米著名歌姫の東京公演;日本人観客からマナー違反の海外ファンに苦情【米メディア】(2024/02/11)
米著名歌姫のテイラー・スウィフトの東京公演が始まった。直前に、米グラミー賞(注後記)で史上最多となる4度目の最優秀アルバム賞を受賞したばかりとあって、4夜連続の東京ドーム公演は完売の盛況である。しかし、サッカー観戦等で日本人はマナー良好と世界的に有名になっているが、それが仇となってか、今回の公演では高額なVIPチケットを買った複数の観客から、海外ファンが自席に止まらず勝手にステージ前に押し寄せて立ったまま応援するため、彼女のステージが全く見えないとの苦情が相次いでいる。
2月10日付
『ニューヨーク・タイムズ』紙は、米歌手テイラー・スウィフトの東京公演で、マナーを守る日本人観客からマナー違反の海外ファンに苦情が相次いでいると報じた。
米著名歌姫のテイラー・スウィフトが、2月7~10日の4夜連続で、東京ドームでコンサートを行っている。
世界のトップアーティストの仲間入りをしている彼女は、2月4日に発表されたグラミー賞で、史上最多となる4回目の最優秀アルバム賞を受賞していたこともあって、東京公演は連日完売となっている。...
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2月10日付
『ニューヨーク・タイムズ』紙は、米歌手テイラー・スウィフトの東京公演で、マナーを守る日本人観客からマナー違反の海外ファンに苦情が相次いでいると報じた。
米著名歌姫のテイラー・スウィフトが、2月7~10日の4夜連続で、東京ドームでコンサートを行っている。
世界のトップアーティストの仲間入りをしている彼女は、2月4日に発表されたグラミー賞で、史上最多となる4回目の最優秀アルバム賞を受賞していたこともあって、東京公演は連日完売となっている。
ただ、ここで問題が生じてしまっているが、それは世界に名だたるマナー上等の日本公演に、アジア他多くの国から数千人が訪日してきていることである。
すなわち、サッカーやその他多くの国際スポーツイベントで、試合後に多くの日本人サポーターや観客がゴミ拾いをすること等で有名になっているが、海外ファンにはこのマナーが理解できない節があるからである。
例えば、日本の複数の観客が以下のようなマナー違反についての苦情を投稿している。
● VIPチケット(13万円、約870ドル)購入の観客
・前から3番目の席だが、多くの海外ファンが自席を離れてステージ前に殺到し、かつ立ったままで盛り上がっているため、自席からステージが良く見えない。
・“自席に座ったままで視聴”というルール・マナーを守っていると、彼女のステージが観られないというのはとても悲しいことだ。
● 別の投稿者
・自分のスマートフォンで回りの様子を録画したが、その画像より、如何に多くの海外ファンが全くルールを守っていないことは一目瞭然だ。
● 31歳の作業療法士
・明らかに日本人ではない海外ファンの多くが、ルールを守らずに離席して他の観客の視聴を妨害している。
・彼女を間近で見られる絶好の機会と、最も高いVIPチケットを購入したが、ルール無視の観客の前では全く無価値となってしまった。
このような不平不満は、ある意味では、コロナ禍後の経済回復の一環で、以前のように外国人観光客受け入れ増に期待していることに対する、日本人の複雑な気持ちを代弁しているかも知れない。
すなわち、日本政府観光局によると、2023年には2,500万人以上が日本を訪れ、コロナ禍前の2019年の80%近くに達したという。
しかし、岸田文雄首相(66歳、2021年就任)は、“外国人観光客が回復基調にあることは歓迎するが、一方で一部の地域や時間帯では、過度な混雑やマナーの悪さが地域住民の生活に影響を与えている”とし、“結果として、旅行者自身の満足度をも低下させることが懸念される”と発言しているからである。
(注)グラミー賞:米音楽産業において優れた作品を創り上げたクリエイターの業績を讃え、業界全体の振興と支援を目的とする賞。初回は1959年。今日、世界で最も権威ある音楽賞のひとつとみなされており、テレビにおけるエミー賞、舞台におけるトニー賞、映画におけるアカデミー賞と同列に扱われる。毎年2月に授賞式が行われ、著名なアーティストによるパフォーマンスや代表的な賞の授賞の模様が全米をはじめ世界の多くの国で放映される。
