【Globali】
世界コバルト市場、コンゴ民主共和国と中国に依存(2018/02/15)
パソコンやスマートフォンの普及、電気自動車産業の発展に伴い、それら製品で使用される電池の原料となるコバルトの需要が世界的に高まっている。コバルトの消費は、2012年に74,000トン、2014年に85,000トン、2016年に94,000トンと増加している。特に気候変動や地球汚染の影響への懸念が増している近年、自動車業界の電気自動車への急速な転換が予想されており、今後需要が大きく伸びると予測されている。コバルト需要は2030年までに30倍以上に増加すると予想されている。
コバルトは、世界における埋蔵量の50%-60%がコンゴ民主共和国に偏在し、世界のコバルト生産の約6割をコンゴが占めている。そのコンゴのコバルトは主に中国に販売され、中国でリチウムイオン電池の原料として使用されている。中国のコンゴからのコバルト輸入額は、2017年の最初の9ヶ月間で12億ドルであったのに対し、コンゴからの第2の輸入国であるインドはわずか300万ドルだった。First Cobalt Corpのトレント・メル社長は、「中国企業は電気自動車に対するコンゴの重要性を認識しており、コバルト生産からバッテリー生産までの生態系全体をコントロールしようとしている」と述べている。...
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コバルトは、世界における埋蔵量の50%-60%がコンゴ民主共和国に偏在し、世界のコバルト生産の約6割をコンゴが占めている。そのコンゴのコバルトは主に中国に販売され、中国でリチウムイオン電池の原料として使用されている。中国のコンゴからのコバルト輸入額は、2017年の最初の9ヶ月間で12億ドルであったのに対し、コンゴからの第2の輸入国であるインドはわずか300万ドルだった。First Cobalt Corpのトレント・メル社長は、「中国企業は電気自動車に対するコンゴの重要性を認識しており、コバルト生産からバッテリー生産までの生態系全体をコントロールしようとしている」と述べている。
中国は政府主導で電池産業の発展を目指し、国内の電池メーカーに支援金を提供し、外国の電池メーカーを基本的に締め出している。今やリチウム電池の世界での生産量の6割を中国が占めている。そのためアップル、サムスン、フォルクスワーゲン、テスラなどの世界的な大企業は、リチウム電池の供給でコンゴと中国に依存している。
フランス・アンフォ(France Info)のジャーナリスト、フランソワ・ラングレ(François Lenglet)は、このような依存について次のコメントをしている。「資本主義は、常に天然資源に依存してきたのであり、何世紀か前までは、金、銀、石炭、鉄、最近までは石油、ウランだった。資本主義の歴史とその技術革新は、ある資源から別の資源への依存の移行だけである。」そして、「将来的なカーボンフリー、オイルフリー経済への移行は、クリーン経済への移行でなく、逆に、さらに天然資源への依存を拡大させるものだ」。
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