米国大使等が長崎平和式典を欠席、イスラエル欠席を受け(2024/08/09)
毎年広島と長崎で開催されている平和祈念式典で、広島へは招待されていたイスラエルの不招待を理由に、米国、英国などの西側諸国の大使らが長崎での出席を見合わせた。大使級ではなく、下の級の代表は参列しているという。
8月8日付米
『CNN』:「駐日大使が長崎平和式典欠席へ、イスラエル除外を受け」:
米国のエマニュエル駐日大使は、イスラエルが除外されたことで、長崎の平和式典に不参加となる。
米国による原子爆弾が投下された時刻に黙祷を捧げる今年の式典には100カ国以上の代表が出席する。長崎の鈴木市長は、先週、西側諸国の警告にもかかわらず、安全上の理由でイスラエルを除外するとした。
7月19日付でフランス、ドイツ、イタリア、米国、およびカナダ、英国、EUの代理公使が市長に宛てた書簡では、「イスラエルが除外されれば、式典に上級レベル代表の出席は難しくなるだろう」とされている。...
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8月8日付米
『CNN』:「駐日大使が長崎平和式典欠席へ、イスラエル除外を受け」:
米国のエマニュエル駐日大使は、イスラエルが除外されたことで、長崎の平和式典に不参加となる。
米国による原子爆弾が投下された時刻に黙祷を捧げる今年の式典には100カ国以上の代表が出席する。長崎の鈴木市長は、先週、西側諸国の警告にもかかわらず、安全上の理由でイスラエルを除外するとした。
7月19日付でフランス、ドイツ、イタリア、米国、およびカナダ、英国、EUの代理公使が市長に宛てた書簡では、「イスラエルが除外されれば、式典に上級レベル代表の出席は難しくなるだろう」とされている。
この動きは、イスラエル代表を招待していた広島のときとは対照的で、広島ではイスラエルの出席により親パレスチナ団体からの抗議が起きていた。どちらの市も、ガザへの爆撃を理由にイスラエルを除外したことで、活動家や被爆者団体からの圧力を受けている。
ロシアとベラルーシは、ウクライナ侵攻をめぐり式典に招待されていない。活動家たちは、長崎と広島が同じくイスラエルを除外することを希望していた。
エマニュエル大使は8日、イスラエル除外は政治的なものであり、欠席する以外に方法はないとしており、「9日の大使館での黙祷に加え、増上寺での平和式典に出席する」と報じられた。米大使館によると、他の駐日領事館にも同様の対応をするよう指示したという。
8月7日付以色列『タイムズ・オブ・イスラエル』:「西側大使らが長崎祈念式典を欠席、イスラエル不招待を受け」:
米国と英国は、長崎市長は「式典を政治問題化」していると批判し、平和式典には下の階級の代表を送り、豪州、イタリア、カナダ、EUもこれに続くとしている。
政府当局は7日、イスラエルへの冷遇を受け、米国を含む西側諸国の大使らが、79年目を迎える祈念式典を欠席すると発表した。
長崎市長は先週、イスラエル・ハマス戦争を巡る抗議のリスクを理由に、ギラッド・コーエン駐日イスラエル大使を式典に招待しないと発表。その後7日に米国と英国大使は、下の級の代表が代わりに出席するとして式典への欠席を発表。
米国、英国、ドイツと並び、豪州、イタリア、カナダ、欧州連合が、先月の長崎市長への合同書簡に署名したと報じられている。スポークスパーソンによると、式典を欠席するラーム・エマニュエル駐日米国大使は、代わりに東京の寺院での行事に参加するという。
ジュリア・ロングボトム駐日英国大使も不参加で、イスラエルを他に招待されていない唯一の国である「ロシアやベラルーシと同等に扱うことは不幸や誤解を生むもの」としている。フランス大使のスポークスパーソンは、「イスラエル代表の不招待決定は残念で疑問」だとしている。欧州連合大使は「予定を理由に」欠席するとし、ドイツ大使は、上級代表の代理として政治部門の首長が参加するとしている。
先週長崎市長は、不招待は「政治的理由からではない」が、「式典を平和で厳粛な雰囲気で行う」ためだとしている。市長の鈴木氏は6月、イスラエル大使にガザでの「早急な停戦」求める書簡を送っていたという。
広島に招待されていたコーヘン大使は、先週の長崎の決定は「世界に誤ったメッセージを送る」とし、ソーシャルメディア「X」には「日本とは親密関係にあり、イスラエルは犠牲や遺族を尊び式典に何年も出席してきた」と投稿。
コーヘン氏は5日米メディアに、安全上の懸念とは「作られたもの」で、「政治的理由で式典をうばったことに驚かされた」と吐露した。
広島と長崎の式典は毎年開催されている。米国が投下した原子爆弾で10万人以上が死亡、日本の無条件降伏により、第二次大戦の終決につながった。
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先進国の核保有数増加、シンクタンク(2023/06/12)
大手シンクタンクは、主要軍事国が保有する核弾頭の数は増加傾向にあるとし、世界は「人類史上最も危険な局面の一つに入りつつある」と警告している。
6月12日付英
『ガーディアン』:「主要国の核兵器保有数増加、シンクタンク」:
大手シンクタンクのストックホルム国際平和研究所は、主要軍事国が保有する核弾頭の数は増加傾向にあるとし、世界は「人類史上最も危険な局面の一つに入りつつある」と警告している。
国際関係が悪化し、核による軍事威嚇が高まる中、現在世界には12,512個の核弾頭があり、そのうち9,576個は使用可能な状態にあると推定されている。...
