米軍がアフガニスタンに残していったもの(2021/09/01)
米国はアフガニスタンからの軍の撤退を完了した。しかし、米軍は現地に数百人のアメリカ人と多くのアフガニスタン人協力者だけでなく、莫大な装備を残したまま撤退していった。
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『フランス・アンフォ』は、米軍がタリバンに対して宝物を残していったと伝えている。8月30日に最後のアメリカ兵がアフガニスタンから退去した後、タリバンは、米軍が残した軍需品や、米国が20年以上にわたって武装させてきたアフガ二スタン軍の軍需品を手に入れることができたのである。今回獲得できた武器で、ここ数ヶ月のカブールへの進攻の際にすでに武器を回収していたタリバンの資源がさらに強化されることになる。
イスラエル紙『イスラエル・ハヨム』によると、約1カ月前に、アフガニスタン国防省は、米国から納入された7機の新型ヘリコプターがカブールに到着した写真をソーシャル・メディアに掲載していた。...
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『フランス・アンフォ』は、米軍がタリバンに対して宝物を残していったと伝えている。8月30日に最後のアメリカ兵がアフガニスタンから退去した後、タリバンは、米軍が残した軍需品や、米国が20年以上にわたって武装させてきたアフガ二スタン軍の軍需品を手に入れることができたのである。今回獲得できた武器で、ここ数ヶ月のカブールへの進攻の際にすでに武器を回収していたタリバンの資源がさらに強化されることになる。
イスラエル紙『イスラエル・ハヨム』によると、約1カ月前に、アフガニスタン国防省は、米国から納入された7機の新型ヘリコプターがカブールに到着した写真をソーシャル・メディアに掲載していた。ロイド・オースティン米国防長官は、その数日後に米国防総省で記者団に対し、「今後もこのような支援が着実に行われるだろう」と語っていた。しかし、数週間のうちに、タリバンは国の大部分を掌握し、逃げ出したアフガン軍が残した武器や装備もすべて奪い取った。映像では、前進する反乱軍が長い列をなしている車両を点検し、新しい銃器や通信機器、さらには軍用ドローンの入った箱を開ける様子が映し出されていた。「破壊されていないものはすべてタリバンのものになっている」と、ある米政府関係者は匿名を条件にロイター通信に語っている。
米国の現役および元政府関係者によると、これらの武器が民間人の殺害に使用されたり、「イスラム国」のような他の過激派グループがこの地域における米国の利益を攻撃するために入手したり、あるいは中国やロシアを含む敵対国に引き渡される可能性があることが懸念されているという。
バイデン政権は、こうした武器について空爆なども含めた様々な選択肢を検討しているという。しかし、人々の退避が最大の目的であるこの時期に、タリバンを敵に回すことが懸念されている。
また、別の政府関係者によると、確定した数ではないものの、現在の情報では、タリバンは米国製ハンビーを含む2千台以上の装甲車と、UH-60ブラックホーク、偵察用攻撃ヘリ、スキャンイーグル軍用無人機など最大40機の航空機を手に入れていると考えられている。米下院外交委員会の共和党トップであるマイケル・マコール下院議員は、「我々はすでに、アフガニスタン軍から奪った米国製の武器で武装したタリバンの戦闘員を目撃している。」とロイター通信に述べている。なお、米国政府関係者によると、40機から50機の航空機は、アフガニスタン人パイロットが国外退避のために自ら操縦してウズベキスタンに着陸したという。
現役および元政府関係者によると、タリバンがヘリコプターにアクセスできることを懸念しているものの、航空機は頻繁なメンテナンスが必要であり、広範囲のトレーニングを受けなければ操縦できない複雑なものが多いという。そして、「皮肉なことに、我々の装備が頻繁に故障する。不幸中の幸いである」と述べている。
