その貨物船は、7月25日にインド洋モーリシャス島に座礁の末、舷側から1000トンのも及ぶ重油を流出させた。
貨物船の運航会社の商船三井と日本政府は、すでに国際協力機構(JICA)の専門家を重油で汚染された現地に派遣し、モーリシャス島のサンゴ礁などの生態系に対する海洋汚染の影響を調査した。
調査の結果、座礁船の周辺の海底のサンゴやサンゴ礁には汚染が見られなかったが、重油層がマングローブに到達して、貴重な植物種を汚染しているという。...
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その貨物船は、7月25日にインド洋モーリシャス島に座礁の末、舷側から1000トンのも及ぶ重油を流出させた。
貨物船の運航会社の商船三井と日本政府は、すでに国際協力機構(JICA)の専門家を重油で汚染された現地に派遣し、モーリシャス島のサンゴ礁などの生態系に対する海洋汚染の影響を調査した。
調査の結果、座礁船の周辺の海底のサンゴやサンゴ礁には汚染が見られなかったが、重油層がマングローブに到達して、貴重な植物種を汚染しているという。
商船三井としては、自社がチャーターした貨物船の海洋汚染事故の社会的責任を認めており、池田潤一郎社長は「島の住人の生活に打撃を与えた事故であると認識している」と語った。
商船三井は、向こう数年間にわたって、沿岸の除染費用と、マングローブやサンゴの保護対策として、800万ユーロ(=約9.2億円)相当の出費を行うことを約束した。
なお、これらの商船三井の資金援助は、モーリシャス政府が要求している損害賠償額とは別個に支払われるものとしている。
一方、今回の海洋汚染に対して、商船三井がモーリシャス島政府に支払う損害賠償額は、今後の協議により決定されるという。
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9月2日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「モーリシャス沖の座礁船の解体作業に当たっていたタグボートが沈没し3人が犠牲に」
モーリシャスの警察は9月1日、同国沖で座礁した大型貨物船の解体の一環で、同船の空艀を撤去し曳航していたタグボートが、折からの高波に遭い、沈没する事故が発生したと発表した。
同署のジョーダン・ジェイソン・スナジー警察官によると、少なくとも3人のタグボート乗組員が死亡し、1人が行方不明、そして4人は救助されたという。...
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9月2日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「モーリシャス沖の座礁船の解体作業に当たっていたタグボートが沈没し3人が犠牲に」
モーリシャスの警察は9月1日、同国沖で座礁した大型貨物船の解体の一環で、同船の空艀を撤去し曳航していたタグボートが、折からの高波に遭い、沈没する事故が発生したと発表した。
同署のジョーダン・ジェイソン・スナジー警察官によると、少なくとも3人のタグボート乗組員が死亡し、1人が行方不明、そして4人は救助されたという。
環境問題コンサルタントのサニル・ドゥワーカシン氏は『AP通信』のインタビューに答えて、“遂に貨物船座礁事故に絡んで死亡事故が発生してしまった”とし、“燃料油流出問題に関わる賠償費用は増え続けている”と警鐘を鳴らした。
同氏によれば、タグボートはサンゴ礁の外の深淵で沈没したが、今のところ燃料油の流出は認められていないという。
7月25日に座礁事故を起こした大型貨物船に8月6日になって大きなヒビが入り、燃料タンクからの燃料油流出が始まった。
結果1,000トン余りがサンゴ礁の浅瀬からマングローブの密生する沿岸まで広がり、深刻な環境被害を起こしている。
地元のボランティア含めて、流出油の回収、海洋生物の避難補助などに当たったが、先週(8月24日の週)、47頭のイルカと3頭のクジラが死亡しているのが見つかっている。
ドゥワーカシン氏は、流出油によるものだとしているが、モーリシャス政府は、研究所での検死の結果、流出油が原因だとは認められないとしており、同国市民から非難の声が上がっている。
なお、数万人の市民が8月29日、事故発生後の初期対応の遅延等に抗議し、政府幹部は責任を取って退陣するよう求めてデモ行進を実施した。
これに対してプラビンド・ジュグノート首相は、初期対応が遅れたのは事故発生後悪天候が続いたためだったと釈明している。
同日付フランス『AFP通信』:「座礁貨物船解体の補助作業を行っていたタグボートが沈没し、少なくとも2人死亡」
ジュグノート首相は9月1日、座礁した大型貨物船の解体作業の補助業務を行っていたタグボートが沈没し、少なくとも2人の乗組員が死亡し、2人が行方不明になっていると発表した。
同首相は、沈没したタグボートからの“燃料油流出は起こっていない”とし、事故原因の究明に当たると表明した。
タグボート保有のテイラー・スミスグループによれば、8月31日晩、タグボートと曳航していた空艀が高波に遭って衝突し、タグボートが沈んでしまったという。
モーリシャス港務局は、沈没したタグボートには8人が乗船していて、事故当時は海がかなり時化ていたと発表している。
同局によると、4人が救出され、病院で手当てを受けているという。
なお、8月末の週末に約7万5千人の市民が市中をデモ行進し、政府対応のまずさに抗議した。
これは、同国において過去40年で最大規模の抗議デモである。
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