ロシアのウクライナ軍事侵攻以降、多くの西側諸国企業がロシアからの撤退を余儀なくされている。そうした中、世界2位のオランダのビール醸造会社ハイネケン(1863年設立)がロシア事業の売却によってロシア撤退を完了させたが、損失額は3億ユーロ(約474億円)に上っている。
8月25日付米
『AP通信』、
『ブルームバーグ』オンラインニュース、英国
『ザ・ガーディアン』紙等は、オランダの大手ビール醸造会社が漸くロシア撤退を完了させたが、損失額は3億ユーロに上ると報じている。
オランダのハイネケンは8月25日、昨年3月から取り掛かっていたロシア事業の売却交渉が終了し、ロシアからの撤退が完了したと発表した。
同社発表によると、ロシア内の7つのビール工場をロシアの複合企業アーネスト・グループ(1971年設立、化粧品・日用雑貨・製缶業大手)に1ユーロ(約158円)の名目上の価格で売却するもので、この結果、同社の損失額は3億ユーロ(3億2,500万ドル)になるという。...
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8月25日付米
『AP通信』、
『ブルームバーグ』オンラインニュース、英国
『ザ・ガーディアン』紙等は、オランダの大手ビール醸造会社が漸くロシア撤退を完了させたが、損失額は3億ユーロに上ると報じている。
オランダのハイネケンは8月25日、昨年3月から取り掛かっていたロシア事業の売却交渉が終了し、ロシアからの撤退が完了したと発表した。
同社発表によると、ロシア内の7つのビール工場をロシアの複合企業アーネスト・グループ(1971年設立、化粧品・日用雑貨・製缶業大手)に1ユーロ(約158円)の名目上の価格で売却するもので、この結果、同社の損失額は3億ユーロ(3億2,500万ドル)になるという。
同社最高経営責任者(CEO)のドルフ・バン・デン・ブリンク氏(50歳、2020年就任)は声明文の中で、“撤退完了までに想像以上に時間を要したのは、責任ある撤退を完了すべく、例えばロシア事業に携わる約1,800人のロシア人従業員の雇用を確保する交渉に時間がかかったためだ”と言及している。
ロシアでは、西側諸国からの経済制裁が厳しくなるに連れて、ロシア国内で事業展開する西側企業に対する締め付けが厳格化されてきていて、例えば、株式の50%をロシア企業に譲渡することや、全収益の10%をロシア政府に納めること等の制裁的措置が講じられている。
かかる状況下、イェール大(1701年設立の私立大学)のデータによると、ウクライナ軍事侵攻以来、戦争非難による撤退決定はもとより、悪条件の下で事業継続を断念する西側企業は1千社余りとなっている。
その中でも、昨年撤退を決めたマクドナルドは損失額が10億ドル(約1,460億円)超となったと見込まれている。
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世界気象機関(WMO、1950年設立の国連専門機関のひとつ)はこの程、エルニーニョ現象(注1後記)が7年振りに発生したと正式に発表した。そのため、世界各地で猛暑となり、また熱帯病の感染拡大の恐れがあると警告している。
7月4日付
『ロイター通信』、
『ユーロニュース』、
『ザ・ガーディアン』紙等は、WMOが正式にエルニーニョ現象の発生を確認した上で、世界中で猛暑と熱帯病の感染拡大の恐れがあると警告したと報じている。
WMOは7月4日、7年振りにエルニーニョ現象の発生が認められたと発表した。
これまで同現象が発生した際には、地域によって熱帯低気圧(サイクロン)や豪雨の発生、また深刻な干ばつに襲われている。...
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7月4日付
『ロイター通信』、
『ユーロニュース』、
『ザ・ガーディアン』紙等は、WMOが正式にエルニーニョ現象の発生を確認した上で、世界中で猛暑と熱帯病の感染拡大の恐れがあると警告したと報じている。
WMOは7月4日、7年振りにエルニーニョ現象の発生が認められたと発表した。
これまで同現象が発生した際には、地域によって熱帯低気圧(サイクロン)や豪雨の発生、また深刻な干ばつに襲われている。
世界の平均温度が最高となったのは2016年で、そのときもエルニーニョ現象が発生していた。
しかし、気象専門家は、気象変動の影響で更に極端な高温事態が発生する恐れがあるとコメントしている。
WMOも今年5月、今後5年間が異常気象となる可能性が高いと表明していた。
WMO気象予報部門のウィルフラン・モーフォーマ=オキア部門長は記者会見で、“厳しい気象状況となるのが今年なのか来年なのか予想するのは難しい”とした上で、“今後5年内に平均気温の最高値を更新する事態となるのは確かだと考えられる”と発言した。
WMOは6月にも、エルニーニョ現象に関連して、デング熱(注2後記)、ジカ熱(注3後記)、チクングニア熱(注4後記)のような熱帯感染症が広範囲にわたって発生する恐れがあると表明していた。
世界保健機関(WHO、1948年設立)環境・気候変動・公衆衛生担当のマリア・ニーラ理事(60歳、2005年就任)も、“今後の異常高温現象に伴って、感染症の拡大が十分考えられる”とコメントしている。
なお、WMOによれば、エルニーニョ現象は2~7年毎に発生し、9~12ヵ月にわたって続くことが多いという。
過去エルニーニョ現象が発生した際には、南米南部、米国南部、中央アジアが豪雨に襲われ、一方で豪州、インドネシア、南アジア、中米、南米北部で深刻な干ばつが発生していた。
(注1)エルニーニョ現象:中央太平洋及び東太平洋の熱帯域で発生する海面水温が上昇しては下降する振動。その結果、西太平洋に高い気圧を、東太平洋には低い気圧をもたらし、そのために発生した偏西風によって本来冷水海域の南米ペルー沖に赤道方面から暖かい海水が流れ込み、平均水温が1年余り平年より高い状態が続く現象。これまでの記録で、エルニーニョ発生時に地球上の平均気温が高くなり、一部地域に極端な少雨・干ばつ、また別の地域に豪雨をもたらす異常気象が発生している。
(注2)デング熱:デングウィルスが原因の感染症で、熱帯病の一つ。蚊の吸血活動を通じて、ウィルスが人から人へ移り、高熱に達することで知られる一過性の熱性疾患。症状には、発熱・頭痛・筋肉痛・関節痛、はしかの症状に似た特徴的な皮膚発疹を含む。
(注3)ジカ熱:ジカウィルスによって引き起こされる病気。アジア、アメリカ、アフリカ、太平洋で感染が発生。主たる症状は軽度の発熱、結膜充血、筋肉痛、関節痛、頭痛、斑点状丘疹。
(注4)チクングニア熱:ネッタイシマカやヒトスジシマカなどにより媒介されるウィルス性の伝染病。2日から長くても2週間程度の潜伏期間の後に、40℃に達する高熱と斑状丘疹があり、関節が激しく痛む。他に頭痛や結膜炎、羞明(眩しがること)などを伴うことがある。
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