しかし、米軍の撤退で、莫大な軍の装備だけでなく、数百人のアメリカ人と多くのアフガニスタン人協力者が現地に取り残されたままになっている。米『ブライトバート』によると、8月31日に放送されたCNNの番組で、セス・モールトン民主党議員は、タリバンがアフガニスタンに残っている人々の「人狩りをしている」ものの、議会はバイデン政権がアフガニスタンにいるアメリカ市民や協力者の安全な退避を促進するためにどのような計画を立てているのか知らされていないと語った。モールトン氏は、議会がその計画を把握できていないために、「取り残された人々は、次に何をすべきかを悩んでいる。私たちは彼らに何を伝えればいいのかもわからない」と付け加えた。
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フランスの調査、ロックダウンで子供たちの身体的能力と知的能力が大きく低下(2021/06/30)
フランス中部のアリエ県とピュイ=ド=ドーム県で、小学2年生と3年生の子どもたち90人を対象に行った調査によると、ロックダウンは子供たちの体重増加、注意力の喪失、知的能力の低下をもたらしたことが判明した。また、認知能力は40%低下したとして、子供たちへのロックダウンの影響が懸念されている。
フランスメディア
『フランス・アンフォ』と
『BFMTV』によると、運動や座りっぱなしの生活様式について研究を行うフランスの国立研究機関「Onaps」が、フランス中部にある二つの小学校で、小学2年生と3年生の子どもたちを対象に2019年9月と2020年9月の2回にわたって体力テストと知的能力テストを行った。その結果、ロックダウンを経験していない時期とロックダウンを経験した後の子供たちのパフォーマンスに大きな差異が出ていることが明確になった。...
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フランスメディア
『フランス・アンフォ』と
『BFMTV』によると、運動や座りっぱなしの生活様式について研究を行うフランスの国立研究機関「Onaps」が、フランス中部にある二つの小学校で、小学2年生と3年生の子どもたちを対象に2019年9月と2020年9月の2回にわたって体力テストと知的能力テストを行った。その結果、ロックダウンを経験していない時期とロックダウンを経験した後の子供たちのパフォーマンスに大きな差異が出ていることが明確になった。この調査の責任者、マルティーヌ・ドュクロス博士は、全ての項目でロックダウンの影響が明確に確認できたことに非常に驚いたと述べている。
知的能力テストでは、アルファベットとそれに関連する数字を結びつけるテストが行われた。ドュクロス博士によると、「ロックダウン前の子どもたちは、全員時間内に終了することが出来た。しかし一年後の子供たちの多くは、時間内に終了できなかった」という。
ロックダウンによる子供たちの集中力の低下に加えて、認知能力が約40%低下したことも確認された。同博士は「この年代の子どもたちは、脳のつながりを育むために刺激が必要な時期です。可塑性が高い子供の脳は、学習を促進するのです。」
調査ではまた、社会経済的に低い環境に置かれている子供ほど、ロックダウンの影響を大きく受けていることが判明した。体を動かせる屋外へのアクセスの有無、保護者のサポートの有無、オンラインコースを受講するツールの有無、栄養状態など、ドュクロス博士は「様々な要因が結果の違いをもたらした」と説明している。
子供たちの体力面でも、「走る、這う、跳ぶなどの運動能力、持久力、筋力、柔軟性などの身体能力が約30%低下している」と推定された。「座りっぱなしの生活が強いられ、健康な子供でも5~10kgの体重増加が見られた。シャトルランという持久力を測るテストでは、ロックダウンを経験した子供たちの中には、折り返し回数が1回にも満たなかった子もいた」という。博士は、こうした結果は見たことないと述べている。
保健当局は、身体活動の不足は、糖尿病や高血圧などの慢性疾患を促進するため、この傾向を早急に改善することを考えているという。
しかしフランスは、パンデミックの間、ヨーロッパの中では学校閉鎖期間が短かった国の一つである。ヨーロッパでは、イタリア、英国、ドイツが最も学校閉鎖を積極的に行った。
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