中国、政治的影響力を及ぼすためAIIBの資金力を最大限利用【米・マレーシアメディア】(2017/10/01)
欧米が中心だった国際金融業界に楔を打ち込むべく、大国の仲間入りしたと自負する中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)を発足させて4年が経つ。同行は2016年1月に開業して以来、加盟国が日米主導のアジア開発銀行(ADB)の67ヵ国を遥かに上回る80ヵ国に達した。更に、当初格付けも取得できなかった同行発行の債権も、世界銀行・ADBと同様、大手格付け3社から最上位の格付けを取得している。そしていよいよ習近平(シー・チンピン)指導部は、標榜する一帯一路大経済圏政策(OBOR)を実現していくため、AIIBを足掛かりに政治的影響力を最大化すべく邁進している。
9月29日付米
『ジ・エポック・タイムズ』:「中国、政治的影響力最大化のため経済リスク厭わず」
習近平国家主席が2012年に就任以来、AIIB創設にみられるとおり、中国による大国としてのプロジェクトが立ち上げられている。中国は、地域の経済発展に寄与していくとするが、これは表面上のことで、内実は、海外における貿易・インフラ開発事業への中国企業の投資最大化が目的に他ならない。
9月28日にニューヨークで開催された、外国政策協会(1918年創設の米国非営利団体)主催の“世界リーダーシップ・フォーラム”において、ユーラシアグループ(1998年創設の世界最大の政治リスク専門コンサルティング会社)アジア太平洋研究部門のエバン・メディーロス主幹は、中国はこれまで、経済支援・投資等あらゆる手段を用いて政治的影響力の増強に努めてきているとコメントした。...
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9月29日付米
『ジ・エポック・タイムズ』:「中国、政治的影響力最大化のため経済リスク厭わず」
習近平国家主席が2012年に就任以来、AIIB創設にみられるとおり、中国による大国としてのプロジェクトが立ち上げられている。中国は、地域の経済発展に寄与していくとするが、これは表面上のことで、内実は、海外における貿易・インフラ開発事業への中国企業の投資最大化が目的に他ならない。
9月28日にニューヨークで開催された、外国政策協会(1918年創設の米国非営利団体)主催の“世界リーダーシップ・フォーラム”において、ユーラシアグループ(1998年創設の世界最大の政治リスク専門コンサルティング会社)アジア太平洋研究部門のエバン・メディーロス主幹は、中国はこれまで、経済支援・投資等あらゆる手段を用いて政治的影響力の増強に努めてきているとコメントした。
同主幹は、この具体例として、2010年における日本向けレアアースメタルの輸出禁止や、2012年のフィリピンからの農産品輸入制限が挙げられるとする。そして、この手法によって、南シナ海における領有権争いや、インド洋までの海軍勢力の拡大につき優位に運ぼうとしていると付言した。この策謀に最大限利用されているのが、OBORでありAIIBであるとする。
一方、9月30日付マレーシア
『ザ・スター・オンライン』:「フィリピン、洪水対策費用のため4億1,520万ドルの融資取得」
フィリピンはこの程、首都マニラ(人口1,300万人)の洪水対策費用として、世界銀行とAIIBから合計4億1,520万ドル(約465億円)の融資を受けることになった。
両行の9月30日付発表によると、両行が2億760万ドル(約232億5,000万円)ずつ折半融資するもので、総額5億ドル(約560億円)の差額分は同国政府が拠出するという。なお、洪水対策計画は、今後7年かけて、56ヵ所に揚排水システム設備を新設、あるいは建直しするというもの。
世界銀行のフィリピン担当のマーラ・ワーウィック理事は、貧困層が多く住むマニラ首都圏では、洪水被害によって経済等により大きな打撃となっていると語った。
