中ロ両海軍;東シナ海及び青島沖の黄海で初の合同実弾演習実施【米・中国メディア】
5月6日付Globali「
米軍;4月末の台湾海峡に続いて南シナ海の中国主張領海内における航行の自由作戦実行」で触れたとおり、フランス海軍に続いて、米海軍も中国による一方的な海洋進出を牽制する動きを活発化している。そして、この動きに対抗するかのように中国海軍はこの程、ロシア海軍と共同で、東シナ海及び青島(チンタオ)沖の黄海において、初の海上実弾演習を実施、中ロ両国が協力して西側に対峙していく姿勢をアピールした。
5月8日付米
『ザ・ディプロマット』オンラインニュース:「中ロ両軍、海上において初の合同ミサイル実射演習実施」
中国人民解放軍海軍(PLAN)及びロシア海軍は5月4日、海上における初の合同ミサイル実射演習を実施した。
中国メディア『環球時報』によると、両海軍は対艦巡航ミサイルによる攻撃防御のため、地対空ミサイルを実射したという。
PLANからは駆逐艦“哈爾濱(ハルピン)”、ロシア海軍からは対潜駆逐艦“アドミラル・トリブツ”が参加し、両艦から発射された短距離対空ミサイルは見事標的ミサイルを撃ち落としたという。...
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5月8日付米
『ザ・ディプロマット』オンラインニュース:「中ロ両軍、海上において初の合同ミサイル実射演習実施」
中国人民解放軍海軍(PLAN)及びロシア海軍は5月4日、海上における初の合同ミサイル実射演習を実施した。
中国メディア『環球時報』によると、両海軍は対艦巡航ミサイルによる攻撃防御のため、地対空ミサイルを実射したという。
PLANからは駆逐艦“哈爾濱(ハルピン)”、ロシア海軍からは対潜駆逐艦“アドミラル・トリブツ”が参加し、両艦から発射された短距離対空ミサイルは見事標的ミサイルを撃ち落としたという。
PLANが発表した声明によれば、両軍は4月29日~5月4日、東シナ海及び青島沖の黄海上で“合同海上演習2019”を開催しており、その一環で合同ミサイル実射演習を行ったとする。
同声明では、“合同海上演習2019”にはPLANから潜水艦1隻、ミサイル駆逐艦2隻、ミサイル・フリゲート艦3隻、潜水艦救難艦1隻が、一方ロシア軍からは、フリゲート艦、ミサイル巡洋艦、大型揚陸艦、海上捜索救助支援船、及びディーゼル型攻撃潜水艦それぞれ1隻が参加しているという。
この演習に関係して、航空自衛隊戦闘機が4月24日、対馬列島から150キロメーター北東海上において、“合同演習2019”に参加するため航行中のロシア艦隊を監視するため追尾飛行した。
また、同じく5月3日にも同自衛隊機が、日本海及び東シナ海上空を飛行するツボレフTu-142MZ海上偵察・対潜戦闘機2機に対して、スクランブルをかけている。
『環球時報』に掲載されたPLAN声明では、“レッド・チーム(米国製戦争ゲームの米敵対グループ、すなわち中ロ連合)はブルー・チーム(同ゲーム中の米国軍)からの攻撃に備えるため、合同防衛訓練及び両軍の連携強化等様々な合同演習”を行ったという。
なお、これまで中ロ合同海上演習は、南シナ海、東シナ海、日本海、地中海、及びバルト海で実施されてきている。
一方、同日付中国『環球時報』:「中国海軍、台湾海峡北部で実弾演習実施」
PLANは5月5日午前6時~10日午後6時までの間、台北北部の浙江省(チョーチアン)沖の東シナ海で、実弾演習を実施している。
上海の軍事専門家の呉建(ウー・チャン)氏が5月6日に『環球時報』に語ったところによれば、これは毎年行われている演習で、5月4日までの6日間、中国東部の山東省(シャントン)沖でロシア軍と行われた“合同海上演習2019”に続くものであるという。
また、これに引き続き、PLAN・タイ海軍合同演習が5月9日まで、中国南部の広東省(カントン)で行われているという。
