「国境なき記者団」報告書、中国が世界最大の記者拘束国
非政府組織「国境なき記者団」の報告書によると、中国は「世界最大の記者拘束国」であり、現在、少なくとも127人が拘束されているという。報告書は、「中国におけるジャーナリズムの大いなる後退」と題され、不衛生な環境での拘束、外国人特派員への脅迫や追放など、中国で取材を行おうとする人々が直面している問題を浮き彫りにしている。
仏放送局
『フランス・アンフォ』によると、フランスに本部を置く国境なき記者団は7日、「中国におけるジャーナリズムの大いなる後退」と題した調査報告書を発表した。同団体は、この調査報告書で「情報を得る権利に対する共産党政権の弾圧キャンペーンの範囲」を明らかにしたと述べている。
2022年末に開催される中国共産党第20回大会の1年前に発表された82ページの報告書は、「中国政権が使用する記者に対する弾圧手段を検証し、特に香港における報道の自由の悪化」についてまとめている。...
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仏放送局
『フランス・アンフォ』によると、フランスに本部を置く国境なき記者団は7日、「中国におけるジャーナリズムの大いなる後退」と題した調査報告書を発表した。同団体は、この調査報告書で「情報を得る権利に対する共産党政権の弾圧キャンペーンの範囲」を明らかにしたと述べている。
2022年末に開催される中国共産党第20回大会の1年前に発表された82ページの報告書は、「中国政権が使用する記者に対する弾圧手段を検証し、特に香港における報道の自由の悪化」についてまとめている。国境なき記者団のデロワール事務局長は、中国は「ソーシャルネットワーク上で密かにプロパガンダを流す政権」であり、「独裁的な政権は、検閲し、禁止する一方で、プロパガンダを行い、それをあらゆる場所に広めていくので、国境内外の情報へのアクセスをコントロールするための中国当局の戦略」についても詳述したと説明している。
報告書は、記者は「習近平の思想」を部分的に取り上げた90時間の研修を受けなければならず、国のプロパガンダにさらされるなど、「党の代弁者になることを強いられている」と指摘している。さらに、チベットからMeToo、新型コロナウイルスのパンデミックまで、「検閲に引っかからないテーマはほとんどなくなった」という。デロワール事務局長は、中国で「プレスカードを取得するためには、習近平の思想に関する知識テストがあり、記者のソーシャルネットワーク上の発言などが調べられ、少しでも道を外したら、簡単に追いやられてしまう」と語った。
しかし何よりも、報告書は、中国では少なくとも127人の記者が自分の「仕事をしただけで」刑務所に入れられていることを指摘している。投獄されている人の半数以上の71人が、ウイグル人の記者だという。デロワール事務局長は、「極めて重い判決が下されている。ウイグル人記者に終身刑の判決が下されたこともあり、これを見た他の記者の反応は容易に想像できる。必然的に恐怖を引き起こし、それによってメディアシステムを抑制することができる」と語っている。
仏『ルフィガロ』紙によると、デロワール事務局長は、「習近平は、中国における報道の自由を改善するという希望を突然終わらせた」と述べている。昨年は、18人の外国人記者が国外退去を余儀なくされ、中国のテレビ番組に出演していたオーストラリア人記者が逮捕された。2020年初頭に新型コロナウイルスが最初に発見された武漢市での都市封鎖を取材した後、プロ・アマ問わず少なくとも10人の記者が逮捕された。そのうちの1人、フリージャーナリストの張展は、4年の懲役を言い渡された。
なお、仏『レゼコー』は、世界で投獄されている記者の数が過去最多になったと報じている。米ニューヨークに本部を持つ民間団体、ジャーナリスト保護委員会は、世界で獄中にいる記者の数は293人に上ると伝えている。2020年は280人であった。また、今年世界で殺害された記者は24名に上り、そのうち19名は「仕事に対する報復」とされている。
