4月26日付
『ウォールストリート・ジャーナル』、
『ニューヨーク・タイムズ』、
『AP通信』、
『CBSニュース』等が、トランプ陣営が控訴していた、2020年大統領選の結果を覆そうとしたトランプ前大統領の疑惑捜査に関わるペンス前副大統領の証言差し止め請求が連邦高裁によって却下された旨一斉に報道している。
ワシントンDCの米連邦控訴審は4月26日、2020年大統領選に関わるドナルド・トランプ前大統領(76歳、2017~2021年在任)の不正疑惑について、トランプ陣営が控訴していた、マイク・ペンス前副大統領(63歳、2017~2021年在任)による連邦大陪審での証言差し止め請求を却下する決定を下した。
米連邦ワシントンDC地裁は3月末、トランプ陣営から提訴されていた、同前副大統領の証言差し止め請求を棄却する判断を下していた。
本件疑惑は、メリック・ガーランド司法長官(70歳、2021年就任)が任命したジャック・スミス特別検察官(2022年就任)によって捜査が進められていた。
すなわち、同特別検察官は、同前大統領による2021年1月6日発生の議事堂乱入事件への関与疑惑等について捜査していて、同前副大統領に対して、事件当日の前大統領との会話等について証言するよう求めていた。
同前副大統領は当初、米憲法第1条第6節に謳われた、“上下院議員の身分にある者の不逮捕特権や免責等”を理由として証言を拒んでいたが、連邦地裁がこの請求を退け、証言するよう命令していた。
そこで、同前副大統領が控訴することを諦め、証言する旨表明したことから、トランプ陣営がこの証言を阻止すべく、法廷闘争に打って出ていたものである。
なお、連邦控訴審の今回の判断は、グレゴリー・カサス判事(58歳、2017年トランプ大統領によって任命)、パトリシア・ミレット判事(59歳、2013年にオバマ大統領によって任命)及びロバート・ウィルキンス判事(59歳、2014年にオバマ大統領によって任命)の合議によってなされている。
一方、連邦地裁は今年3月、議事堂乱入事件に関し、前大統領側近だったマーク・メドウズ前首席補佐官(63歳、2020~2021年在任)、ダン・スキャビノ前次席補佐官(2020~2021年在任)、スティーブ・ミラー前政策担当上級顧問(37歳、2017~2021年在任)等に対しても、連邦大陪審で証言するよう命令を下している。
閉じる
3月22日付
『AP通信』:「中国がロシアを支持する中、岸田首相がウクライナへの支援を表明」:
岸田首相が21日キーウを電撃訪問した。一方、中国の習主席はロシアでプーチン大統領と会談、二重外交が繰り広げられた。約800キロ隔て行われた2カ国への訪問に、13ヶ月に及ぶ戦争の背景がよく表われている。
習氏とプーチン氏は、中国との和平合意での進展は示せなかったが、プーチン氏は、西欧次第で戦争終結にむかう基礎になりうる合意だと述べている。...
全部読む
3月22日付
『AP通信』:「中国がロシアを支持する中、岸田首相がウクライナへの支援を表明」:
岸田首相が21日キーウを電撃訪問した。一方、中国の習主席はロシアでプーチン大統領と会談、二重外交が繰り広げられた。約800キロ隔て行われた2カ国への訪問に、13ヶ月に及ぶ戦争の背景がよく表われている。
習氏とプーチン氏は、中国との和平合意での進展は示せなかったが、プーチン氏は、西欧次第で戦争終結にむかう基礎になりうる合意だと述べている。米国当局は、中ロの和平プランは、停戦はロシアの領土支配を認めるもので、また反撃の時間を与えるものだとし、受け入れられないとしている。
岸田氏との会談後、ゼレンスキー氏は報道陣に対し、中国へ和平案を送ったが、返事がない、具体的な対話の可能性はないとした。岸田氏は、ロシアの侵攻を「国際法秩序の基盤をむしばむ不名誉な行為」とし、戦争が終結に至るまでウクライナへの支援を継続すると表明した。
ラーム・エマニュエル駐日米国大使は、21日「2つの対極的なEUと太平洋地域のパートナーシップ」が築かれたと述べた。国際刑事裁判所によるプーチン氏への逮捕状を念頭に、「岸田氏は自由を支持し、習氏は戦争犯罪を支持している」とツイッターに投稿。中ロ両国は人権問題で国際的な批判を受けている。
5月にG7サミットを主催する岸田氏は、G7首脳で最後にウクライナを訪問する首脳となった。インドでモディ首相との会談を終えた数時間後、ポーランドから電車で移動。習氏とプーチン氏が晩餐会を行う数時間前、岸田氏は残虐行為のあったブチャの教会で献花していた。
日本は、対中国、対ロシアで領土問題を抱え、特に中国とロシアの関係を懸念している。中ロは日本近海で合同軍事演習も行っている。
岸田氏が戦後の首相として戦闘地域を訪問した最初の首相となった。平和憲法により、ウクライナへの支援は人道的物資供給など限定的なものとなっている。日本は中国軍が覇権を主張する東アジアに戦争の影響が及ぶことを懸念している。中国外務省の報道官は、「日本が情勢の沈静化に有益なことを行うよう望む」としている。
3月21日付米『ニューヨーク・タイムズ』:「G7首脳として最後にウクライナを訪問した岸田首相」:
国際情勢においてより積極的な役割を果たそうとする日本の岸田首相がウクライナを電撃訪問、G7首脳として最後に同国を訪問する首脳となった。
ロシアによるウクライナ侵攻により、地政学的な情勢不安が増したことで、日本の外交、軍事政策は大きな変化を遂げた。政治家も国民も、北朝鮮からの挑発や、中国による台湾侵攻など、周辺諸国の危機への準備不足を懸念している。
ウクライナ侵攻により、日本はその多くを輸入に頼る食料やエネルギーで、他国への依存への懸念が生じている。侵攻後は天然ガスの価格が急騰し、電気料金も値上がりしている。
憲法により軍事活動への従事は制限され、国民は平和主義からの転換を示す政策へ抵抗してきたが、防衛費をNATO加盟国と並ぶGDP比2%へ増強。アジア太平洋地域の軍事危機で、より積極的な役割を果たす準備とみられている。また、G7諸国と並び、ロシアへの制裁を課し、ウクライナへ非戦闘物資や財政支援を行っている。
日本では首脳の行動は通常、かなり前から詳細に報道されており、首相が秘密裏に外国を訪問するのは非常に稀なことである。
閉じる