点で約20人に1人がコロナに感染していた可能性があり、これが19日には10人に1人に急増した可能性があることを示唆されている。そのため、多くの産業や交通網が、病人の自己隔離による人手不足に悩まされ、英国の病院では患者の安全性に影響を及ぼす危険性があると警戒されている。
仏ラジオ局『フランス・アンフォ』は、オミクロン株が英国経済に影響を与えていると報じている。22日には、運転手不足により数十本の列車が運休となった。ロンドンの自然史博物館は、職員の病欠のため休館を余儀なくされている。劇場では、役者たちが濃厚接触者になっているため、プログラムがキャンセルされている。こうした状況により、規制や外出禁止令は出されていないものの、英国経済は苦境に立たされているという。
ロンドンにあるレストランのオーナーは、1日に約2万ユーロ(約258万円)の損失を出しており、少なくとも12月31日までの2週間ほど、経営している2つのレストランが休業しているという。従業員のうち42人が感染、または濃厚接触者となっているためだ。英国のホテルやレストランのオーナーたちは、今年の12月は普段の回転数の40%から60%を失っている。
仏金融ニュースサイト『ブルソラマ』によると、公共サービスの分野でもオミクロン株の影響で学校の教師が不足しており、ナディーム・ザハウィ教育相は退職した教師に一時的な復職を呼びかけている。ロンドンでは、労働組合が、消防士が「前例のない」人手不足に直面していると警告している。ウェールズでは、12月26日からすべてのスポーツ競技が無観客で行われることになった。しかし、当局が最も恐れているのは、オミクロン株の波によって圧迫される恐れのある病院サービスが、スタッフの感染や自己隔離によりによってさらに弱体化することだという。
イギリス産業連盟(CBI)は、12月に入り購買の伸びが鈍化し、通常なら1年で最も店が混雑するはずの直近1週間で、売り上げが低迷していると警告している。パンデミック発生以来、数カ月間の休業に追い込まれている接客業や小売業にとっては、パンデミックやブレクシットの影響でオミクロン発生以前から深刻だった人手不足に加え、こうした困難が重なり、多くの企業が限界に達しているという。
一時帰休助成金、付加価値税の減免、緊急融資などの政府の支援がすべて停止していた中、英国政府は21日、最も影響を受けた企業に対して10億ポンド(約1534億円)の支援を発表した。イングランドでは、レジャー・サービス業は店舗ごとに最高6千ポンド(約92万円)の補償を受けることができる。財務省は声明で「地方自治体が企業を支援するために、1億ポンド(約153億円)以上の資金が用意される」と述べている。また、政府は全国の中小企業のコロナ関連の病気休暇を負担し、さらに文化復興基金を通じて3千万ポンド(約46億円)の資金を提供する予定だという。
閉じる
その他の最新記事