ヨーロッパ、コロナ第2波で約200の空港が破産寸前
新型コロナウイルスの第2波でヨーロッパ各国が外出制限措置を強化する中、国際空港評議会(ACI)ヨーロッパ支部は、加盟国に対し閉鎖の危機に瀕している200ほどの空港を支援するよう改めて要請を出した。同評議会の事務局長は、中期的には空港のビジネスモデルを変えていかなければならないと考えている。
英
『ザ・ガーディアン』によると、国際空港評議会(ACI)欧州支部は10月末に、ヨーロッパのほぼ200 の空港がコロナウイルスのパンデミックによって引き起こされた航空業界の劇的な崩壊のために数ヵ月以内に破産するリスクがあると発表した。
空港の管理者の団体であるACI欧州支部は、ヨーロッパの740 の商業空港のうち193 が 「乗客の往来が年末までに回復し始めなければ今後数ヵ月間に債務超過に直面する」という予測を発表した。...
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『ザ・ガーディアン』によると、国際空港評議会(ACI)欧州支部は10月末に、ヨーロッパのほぼ200 の空港がコロナウイルスのパンデミックによって引き起こされた航空業界の劇的な崩壊のために数ヵ月以内に破産するリスクがあると発表した。
空港の管理者の団体であるACI欧州支部は、ヨーロッパの740 の商業空港のうち193 が 「乗客の往来が年末までに回復し始めなければ今後数ヵ月間に債務超過に直面する」という予測を発表した。同団体によると、破産危機に直面している空港は合わせて27万人以上を雇用し、年間総収入は124億ユーロ(約1兆5千億円)だという。
ACI欧州支部の事務局長であるオリビエ・ヤンコベック氏は、すでに何万人もの雇用が失われている航空業界の将来について、この数字は「著しく暗い未来像」を見せていると述べた。破産危機の可能性が最も高い空港のほとんどが、乗客数が最も減少した小さい地方空港であるという。
事務局長は、「危機に陥ってから8ヵ月経ち、ヨーロッパのすべての空港は、営業を続けるために現金を使い果たしており、資本コストはおろか、収益も運営コストもカバーすることからほど遠い状態にある」と述べた。そして、各国政府が旅行者に対し隔離期間を設けていることで、ヨーロッパの空港は日を追うごとに瀬戸際に近づいており、欧州各国に対し、旅行者を隔離するのではなく、旅行者に新型コロナの検査を実施する方向に転換するよう求めた。
仏『レゼコー』は、ACI欧州支部によると11月の航空交通量は2019年の水準を86%下回っており、危機に陥って以降15億人の旅行客を失ったと報じている。空港の収入は基本的に空港を利用する乗客によって得ている一方で、経費の80%が固定費となっている。
ACIヨーロッパの事務局長は17日の年次総会で、中期的には空港のビジネスモデルを変えていく必要があると述べた。「格安航空会社のサービスは、コスト管理や機敏性のように、コロナ後の新しい現実に完全に適応している」と説明し、アイルランドのライアンエアーとハンガリーのウィズエア-を「勝者」として挙げた。
格安航空会社はまた、固定費が非常に高い長距離路線中心の航空大手と比較して、ヨーロッパでの中距離路線に限定された路線を利用しているため有利となっている。ヨーロッパの中距離路線は再びゆっくりと回復し始めている一方で、長距離路線は世界的に感染が終息する見通しが不透明なため、ほとんど停止となっているためだ。
ヤンコベック事務局長は、各空港は格安航空会社が勝者となりそうな新しいビジネスモデルを構築していく必要があると述べ、「格安航空会社は市場シェアを獲得するだろうし、もしかしたら、いつの間にか長距離路線に興味を持つようになるかもしれない」と付け加えた。
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イギリス軍、2030年代までにロボット兵が軍の4分の1を占める可能性
イギリスの国防参謀長は8日、「ロボット兵」が2030年頃までに英国陸軍の4分の1を占める可能性を示唆した。「ロボット戦」への投資は、イギリスの5年間の国防予算の見直しの際に中心的に議論されることになっている。
仏
『レゼコー』によると、イギリス国防参謀長のニック・カーター将軍は8日、英「スカイニュース」とのインタビューで、イギリス軍の「12万人の兵士のうち、3万はロボット兵になる可能性がある」と示唆した。
自律型または遠隔制御型の機械が、最前線およびその周辺で人間と一緒に働くことになるという。「ロボット戦」への投資は、現在待機中の5年間の国防予算の見直しで検討されることになっていたが、新型コロナウイルスによって今後の見通しが不確実になった現在、長期的な支出の見直しは中止となった。...
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仏
『レゼコー』によると、イギリス国防参謀長のニック・カーター将軍は8日、英「スカイニュース」とのインタビューで、イギリス軍の「12万人の兵士のうち、3万はロボット兵になる可能性がある」と示唆した。
自律型または遠隔制御型の機械が、最前線およびその周辺で人間と一緒に働くことになるという。「ロボット戦」への投資は、現在待機中の5年間の国防予算の見直しで検討されることになっていたが、新型コロナウイルスによって今後の見通しが不確実になった現在、長期的な支出の見直しは中止となった。
カーター将軍は英BBCのインタビューでも「10年後の未来を見れば、戦争は違ったものになっていることは間違いないと思う。将来、戦場にはロボットが登場するだろう。今日すでに登場している」と語っている。
英『ザ・ガーディアン』によると、カーター将軍は、「スカイニュース」のインタビューで、軍隊は「効果を測定する別の方法を考える必要がある」とし、以前から約束されていた5年間の国防予算見直しを推し進めるよう政府に求めていると語った。同将軍は、長期的な投資は、軍を近代化していく機会を与えるため、必要であるとし、複数年予算をまとめるよう政府に要求していくという。
英陸軍はまた、数年前から採用に苦戦しており、訓練を受けた兵士は現在7万3870人となっている。これは目標の8万2050人を大幅に下回っている。5カ年計画の見直しでは、目標はさらに削減されて75,000人になると予想されており、そのギャップを埋めるためにハイテクが活躍していく予定だ。現在既にイギリス陸海空軍の全てが小型無人機や遠隔操作の陸上・水中輸送車両を含む一連の研究プロジェクトに携わっており、中には武器を装備した機械や、偵察用機械が使用され始めている。
カーター将軍はさらに、世界は「非常に不確実で不安な場所」であると主張し、既存の地域紛争の「激化が誤算につながる」場合、将来英国は破壊的な戦争に引きずり込まれる危険性が残っていると警告した。「歴史は必ずしも繰り返すものではないものの、一定の流れがあることを忘れてはならない。前世紀を振り返ってみると、2つの世界大戦の前には、地域紛争が激化し、最終的には、二度と見たくない大規模な戦争につながるような誤算を招いている」と指摘している。
将軍は、今後大きな世界紛争はありえるのか、という問いに対して「リスクはある。そうしたリスクを意識する必要がある」と答えている。
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