バイデン大統領;元駐日大使キャロライン・ケネディ、元フィギュアスケート・メダリストのミシェル・クワンを米国大使に指名【米メディア】
ジョー・バイデン大統領(79歳)は、ここへ来て国内の支持率下落に喘いでいる。そこで、まずは前政権が失った国際社会からの信頼回復に注力すべく、大統領選の早い段階からバイデン派としてはたらいてきていた元駐日大使キャロライン・ケネディ氏(64歳、2013~2017年在任)及び元フィギュアスケート・メダリストのミシェル・クワン氏(41歳、1998年長野大会銀メダル、2002年ソルトレークシティ大会銅メダル獲得)を、それぞれオーストラリア、中米ベリーズ(英連邦傘下の立憲君主国、1981年独立)の米国大使に指名した。
12月15日付
『AP通信』 :「バイデン大統領、キャロライン・ケネディ及びミシェル・クワン両氏を米国大使に指名」
ジョー・バイデン大統領は12月15日、故ジョン・F.・ケネディ第35代大統領(1917~1963年、1961~1963年在任)長女の元駐日大使キャロライン・ケネディ氏を駐豪大使に、また、元フィギュアスケート・メダリストのミシェル・クワン氏を駐ベリーズ大使にそれぞれ指名した。...
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12月15日付
『AP通信』 :「バイデン大統領、キャロライン・ケネディ及びミシェル・クワン両氏を米国大使に指名」
ジョー・バイデン大統領は12月15日、故ジョン・F.・ケネディ第35代大統領(1917~1963年、1961~1963年在任)長女の元駐日大使キャロライン・ケネディ氏を駐豪大使に、また、元フィギュアスケート・メダリストのミシェル・クワン氏を駐ベリーズ大使にそれぞれ指名した。
ケネディ氏は、2020年の米大統領戦の早い段階からバイデン氏支持を表明しており、『ボストン・グローブ』 紙(1872年創刊)社説では、彼女がバイデン氏の功績を評価し、また、駐日大使時代にバイデン氏が副大統領として訪日した際のことを好意的に捉えていると報じられている。
ケネディ氏は指名連絡を受けて声明を発表し、その中で、第二次世界大戦中の1943年8月に、彼女の父が艇長を務めていた米軍高速魚雷艇が日本軍によって撃沈された際、ソロモン諸島(1978年英国より独立)及び豪州沿岸監視隊の人々に助けられたことに言及し、“(米上院で)駐豪大使指名が承認されたなら、この時の恩義に報いるためにも最善を尽くしたい”と表明している。
更に同氏は、“同盟国の豪州との関係強化、また、新型コロナウィルス感染流行問題に関わる世界規模の健康福祉やワクチン配布、及び気候変動対策等に注力する”とも言及した。
バイデン大統領は既に、ケネディ家の一員であるビクトリア・ケネディ氏(67歳、故エドワード・ケネディ上院議員の妻)を駐オーストリア大使に指名していて、今年10月に既に米上院で承認されている。
同大統領が今回指名したクワン氏も、2019年時からバイデン氏キャンペーンチームに所属していて、現在は国際スペシャルオリンピックス(1962年活動開始の知的障碍者のための国際スポーツ組織)の財務担当役員に就任していた。
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カナダ教育委員会、ノーベル平和賞受賞者を反イスラム感情を起こす可能性があるとして検閲対象に
カナダ最大であるトロント教育委員会は、2018年のノーベル平和賞受賞者であり、イラクでISに拉致され性奴隷の被害者となったナディア・ムラードさんを、「イスラム教への反感を助長する」可能性がある存在だと判断し、ムラードさんが招待された読書&意見交換会に13歳から18歳までの10代の女の子が参加できない措置を取った。
カナダ
『グローブアンドメイル』 紙によると、トロント教育委員会は、4年ほど前からトロント在住の母親であり起業家でもあるターニャ・リー氏と提携して、10代の女の子を対象とした読書&意見交換会のイベントを運営している。トロントのダウンタウンにある図書館の地下で15人の10代の少女たちが集まって始まった会は、現在60人以上の10代の少女たちが毎月オンラインで集まる規模まで成長した。
トロント教育委員会はこれまで積極的にリーさんの活動を支援してきた。...