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6月12日付英
『ガーディアン』:「主要国の核兵器保有数増加、シンクタンク」:
大手シンクタンクのストックホルム国際平和研究所は、主要軍事国が保有する核弾頭の数は増加傾向にあるとし、世界は「人類史上最も危険な局面の一つに入りつつある」と警告している。
国際関係が悪化し、核による軍事威嚇が高まる中、現在世界には12,512個の核弾頭があり、そのうち9,576個は使用可能な状態にあると推定されている。その数は昨年より86個多くなっているという。
東西冷戦により徐々に減少傾向になっていた核弾頭は一転し増加傾向を示している。同研究所は、新核弾頭のうち60個は中国が保有するものだとしている。その他は、ロシアが12個、パキスタンが5個、北朝鮮が5個、インドが4個を保有、全体ではロシアと米国がほぼ9割を所有する。
世界の核弾頭の中には解体されるものも含まれるため、3,844個がミサイルや軍用機へ配備されているとみられる。そのうち約2000個は、その殆どはロシアと米国が保有しており、すぐに使用可能な状態であるとみられる。
一方で、ロシアによるウクライナ侵攻以来、ロシア、英国、英国を含む多くの国が透明性を欠いていることから、その全容を把握するのは困難だとしている。
第3の保有国である中国は、2022年の350個から410個に増加。増加が続くとみられているが、米国やロシアを上回ることはないとみられる。中国は核兵器の数を公表したことはなく、評価の多くは米国防総省のデータに基づくものである。
次いで、フランスと英国が保有数の多い国だが、英国は2年前、保有数を225から260個へ引き上げると発表していることから、今後増加すると予測されている。
同日付『タイムズ・オブ・イスラエル』(AFP通信):「核兵器増加、中国で顕著」
12日のシンクタンクの発表によると、昨年、中国などの数カ国の核弾頭保有が増加傾向にあり、核保有国は地政学的緊張が高まる中、装備の最新鋭化を継続しているという。
世界の核保有9カ国に関する年次報告書によると、保有を認めていないイスラエルも保有数を拡大していない4カ国(米国、英国、フランス)に含まれているという。
核保有9カ国である英国、中国、フランス、インド、イスラエル、北朝鮮、パキスタン、ロシア、米国の合計核弾頭数は、2023年はじめ12,512個で、昨年はじめの12,710から減少している。
使用可能な核弾頭の数は、1980年代の7万個以上には遥かに及ばないが、上昇傾向にあるという。増加幅が大きいのは中国で、350個から410個へ増加。インド、パキスタン、北朝鮮でも増加傾向にあり、ロシアでは、4,477個から4,489個へと、やや増加している。
イスラエルの保有数については、これまで同様90個だとするが、核開発計画が不明瞭なため、非常に不透明だとしている。
報告書では核兵器増加に関して、ウクライナ侵攻は近年の出来事であり、保有国の多くは中国のようなに直接的な影響を受けた国ではないため、時間を要する核兵器増加を語るには少しずれがあるとする。
中国は経済力と影響力が増したことで、軍事強化を図ってきた。世界の大国として巨大化した中国は、今日の世界のリアリティなのである。
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