ジャーナリスト保護委員会は、逮捕の理由は国によって異なるものの、この記録的な数は、世界中の政治的変化と独立した報道に対する不寛容さの高まりを反映していると述べている。事務局長のジョエル・サイモン氏は声明の中で、「これで6年連続して、世界中で投獄されている記者の数が過去最多となった。この数字は、情報を完全に管理しようとする各政府と、そのために手段を選ばない政府の傲慢さという、2つの難題を反映している」と述べている。
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感染再拡大の欧州、コロナ規制強化に各地で抗議デモ
新型コロナウィルス感染が再拡大するヨーロッパで、複数の政府が外出禁止令やワクチン接種の義務化など、規制強化を発表した。こうした動きに対し各地で市民による抗議デモが増加している。
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『ル・モンド』紙によると、オランダでは、二晩続けてコロナ対策の強化に対する暴力的な抗議活動が行われた。地元メディアは複数の街で破壊行為が行われたと伝えている。警察は、19人を逮捕したと発表している。首都ハーグでは、石などを投げつけるデモ隊に、機動隊が突撃し、複数の警察官が負傷した。
ブリュッセルでは、3万5千人ほどがデモ行進に参加した。平和的にスタートしたものの、その後、石などを投げたデモ参加者のグループに警察が放水車や催涙ガスを使用した。...
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仏
『ル・モンド』紙によると、オランダでは、二晩続けてコロナ対策の強化に対する暴力的な抗議活動が行われた。地元メディアは複数の街で破壊行為が行われたと伝えている。警察は、19人を逮捕したと発表している。首都ハーグでは、石などを投げつけるデモ隊に、機動隊が突撃し、複数の警察官が負傷した。
ブリュッセルでは、3万5千人ほどがデモ行進に参加した。平和的にスタートしたものの、その後、石などを投げたデモ参加者のグループに警察が放水車や催涙ガスを使用した。放水車の支援を受けた機動隊が群衆に突撃し、少なくとも2名の警察官が負傷した。また、デモ参加者1名が救急車で運ばれた。ベルギー政府は17日に、マスク着用義務を拡大するとともに、在宅勤務に戻ることを指示していた。
オーストリアでは21日の午後、約6千人の人々が北部リンツで、政府のコロナ対策に反対する平和的なデモを行った。前日には、首都ウィーンで4万人の抗議者を集めた大規模なデモが行われた。政府は、ワクチンを受けていない人だけを外出禁止にするという政策を発表していたが、12月13日までに全国的なロックダウンが実施されることになった。
カリブ海に浮かぶフランスの海外県、グアドループでは、抗議デモが道路の封鎖や暴力に発展するなど混乱が生じた。火災と略奪行為により、夜のうちに38人が逮捕され、機動隊に2人の負傷者が出た。
仏メディア『フランス・アンフォ』によると、グアドループ島では、コロナパスや医療従事者へのワクチン接種の義務化に反対する人たちによるゼネストが、ここ数日で暴動に発展したという。夜間外出禁止令が発令されたばかりの19日の夜、薬局や携帯電話販売店が略奪された。20日の夜には、警察が銃撃を受け、1名が軽傷を負った。フランス政府は、援軍として島に治安部隊を送ることを決定した。
デンマークでは、1年前に始まった小さな抗議運動が活発化している。反体制を主張する過激な「メン・イン・ブラック」運動が初の集会を開催し、コペンハーゲンでは警察発表で1千人、主催者発表で2千人が抗議デモに参加した。「メン・イン・ブラック」は、ヘルスパスの復活に抗議している。
スウェーデンでは土曜日の午後、ストックホルムで200人から300人の参加者を集めた小規模なデモが行われた。100人以下の屋内集会でのワクチンパスの導入に抗議している。
なお、ヨーロッパから遠く離れたオーストラリアでも、生活がほぼ平常に戻ったにもかかわらず、特定の地域で特定の職種にのみ義務付けられている強制接種に抗議して、シドニーでは1万人、メルボルンでは数千人によるデモ行進が行われた。
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