なお、同氏によれば、最近米軍艦が頻繁に台湾海峡を無許可航行しているが、今回の海上演習はこれに対抗するためのものではなく、予め3~5月に計画されていた年次合同実弾演習であるとする。
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米陸軍;2020年には対北朝鮮より中国警戒で東・南シナ海に重点【米メディア】
3月23日付Globali
「米海兵隊;南シナ海での中国横暴に対峙するため出動準備万端」で報じたとおり、米国防総省が提案した2020年度(2019年10月~2020年9月)国防予算案では、ロシアや北朝鮮よりも、肥大化する中国の軍事的脅威への対抗措置が中心となっている。そして、先月には米海兵隊が沖縄の伊江島で、実戦さながらの上陸訓練を実施し、南シナ海における有事に対して準備万端としている。更に、この程米陸軍トップも、2020年には東・南シナ海の防衛に注力していく方針を明らかにした。
4月16日付
『ザ・ディプロマット』オンラインニュース:「米陸軍少将、南シナ海での実戦訓練に注力と表明」
太平洋方面駐留米陸軍司令官のロバート・ブラウン少将は、2020年には南シナ海、更にできれば東シナ海において、中国を念頭に置いた実戦訓練に注力するとの方針を明らかにした。
同少将によれば、既に西太平洋に駐屯している陸軍部隊を増強し、米同盟国のフィリピンやタイ、更には、マレーシア、インドネシア、ブルネイにおいても実戦訓練を実施する意向であるという。...
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4月16日付
『ザ・ディプロマット』オンラインニュース:「米陸軍少将、南シナ海での実戦訓練に注力と表明」
太平洋方面駐留米陸軍司令官のロバート・ブラウン少将は、2020年には南シナ海、更にできれば東シナ海において、中国を念頭に置いた実戦訓練に注力するとの方針を明らかにした。
同少将によれば、既に西太平洋に駐屯している陸軍部隊を増強し、米同盟国のフィリピンやタイ、更には、マレーシア、インドネシア、ブルネイにおいても実戦訓練を実施する意向であるという。
同少将は、訓練の詳細については明らかにしなかったが、新しい領域として、米海軍支援の目的での対艦攻撃を強化したり、また、中国軍艦隊の無力化や人工島上の中国軍基地への攻撃訓練も視野に入れているとも言及した。
中国は既に、南沙(スプラトリー)諸島内の複数の人工島に軍事施設を着々と建設している。
そしてそれらの人工島は、フィリピン、ブルネイ、マレーシアの200海里漁業専管水域(排他的経済水域)内にあり、領有権問題を引き起こしている。
そこで米陸軍は、米海兵隊が先月に沖縄の小島で実施した上陸訓練にも参加して、実戦に備えた。
更に、4月1日からフィリピン国軍のアギナルド基地(マニラ北部のケソン市、同軍中央指令部がある中心基地)で始まった、フィリピン軍主催の合同訓練“バリカタン2019(注後記)”にも参加している。
また米陸軍は、太平洋上の小島への上陸・奪取訓練に加えて、長距離ミサイルや大砲の導入、更には艦船や標的地を攻撃が可能なロケット砲まで備えている。
将来的には、陸上から1,000キロメーター先の中国軍艦船も標的としうる長距離大砲の開発、導入も計画されている。
(注)バリカタン2019:バリカタンはタガログ語で「肩を並べる」の意で、フィリピン軍と米軍が合同で実施している軍事演習。1992年の在比米軍基地撤収後、翌93年に始まり、2000年以降は豪州軍も参加して毎年実施(1995~1999年は中止)。2019年は、日本、カナダ、NZ、韓国、ベトナム、タイ、英国も参加。
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