米のイラン核合意離脱、フランス経済への影響は?
2015年からイランと米英仏独中ロ、欧州連合(EU)との間で結ばれていた核合意に8日、米が離脱を表明した。フランスメディアは、米国の対イラン制裁やイランの反応はもちろんのこと、「二次的制裁」と呼ばれる、イランとビジネス上の取引がある米国外の企業への制裁がフランス経済にどのように影響するのかについて取り上げている。
2017年、輸出入を含めるとイランの第2の貿易相手国であったフランス。フランスにとってイランは49番目の貿易相手。2016年の59位、2015年の70位から大幅に順位を上げている。
核合意後の2年間で、フランスの企業300社がイランで現地法人を設立した。 石油から農業や航空に至るまで、様々な分野の企業がイランでビジネスを始めた。
その中で今回の米国の決定で特に影響を受けるフランス企業はトータル、ルノー、PSAやアコーア社だ。...
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2017年、輸出入を含めるとイランの第2の貿易相手国であったフランス。フランスにとってイランは49番目の貿易相手。2016年の59位、2015年の70位から大幅に順位を上げている。
核合意後の2年間で、フランスの企業300社がイランで現地法人を設立した。 石油から農業や航空に至るまで、様々な分野の企業がイランでビジネスを始めた。
その中で今回の米国の決定で特に影響を受けるフランス企業はトータル、ルノー、PSAやアコーア社だ。例えば、フランスの石油グループ、トータルは、2017年7月に、ペルシャ湾にある世界最大の海洋ガス田であるSouth Parsのフェーズ11開発のため、イランとの間で17億5,000万ユーロの契約を締結している。
また、自動車のルノーは、昨年、世界第8位の市場であるイランで162,000台の自動車を販売した。 フランスは、合弁会社を通じて150,000台の追加車両を生産する新たな契約に2017年7月にも署名している。 一方、PSAグループは2017年にイランで44万3000台の自動車を販売しており、PSAとルノーは合わせてイランの自動車市場の40%(それぞれ30%と10%)を保有している。
米国の決定から数時間後、フランス外務大臣ジャン=イヴ・ル・ドリアンは、フランス企業を安心させるために、「(イランと取引しているフランス企業を)アメリカの措置からできる限り保護するために数日中に召集かける。」と発表した。
一方、国際関係戦略研究所 IRISの研究員で、Novanciaビジネススクールの教員でもある経済学者ティエリー・コビーユ(Thierry Coville)氏は、米国の離脱と経済制裁復活は、「フランス経済全般について、その影響は最小限である」と説明している。フランス・アンフォのインタビューでコビーユ氏は次のようにコメントしている。「ヨーロッパのイランへの輸出は、欧州の総輸出額の0.5%を占めている。しかし 一部のセクターにとっては非常に重要な市場だ。 自動車のプジョーにとってイランは主要な市場の一つであり、トータル社にとって、イランは世界第4位の石油埋蔵量、ガス埋蔵量は世界最大である。 しかし、フランス経済全体に対して与える影響は小さい」。
また、イラン市場は、フランスの企業にとって「近場であり、非常に興味深い市場。飛行機で5時間、支払いの問題もない市場だ。 非常に裕福な国で、自動車、エネルギー、インフラ、水、建設など、彼らのニーズはフランスが伝統的に強い分野と一致している。我々の強みを活かせる市場なので、フランス企業は関心を持っている。」とも説明している。
人口8000万を超える国への投資を続けるべきか、それとも制裁を被ることを恐れて撤退すべきか、判断が難しいところである。
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英、仏メディア:小学生の鉛筆を握って書く能力が衰えている
ハート・オブ・イングランドNHSファウンデーション・トラストの主任作業療法士サリー・ペイン(Sally Payne)氏曰く、イギリスの今の「子供たちは、10年前の子供たちが持っていた握力と手先の器用さを持たずに小学校に入学している」。その結果、以前の子供たちが出来ていたことが、今の子供たちが出来なくなってきているという。「学校で鉛筆をもらっても、手の基本的な運動機能を持っていないために鉛筆を正しく握ることができない子供たちが増えている。」ペイン氏は、「鉛筆を握って動かすには、指の細かい筋肉をしっかりとコントロールする必要がある。 子供たちにはその能力を発達させる機会がたくさん必要だ。」と説明している。
これには、近年、スマートホンやiPadなどのタブレットを幼児に早くに与えすぎていることが原因としてあげられている。親にとって「筋肉を発達させるようなブロック遊びや切ったり貼ったりする工作、またはおもちゃや紐遊びを促すよりも、子供にiPadを与える方が簡単。 そのため、子供達は鉛筆を握って持つために必要な基本的な能力を伸ばすことができていない」とペイン氏は、コメントしている。
仏の「フランス・アンフォ」では、フィンランドでは2016年から筆記体の学習をなくしており、米国では50州のうち45州が手書きよりもキーボードの操作学習を重視してきたことが述べられている。...
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これには、近年、スマートホンやiPadなどのタブレットを幼児に早くに与えすぎていることが原因としてあげられている。親にとって「筋肉を発達させるようなブロック遊びや切ったり貼ったりする工作、またはおもちゃや紐遊びを促すよりも、子供にiPadを与える方が簡単。 そのため、子供達は鉛筆を握って持つために必要な基本的な能力を伸ばすことができていない」とペイン氏は、コメントしている。
仏の「フランス・アンフォ」では、フィンランドでは2016年から筆記体の学習をなくしており、米国では50州のうち45州が手書きよりもキーボードの操作学習を重視してきたことが述べられている。しかし、言語学博士で、筆致教育学の教師であるダニエル・ドゥモン(Danièle Dumont)氏は「近年米国ではその考え方が見直され始めている」とコメント。「筆記体の学習をなくすことは、子供達から知的運動を奪うことになる。 キーボード入力の場合は、キーを指で押して、終わり。 毎回同じ動作だ。反面手書きの場合は、同じ文字を書く場合でも、どの言葉の中でその文字を書くのかによって書き方が変わってくる。典型的な例が 「en」と 「on」。同じ「n」が同じでも「n」の書き始めが前の文字によって変わってくる。」と語っている。そして「脳回路を適切に働かせれば働かせるほど、子供は学校で、また社会人生活の中で必要となる様々な能力を育てることができるのだ。」と述べている。
英国作業療法士会(Royal College of Occupational Therapists)の副所長カリン・ビショップ(Karin Bishop)氏は「子供たちが育つ世界をテクノロジーが変えたことは否めない」と語っている。 「テクノロジーの使用は多くの良い面があるものの、子供達はより多くの時間を室内で、オンライン上で過ごし、体を動かす活動に参加する時間が減少している。そして、座りっぱなしの生活やオンライン上の社会交流の増加が様々な影響をもたらしていることが浮かび上がってきている。」と述べている。
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