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BRICSサミット主催の南ア、プーチン逮捕の義務を負いたくないので代理人を出席させるようロシア側と最終交渉【米・ロシアメディア】(2023/07/15)
南アフリカ共和国(1910年建国)は8月下旬、同国で新興5ヵ国首脳会議(BRICSサミット)を主催する。ただ、出席を希望するウラジーミル・プーチン大統領(70歳、2000年就任)に対して、国際刑事裁判所(ICC、注後記)から逮捕状が出されているため、ICC加盟国の南アには逮捕義務が課せられる。そこで、南ア大統領が今月末、代理人を出席させるよう、訪ロの上でプーチン大統領と直談判する意向である。
7月15日付米
『ニューヨーク・タイムズ』紙、
『AP通信』、ロシア
『ロシア・ヘラルド』紙等は、南ア大統領が、8月下旬に同国で開催するBRICSサミットに代理人を立てるよう、ロシア側を説得すべく奔走していると報じている。
南アは今年8月22~24日、ヨハネスブルグにおいてBRICSサミットを主催する。
ただ、南アにとって大きな問題は、ICCから逮捕状が出されているウラジーミル・プーチン大統領が同サミットに出席するとなると、ICC加盟国である南ア政府には同大統領を逮捕する義務が生じることになることである。...
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7月15日付米
『ニューヨーク・タイムズ』紙、
『AP通信』、ロシア
『ロシア・ヘラルド』紙等は、南ア大統領が、8月下旬に同国で開催するBRICSサミットに代理人を立てるよう、ロシア側を説得すべく奔走していると報じている。
南アは今年8月22~24日、ヨハネスブルグにおいてBRICSサミットを主催する。
ただ、南アにとって大きな問題は、ICCから逮捕状が出されているウラジーミル・プーチン大統領が同サミットに出席するとなると、ICC加盟国である南ア政府には同大統領を逮捕する義務が生じることになることである。
ICCは今年3月、ウクライナの子供らをロシア支配地域に強制的に移動させた罪で同大統領の逮捕状を発行していた。
かかる背景より、南ア政府としては、同サミットをオンライン形式とする案や、急遽開催地をICC未加盟の中国に移す案を出していたが、いずれも否定されてしまっている。
南アのポール・マシャティル副大統領(61歳、2023年就任)が7月15日、南アメディア『ニュース24』オンラインニュース(1998年設立)に語ったところによると、“プーチン大統領は、習近平国家主席(シー・チンピン、70歳、2012年就任)や他首脳との会談を強く希望している”としながらも、“(ICC加盟国の義務とは言え)我々が同大統領を逮捕することはしたくないので、出席を考え直して欲しいというのが切なる願いだ”という。
南ア政府はかつて、ICCから人権侵害や集団殺戮の罪で逮捕状が出されていたスーダンのオマル・アル=バシール大統領(現79歳、1993~2019年在任)が2015年に南ア訪問した際、逮捕を怠るという失態を演じていた。
かかる事態もあって、南アがもし今回も不逮捕という事態を招くと、BRICS加盟国とは別に、経済連携を深めたい米国やその他西側諸国からの非難を浴びる恐れがあり、それを避けたいという思惑もある。
特に、米国からは、昨年12月にケープタウン近郊の南ア海軍基地に入港したロシア船に、ウクライナ戦争に投入可能な武器を積載して出航させたとの疑いがかけられており、南ア政府は否定しているものの、米国は厳しく糾弾している。
そこで南ア政府としては、シリル・ラマポーザ大統領(70歳、2018年就任)が7月末、サンクトペテルブルグで開催されるロシア・アフリカ首脳会議出席の機会を捉えて、プーチン大統領と直接会って、セルゲイ・ラブロフ外相(73歳、2004年就任)に代理人出席させるよう最終交渉をする意向である。
(注)ICC:1998年7月の国連全権外交使節会議において採択されたICC規程に基づき、2003年3月にオランダのハーグに設置された国際裁判所。国際関心事である重大な犯罪について責任ある「個人」を訴追・処罰することで、将来において同様の犯罪が繰り返されることを防止することを目的としている。世界122ヵ国が締約しているが、米・中・ロは未加盟。
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