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カナダ
『グローブアンドメイル』 紙によると、トロント教育委員会は、4年ほど前からトロント在住の母親であり起業家でもあるターニャ・リー氏と提携して、10代の女の子を対象とした読書&意見交換会のイベントを運営している。トロントのダウンタウンにある図書館の地下で15人の10代の少女たちが集まって始まった会は、現在60人以上の10代の少女たちが毎月オンラインで集まる規模まで成長した。
トロント教育委員会はこれまで積極的にリーさんの活動を支援してきた。参加する生徒に本を配布したり、クラスで議論したり、クラブのメンバーが学校を休んで参加することを許可したりしてきた。しかし、先月、リーさんはヘレン・フィッシャー教育委員会会長から、リーさんが選んだ2冊の本を支持しないという連絡を受け、支援を打ち切られた。2冊のうち1冊が2018年のノーベル平和賞受賞者のナディア・ムラードさんの本「THE LAST GIRL - イスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語」だった。教育委員会は、イスラム教への反感を起こす可能性があると判断して、生徒たちを参加させない旨を伝えたという。
『グローブアンドメイル』 紙は、力ある立場の機関が、無知であり、特に教育の仕事をしていることは問題だ、と批判している。ムラードさんは19歳のとき、イスラム国のテロリストがイラク北部の村に侵入し、彼女を含む何千人もの若いヤジディ教徒の女性たちを奴隷にして大量虐殺を行った。逃亡することに成功しドイツに逃れたムラードさんは、国連安全保障理事会で証言し、人身売買に関する国連大使となり、ノーベル平和賞を受賞した。
『グローブアンドメイル』 紙は、自らのマニフェストで「公平性、人権、反人種主義、反抑圧に対する大胆なコミットメント」を謳っているトロント教育委員会の幹部たちは、アフリカ系行事をお祝いすること、ジェンダーニュートラルトイレ、一人一台端末の推進でマニフェストを達成するものではないことをもう一度考え直すべきだと指摘している。
しかし、こうした検閲行為はカナダ国内で広がっている。仏放送局『RFI』 と『ウエストフランス』 紙によると、ラジオ・カナダ・インターナショナルの記者が今年9月、オンタリオ州南部の約30の学校図書館から2年前に、約5千冊のコミック本、児童・青少年向けの小説、ノンフィクションの本がカナダ先住民に対する不適切な表現が含まれていたとして処分されていたことを発見した。
例えば、「タンタン」や「ラッキールーク」など、欧米で昔から子供達に人気のある漫画本や、文学賞の候補になった現代小説であっても、例えば先住民のように着こなす方法を説明しているとして、その文化の所有権を持つのは不適切であるがゆえに処分の対象となった。他にも、半裸の人物が登場したり、「アメリカンインディアン」という表現が出て来たりした場合、不適切だとして処分された。「人種差別、差別、固定観念の灰を埋めよう」と、数十冊の本が燃やされ、その灰が地面に埋められたこともあったという。
30校ほどの学校が集まって造られた委員会は、こうした処分を行うにあたって「知識の保護者」と称するアドバイザーを採用していた。しかし、いくつかの先住民族コミュニティの出身であるとして採用されたアドバイザーは、先住民族コミュニティでは誰からも知られておらず、系図学者も18世紀以降の先住民の祖先を見つけることができなかった。さらには、そのアドバイザーは、左派与党の「先住民委員会」の共同議長を務めていたことが発覚し、波紋が広がっていた。保守党のリーダーであるエリン・オトゥール氏は、先住民との「和解は、カナダを壊すことではない」とツイートしていた。
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