また、AIIBの投資担当のサピー・テラバニンソーン専務理事は、洪水によって事業や経済活動が被害を受け、経済損失はより大きくなるとしている。
そこで、40年程前に設けられた洪水対策インフラを、今回両行の支援で建直すことになった訳である。
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中学プロ棋士の連勝記録樹立に日本中が狂騒【米・英・マレーシアメディア】(2017/06/28)
将棋の中学生プロ棋士、藤井聡太四段が、これまでの公式戦連勝記録を破り29連勝した。これまで日本では、少々マイナーとみられていた将棋が、同棋士の偉業で以て、テレビはおろか大手紙も朝刊の一面を飾る程の“狂騒”を繰り広げている。
6月27日付米
『ABCニュース』:「14歳の棋士による連勝記録樹立に日本中が熱狂」
中学3年生の藤井聡太四段が6月26日、公式戦デビュー以来29連勝の新記録を打ち立てたことから、日本中が熱狂している。同棋士の偉業のニュースが、翌朝の大手紙の一面を飾ることになり、戦後最大の倒産となった、エアバッグ製造タカタについての報道が隅に追いやられた。
『共同通信』によれば、日本の将棋界は、1996年に一人の棋士(注;羽生善治三冠)が史上初めて全七冠を達成した時以来の注目を集めているという。...
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6月27日付米
『ABCニュース』:「14歳の棋士による連勝記録樹立に日本中が熱狂」
中学3年生の藤井聡太四段が6月26日、公式戦デビュー以来29連勝の新記録を打ち立てたことから、日本中が熱狂している。同棋士の偉業のニュースが、翌朝の大手紙の一面を飾ることになり、戦後最大の倒産となった、エアバッグ製造タカタについての報道が隅に追いやられた。
『共同通信』によれば、日本の将棋界は、1996年に一人の棋士(注;羽生善治三冠)が史上初めて全七冠を達成した時以来の注目を集めているという。
なお、安倍晋三首相も、藤井四段の偉業が多くの日本人に夢と希望を与えるとして称賛している。
同日付英
『ザ・ガーディアン』紙:「日本の将棋熱、14歳棋士の偉業で再燃」
藤井四段の偉業達成の際、多くのメディアが、エアバッグ製造タカタ倒産のニュースを凌ぐ勢いで報道しており、ネットでは最多時740万人が視聴していた。
大手紙のうち何紙かは号外を発行するほどの熱の入れようで、将棋界では、1990年代半ばの羽生善治棋士の全七冠達成以来の大ニュースである。
『共同通信』の報道では、もし藤井四段がこのまま勝ち進んでタイトル獲得(注;竜王)となれば、14歳にして4,300万円(30万2,000ポンド)を得ることになるという。ただ、日本将棋連盟関係者によれば、中学3年生の同棋士は、学業と並行していく必要があり、マスコミの過熱報道等によって影響が出ることを懸念している。そこで同連盟は、同棋士に付添い人を付け、かつ、タクシー移動とする特例措置を講じることにした。
同日付マレーシア
『ザ・スター・オンライン』(
『ロイター通信』配信):「日本の14歳のプロ棋士が30年振りに連勝記録を更新」
14歳のプロ棋士による、30年振りの連勝記録更新のニュースは、翌朝の大手紙の一面を飾った。そして、過去15年余り、デフレと経済停滞に喘ぐ日本にとって、将棋ファンから首相までも歓喜雀躍させる事態となっている。
日本将棋連盟関係者によれば、現在は人工知能(AI)の将棋ソフトが開発されていることから、藤井四段等若手棋士にとって、より多くの実戦経験を積む機会を与えることになるという。ただ、目下のところ、同棋士がAIとの電王戦を行う予定はないという。
なお、碁棋士世界一の柯潔(ケー・ジエ、中国人)棋士は現在19歳で、チェス世界王者のマグヌス・カールセン(26歳、ノルウェー人)がグランドマスター(世界チェス連盟が付与するチェスの称号)を獲得したのは13歳のときである。
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